英国・欧州

ミラノで日本人料理人を採用:給与・枠の時期・現地採用

ミラノの日本人コミュニティは増えていますが、2026年のクリックデーはすでに終わっています。ミラノの料理人に適用されるCCNLの給与下限、ワーキングホリデーが今使えるルートである理由、現地候補者の探し方を解説。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

ミラノには住民登録している日本人が約2,000人おり、コミュニティは増えていますが、日本から料理人を呼ぶ場合はイタリア全国の受け入れ枠の日程に沿うことになり、2026年のクリックデーはすでに終わっています。CCNL観光・飲食業(Turismo Pubblici Esercizi)が定める全国最低額は、cuoco(レベル4、2026年6月時点)で月額€1,692.69、capo cuoco(レベル2)で€1,916.35で、ミラノの実際の給与は実務上これを上回ります。今すぐ厨房に人が必要なら、次のクリックデーを待つより、ワーキングホリデーの料理人か現地採用のほうが早く動けます。

このページは、ミラノの日本食レストランが料理人を1人採用する場合向けです。ミラノならではの事情、つまりコミュニティの規模と特徴、オファーに適用されるCCNLの給与水準、現地での探し方を扱います。全国の受け入れ枠の手続き、日本向けの優先枠、職業安定所への照会はイタリアの記事にまとめて解説しており、本ページではその表を繰り返しません。

目次

  1. 数字で見るミラノ
  2. ミラノの料理人にCCNLが定める給与
  3. 受け入れ枠のルートを一段落で
  4. ワーキングホリデー:今すぐ使えるルート
  5. すでにミラノにいる候補者を探す
  6. 費用とスケジュール
  7. 候補者に送る採用条件のひな形
  8. ミラノでの採用プラン

1. 数字で見るミラノ

地元の日本人コミュニティが増える一方で全国の日本食レストラン数が減っているという組み合わせは、ミラノの雇用主には好都合です。数年前より市内の日本語話者は多く、イタリアの他地域で閉店した店から経験者が出てきている可能性もあります。

2. ミラノの料理人にCCNLが定める給与

ミラノの日本食レストランのほぼすべてに、飲食店・バーなどに適用される全国労働協約、CCNL観光・飲食業(Confcommercio)が適用されます。2026年6月1日時点のレベル別の月額総支給最低額は次のとおりです。

職務レベル月額最低額(総支給)
Capo cuoco(料理長)2°€1,916.35
Cuoco unico(一人で厨房を任される料理人)3°€1,800.73
Cuoco / Pizzaiolo(料理人)4°€1,692.69

これらは全国共通の下限であり、CCNLはミラノ向けに別途高い水準を定めているわけではありません。実務上、ミラノの飲食店は生活費の高さと熟練スタッフの獲得競争から、この下限より高く払うのが一般的ですが、ここに挙げられるミラノ限定の公式なベンチマークは見つかりませんでした。まずはCCNLの表を、ヌッラ・オスタ申請(CCNL水準の契約を要求します)に対する法的な下限として使い、そのうえで実際の提示額はミラノでその役割がどれだけの価値を持つかで決めてください。訓練と経験を積んだ寿司カウンターの料理人であれば、レベル4を大きく超え、capo cuoco水準かそれ以上が妥当なことが多いはずです。雇用主負担の社会保険料(INPS/INAIL)は総支給額の上にさらに加わりますが、会社規模や契約形態で率が変わるため、目安の数字に頼らず顧問の会計士(commercialista)に現行の率を確認してください。

3. 受け入れ枠のルートを一段落で

日本から料理人を直接、季節労働以外のポジションで採用する場合は、デクレト・フルッシの受け入れ枠制度を通ります。移民分野でイタリアと協力する国(日本を含む)には、季節労働以外の全国枠の中に優先枠があります。申請は決められた「クリックデー」に行いますが、2026年のクリックデーは2026年2月にすでに終わっており、確認した時点で労働省は2027年の日程を公表していませんでした。申請前には、イタリア国内にすでに適任の労働者がいないことを確認する職業安定所(Centro per l'impiego)の照会もクリアする必要があります。現行のクリックデーの日程(公表され次第)、優先枠の仕組み、職業安定所の手続きはすべてイタリアの記事で詳しく解説しており、本ページでは、ミラノも他のイタリアの都市と同じ全国枠を争う立場にあるとだけ述べておきます。

4. ワーキングホリデー:今すぐ使えるルート

イタリアと日本のワーキングホリデー協定は2026年4月1日に発効し、18歳から30歳のイタリア国民・日本国民が対象で、最長1年の滞在のうち通算6か月まで働けます。外務省によると、イタリアの年間枠は500人です。受け入れ枠の日程が今年はすでに閉じているため、これはクリックデーの日程に左右されずにミラノの厨房に迎え入れられる、唯一の合法的なルートです。

恒久的な解決策ではなく試用期間として捉えてください。就労が通算6か月までという制限があるため、その先の計画が必要です。手元に置いておきたい料理人であれば、在籍しているうちに、イタリアの記事にある逆算スケジュールを使って翌年の受け入れ枠申請の準備を始めてください。

5. すでにミラノにいる候補者を探す

日本人居住者が2,000人を超えるミラノなら、現地募集だけで、すでに就労できる候補者が見つかる可能性があり、そうなれば受け入れ枠の問題自体を避けられます。受け入れ枠のルートに進む前に、次のことをしておきましょう。

6. 費用とスケジュール

まだ存在しない受け入れ枠の日程を仮定せずに、今日の時点で組める予算は次のとおりです。

項目費用の考え方
給与、料理人1人、CCNLレベル4、1年分€1,692.69×14(CCNLの第13・14月分手当を含む)≒総支給約€23,700
雇用主負担の社会保険料(INPS/INAIL)総支給額にさらに一定率が上乗せされる。現行の率は顧問の会計士に確認
ワーキングホリデーのルート:ビザと渡航費のみ、ヌッラ・オスタの手数料なし料理人本人のビザ費用と航空券。日本での現行の領事手数料を確認
受け入れ枠のルート(再開時):印紙税、ヌッラ・オスタの処理費用、領事ビザの手続き手数料の詳細はイタリアの記事を参照

逆算スケジュールとしては、ワーキングホリデーのルートは短期間です。条件を合意し、料理人が日本でワーキングホリデービザを申請し(ビザ自体が下りればそこから渡航まで数か月ではなく数週間です)、渡航に進みます。受け入れ枠のルートは、労働省が次のクリックデーを発表するまで週単位のスケジュールを組めません。日程が判明した後の12か月の計画カレンダーはイタリアの記事にまとめています。

7. 候補者に送る採用条件のひな形

採用条件のご案内(ミラノ)
勤務先:[店舗名](ミラノ市)
職務:[職種名、例:寿司職人 / 料理長]
契約区分:CCNL観光・飲食業(Turismo, Pubblici Esercizi)、レベル[2°/3°/4°]
基本給:月額€[金額](14か月分、CCNLの第13・14月分手当を含む)
就労のルート:[ワーキングホリデー(最長6か月)/デクレト・フルッシ枠(次回クリックデー未定)/既存の滞在許可]
契約期間:[期間]、試用期間[期間]
就業開始予定日:[日付]
住居:[会社負担/本人負担/一部補助]
渡航費:[会社負担/本人負担]
[会社名・担当者名・連絡先]

この文書には、店名とミラノの所在地、職務、契約上の下限を決めるCCNL観光・飲食業のレベル、第13・14月分手当を含む月額総支給額、料理人を迎える方法(ワーキングホリデー、受け入れ枠、既存の滞在許可のいずれか)、契約期間と試用期間、就業開始予定日、住居・渡航費の負担者を必ず入れてください。

8. ミラノでの採用プラン

  1. まず日本語とイタリア語で現地募集をする。閉店した店の元スタッフにも当たってみる。
  2. その職務に対応するCCNLのレベルを基準にオファーを組み、そのうえでミラノの市場と候補者の経験に見合う額を上乗せする。
  3. 今すぐ迎え入れられる料理人には、ワーキングホリデーのルートを使い、6か月の試用期間として計画する。
  4. 日本からの長期採用を望むなら、労働省が次のクリックデーを発表次第、準備を始める。詳しい日程はイタリアの記事を参照。
  5. どちらのルートで進める場合も、申請前に上記の採用条件のひな形を候補者に送る。

変わる数字:CCNL観光・飲食業の最低額は改定のたびに変わり、上記は2026年6月1日時点のものです。2027年のデクレト・フルッシのクリックデーは、確認した時点で未公表でした。次回確認は2027年1月です。

よくある質問

ミラノで料理人にいくら払うべきですか。

CCNL観光・飲食業がレベルごとに全国最低額を定めており、2026年6月1日時点でcuoco(レベル4)が月額€1,692.69、capo cuoco(レベル2)が€1,916.35で、いずれも14回払いです。これらは法定の下限であり、ミラノの雇用主は熟練したバイリンガルのスタッフには一般にこれ以上を支払います。

今すぐミラノ向けに日本から料理人をスポンサーできますか。

短期的には受け入れ枠のルートでは難しいです。2026年のクリックデーはすでに終わっており、確認した時点で2027年の日程は公表されていませんでした。18歳から30歳のワーキングホリデーの料理人が、クリックデーを待たずに使えるルートです。

ミラノの日本人コミュニティは現地募集に十分な規模ですか。

試す価値はあります。市の住民登録では2025年の日本人住民は2,124人で、2024年の2,058人から増えており、全国的な日本食レストランの減少により、職を探している経験者もいる可能性があります。就労できると決めつける前に、候補者一人ひとりの滞在許可を確認してください。

ワーキングホリデーの料理人は実際に厨房でどこまで働けますか。

2026年4月1日発効のイタリアと日本のワーキングホリデー協定のもと、最長1年の滞在のうち通算6か月まで働けます。試用期間として捉え、6か月が終わる前に受け入れ枠の申請など次の一手を計画してください。

ミラノでの採用は、イタリアの他地域と何が違いますか。

許可のルール、受け入れ枠の日程、CCNLの下限はすべて全国共通で、手続きそのものにミラノ固有の部分はありません。地域による違いが出るのは、日本人コミュニティの規模、閉店した店から出てくる候補者層、そしてCCNL最低額を実際にどれだけ上回るかという市場の水準です。

本記事は2026年9月に公的な情報源をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民に関する助言ではありません。受け入れ枠、日程、労働協約の最低額は変わります。実際の手続きの前に、県庁、労働省、または専門家に確認してください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

和食料理人を採用しませんか?

世界中の和食料理人が登録するWashokuJobに、貴店の求人を掲載できます。