10月は新そばの季節。新米同様、秋に収穫最盛期を迎えるそばの実を使い、薫り高いそばが楽しみです。

 皆さんは「たぬきそば」というと、どういうそばを思い出しますか?

 東京生まれの私にとって「たぬきそば」とは、天かす(天ぷらを揚げたときにできる揚げ玉)をのせたそばをすぐ思い浮かべますが、大阪の人にとって「たぬきそば」とは、甘辛く煮た油揚げをのせたそばのことだそうです。「それって、キツネそばじゃないの?」と思わず突っ込みを入れたくなりますね。大阪で「キツネ」といったら、油揚げをのせた「うどん」のことで、同じ具でそばにすれば「たぬきそば」になるようです。

 「たぬき」の名前の由来は、関東では天ぷらそばやうどんの種(具)を抜いた=たね抜き=たぬき、になったというのが一般的で、うどんもそばもどちらもあります。しかし、うどん文化圏である関西では「キツネ」といったら油揚げを入れたうどんのことで、「たぬき」といったら同じ油揚げがのったそばのことだそうです。キツネはうどんに決まっていて、うどんがそばに「化けた」のが「たぬき」だということらしいです。

 欲張りな私は、キツネもたぬきも両方大好きで、油揚げ(キツネ)と天かす(たぬき)の両方の具が入ったそばをよく注文します。お店によって「ムジナそば」とか「化かし合いそば」などと呼ばれています。

 秋の新そばの季節、そば屋でこのメニューがあったら、ぜひ一度食べてみてください。

出典:東京すし和食調理専門学校 学校長の一膳講座

http:///www.sushi-tokyo.jp/blog-headmaster

写真の出典:東京すし和食調理専門学校 学校長の一膳講座

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