寿司ダイアリー1:私の初めての寿司体験

私が初めてお寿司を食べたのは、アメリカで、10歳の頃。それは日本食レストランではなく、ヤンキーススタジアム。野球観戦の時でした。 小さな街でさほど文化も多様でない環境で育った私は、お寿司は何か“特別”なものであり、一般人が食べるようなものではないと思っていました。

「生魚?ウソでしょ?!」というのが、2000年代に多くの人が抱いていた感想のように思います。

初めて寿司を食べることに躊躇するアメリカ人のほとんどが、まずカリフォルニアロールから入ると思います。生ではなく調理されており、また名前に“アメリカ”が入っていることで怖がらずに試すことができますし、美味しいから。 私自身、それを機に幼い時から様々な寿司を食べてきました。鰻が入ったドラゴンロールや、ウニの軍艦巻きなど。そしてこれらの食べ物が日本の“本物の寿司”であると思っていました。

数年後、本物を知るまでは…。

初めて寿司を食べた頃から10年ほど経った2013年夏、私は北海道に留学に来ました。

その晩、ホームステイ先の家族が、私を寿司屋に連れて行ってくれたのです。 まぁ驚いたことに、私がアメリカで見知っていた寿司とは違い、握られたお米と一切れの魚で、きれいに丁寧に作られているのです。(のちにそれが握り寿司であると知りました)

また、一部の寿司は、海苔がお米の外側に巻かれていました。 しかし本当に驚いたのはその後。 すべてのお寿司はお皿に乗ってベルトコンベヤーで店中を回転していたのです! そして私の見慣れているクリームチーズ入りの寿司は一つもありませんでした。 私は自分の案内された席へそーっと座り「これが本当の日本のお寿司なのだな」と思いました。 この衝撃の回転寿司体験を落ち着いて振り返ってみると、日本とアメリカの“寿司”の違いについてや、日本の食である寿司がどんな道をたどりアメリカまで来たのかを考えるようになりました。

アメリカ最初の寿司店は南カリフォルニアに1966年にオープンしました。”Kawafuku”という店名で2階に分かれており、1階が初めての方に向けた日本食(テリヤキやてんぷら)、2階は寿司カウンターになっており刺身や握りが提供されました。寿司職人Shigeo Saitoが日本の伝統的な寿司を伝えるためにアメリカへ飛び立ったのです。 (彼はもしかしたらWahokujobのつてでしょうか・・)

とはいえ、このような背景を含めても、アメリカには揚げものの入ったお寿司やスパイシーマヨ寿司がそこら中で売られています。

アメリカン仕様の寿司はどのようにして生まれたのでしょうか?

次回の寿司ダイアリーでは、その部分を掘り下げていきたいと思います。

・Jacob – Washokujob Staff in America                                                (翻訳 蔵本)