4月になり、新年度が始まりました。本校でも、2年生となった先輩が新入生を心尽くしの手料理で「おもてなし」して、授業がスタートしました。

 桜の季節が終わった途端、お店にはもう「たけのこ」が並んでいます。たけのこは竹かんむりに「旬」という字を書きます。その名の通り「竹の旬」をいただく食材です。「旬」とは「食材の一番おいしい時期」という意味ですが、暦では「上旬」「中旬」のようにだいたい10日間くらいをさします。すなわち、たけのこの旬はまさに「10日間」の命だということでしょうか。驚くべきことに、竹は実は「イネ科」の植物です。なるほど日本や中国南部のように「米文化圏」になじみの深い食材なはずですね。

 たけのこは食物繊維や疲労回復に役立つ成分などが豊富に含まれており、とても体に良い食材の一つです。また、日本料理の基本である『五法』=「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」そして「切る(生)」のすべての調理法で美味しくいただける、数少ない食材の一つです。たけのこを生で食べるというのは、あまり知られていませんが、名産地である京都では、朝掘りの柔らかくみずみずしいたけのこをお刺身で楽しむこともできます。(写真を見てください)

 私のおすすめは、やはり「炭火焼」です。外側の皮をむかずに、そのまま炭火で真っ黒になるまで焼き上げると、中は「蒸し焼き」状態となります。すこし塩をふって食べると、峻烈な初夏の香りと甘み、そしてたけのこ独特の「シャクッ」という食感が際立ち、とても美味しいと思います。それ以外にも、炊き込みご飯、わかめと合わせた「若竹煮」、かつお節をたっぷり使った「土佐煮」、たけのこの天ぷら、そしてたけのこの味噌汁など、いろいろな調理法が楽しめます。皆さんもぜひ、この季節の旬の食材の代表であるたけのこを使って、「たけのこ尽くし」を楽しんでみてください。

出典:東京すし和食調理専門学校 学校長の一膳講座

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写真の出典:東京すし和食調理専門学校 学校長の一膳講座

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