残暑が続いていますが、気がつけばいつのまにか日が暮れるのが早くなっています。朝晩には虫の声も聞こえてきます。確実に秋の気配が感じられてくる今日この頃です。

 秋はいろいろな食材が美味しくなってきます。まさに「食欲の秋」ですね。数ある旬の食材の中でも、秋の味覚を代表する食べ物といえば、やはり「秋刀魚」ではないでしょうか。

 秋刀魚は南の海で生まれ、夏に北上して北海道沖でたっぷり餌を食べて成長します。そして、秋には産卵のため東北沖から関東沖を南下する回遊魚です。少し前までは、毎年大漁続きで1匹100円もしませんでしたが、地球温暖化で回遊ルートが日本からはなれつつあり、近年では漁獲量がとても減少して高級魚になりつつあります。

 秋刀魚は、お刺身や煮物、炊き込みご飯など、いろいろと調理方法がありますが、やはり代表的な料理は「秋刀魚の塩焼き」ですね。表面が焦げるくらいしっかり焼いた秋刀魚に、酢橘などを絞って大根おろしとともに食べると、口の中に秋の香りが広がります。秋刀魚の塩焼きをおかずに、夏の名残の茄子やミョウガのみそ汁と、新米のご飯をいただくとき、「日本人でよかった・・」と思わずつぶやいてしまいたくなるほどです。もちろん、この時期ならではの「秋刀魚の握り鮨」も捨てがたい逸品ですね。

 これからお店に秋刀魚が出回ります。美味しい秋刀魚の見分け方を教えましょう。秋刀魚を選ぶときは、以下のようなところを良く見てください。

 ①尾をもって立てたとき、できるだけ曲がらずにまっすぐ立つ

 ②目が濁っていない

 ③くちばしの先がやや黄色い

 ④顔がやや小さく見える

 最近、スーパーなどではパックで売られることが多いので、手で持って立てることはなかなかできませんが、特に「目の濁り」と「くちばしの色」は鮮度を見極めるために大切です。これならパックがしてあっても確認できるので、ぜひ試してみてください!

出典:東京すし和食調理専門学校 学校長の一膳講座

https://www.sushi-tokyo.jp/blog-headmaster

写真の出典:東京すし和食調理専門学校 学校長の一膳講座

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