アジア・オセアニア

NZで日本人料理人をAEWVでスポンサーする方法(2026年)

AEWVで日本人料理人をスポンサーする手順。雇用主認定、ジョブチェックと相場給与(公的な賃金表はなし)、ChefとCookのコード分け、費用と日程、5年の上限と永住ルートを解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

ニュージーランドの飲食店が日本人料理人をスポンサーするには、認定雇用主(AEWV)になり、給与レンジを明示して14日以上の求人広告を出すジョブチェックを実施し、料理人本人が2年分の職歴を証明して申請します。2025年3月以降、固定の給与下限はなく、相場と最低賃金(2026年4月から時給NZ$23.95)だけが基準です。料理人・コックの公式な賃金統計は見つからなかったため、給与レンジは自社で設定し、根拠を示せるようにしておく必要があります。

このページは、ニュージーランドで日本人料理人をスポンサーする飲食店向けです。雇用主認定、ジョブチェック、料理人本人のビザ申請、給与、費用、そして候補者が必ず尋ねてくる永住権の話まで扱います。若手料理人向けのワーキングホリデーという代替策は本文の該当箇所で、オーストラリアの482ビザとの比較は末尾の表で扱います。

目次

  1. 数字で見るニュージーランド
  2. 給与の決め方:下限はなく、相場だけがある
  3. ChefかCookか:職業コードとINZが求める証拠
  4. 費用と日程:認定から初出勤まで
  5. 日本国籍者向けワーキングホリデービザ
  6. AEWVのその後:5年の上限と永住権
  7. ニュージーランドとオーストラリア、どちらか

1. 数字で見るニュージーランド

この規模のコミュニティでは、現地の人材層は存在するものの薄いのが実情です。上位のキッチンポジションについては、多くの飲食店が最終的にAEWVに行き着きます。

2. 給与の決め方:下限はなく、相場だけがある

古い情報には、今でも「AEWVの仕事は中央値賃金を支払わなければならない」と書かれているものが多くあります。これは2025年3月10日、ニュージーランド移民局(Immigration New Zealand、INZ)が固定の中央値賃金要件を撤廃したことで終わりました。今では最低賃金を超える決まった給与基準額はなく、代わりに、同じ仕事をするニュージーランド人と同等の給与、つまりINZが「相場(market rate)」と呼ぶものを支払い、ジョブチェックの段階でその幅を根拠づける必要があります。

INZ自身のページを確認しましたが、オーストラリアのアワード制度や英国のASHE調査のような、料理人・コックの公的な賃金表は見当たりませんでした。これは実質的な空白で、ジョブチェックの仕組みは、自分で算出し根拠づけなければならない数字にすべてがかかっています。数字をでっち上げずに、根拠のある幅を組み立てる方法は3つあります。

  1. 自社が実際に掲載した求人広告の幅と、それに来た応募を根拠にする。INZは実際に広告を出した給与幅を求めるため、広告を出す前にその幅を決めておきます。
  2. 地域の同種の求人と比較する。一般的な求人サイトのコック・料理人ポジションの掲載を参考にし、その掲載を証拠として保管します。
  3. 2つの基準となる賃金水準を目印にする。時給NZ$67.12以上(2024年の中央値賃金の2倍)であれば、労働者は技能要件を満たすことの追加証拠が不要です。時給NZ$70.00以上であれば、ジョブチェック前の求人広告そのものが不要になります。飲食店のキッチンではどちらもまれな水準ですが、高い給与自体が一種の証明として扱われることを示しています。

どの幅を設定するにせよ、最低賃金を上回るだけでは足りず、同じ職務のニュージーランド人が受け取る給与と比べて成立する必要があります。

3. ChefかCookか:職業コードとINZが求める証拠

AEWVのルールは、ANZSCO(豪州・NZ標準職業分類)またはINZの新しいNational Occupation Listにおける仕事のスキルレベル(最も高い1から5まで)で変わります。和食のキッチンに関係するコードは次の2つです。

Chef(ANZSCO 351311)Cook(ANZSCO 351411)
INZが用いるスキルレベル23(2025年3月10日以降)
最低限の広告期間14日14日
英語要件なしあり
AEWVでの通算滞在上限5年5年

英語の点が、職務内容の書き方を左右します。スキルレベル2のChefは英語力の証拠が不要ですが、レベル3のCookは、受験から2年以内の試験、またはINZが認める別の方法で英語力を示す必要があります。英語が得意でない日本人候補者にとって、その仕事が本当にChef職なのかは形式上の問題ではありません。

INZがChefレベルの職務の証拠として見るのは、献立の立案と原価管理の権限、他の厨房スタッフの監督、発注や在庫の判断、後輩の指導で、これらをジョブチェックに添える職務内容書と組織図に明示的に記載します。コードを決めるのは肩書きではなく職務内容です。

楽観的にではなく、正確に申請してください。INZは申請したスキルレベルより低いレベルでジョブチェックを評価することがあり、単に格下げするのではなく申請自体を却下することもあります。そうなった場合、同じ職務内容のまま出し直すのではなく、実際に存在する監督・企画の要素が伝わるよう職務内容を書き直し、料理人に誰が報告するかを示す組織図を添えて、正しいレベルで新しい証拠とともに再申請してください。最初の判断に異議を唱えるより、そのほうが確実です。

4. 費用と日程:認定から初出勤まで

手数料は3つありますが、自信を持って確認できたのは1つだけです。INZは雇用主認定とジョブチェックごとにそれぞれ手数料を課していますが、INZ自身の手数料ページから、今回の確認では安定した金額を独自に確認できませんでした。予算を組む前に、INZから直接現在の金額を確認してください。ビザの手数料は公表されており安定しています。

項目金額出典
雇用主認定(標準、初回12か月)手数料あり、今回の確認では金額を独自に確認できずINZの認定手数料ページで確認
ジョブチェック申請ジョブチェックごとに手数料ありINZのジョブチェック手数料ページで確認
AEWVビザ申請NZ$1,540からINZのビザ手数料ページ
広告掲載(最低14日)求人サイトの掲載料自社での見積もり

日程について、INZによれば申請の80%が提出から6週間以内に決定しています。目標の勤務開始日から逆算すると、まだ認定を受けていなければ認定準備に約2週間、広告掲載とジョブチェックの審査に2〜3週間、そのうえでビザ申請という流れです。まだ日本にいる料理人の場合は、検証可能な在職証明書をそろえる期間も加えてください。INZは、前職の雇用主のレターヘッドで、役職・期間・連絡先・勤務時間を示した、漏れがなく第三者が検証できる証明書を求めており、日本の雇用主から集めるには通常数週間かかります。ジョブチェックが承認されてからではなく、面接の段階で翻訳とあわせて依頼しておきましょう。

5. 日本国籍者向けワーキングホリデービザ

若手のポジションであれば、ワーキングホリデーのルートで認定の手続きをまるごと省けます。

INZには、特定の産業で働くワーホリ保持者向けに別のWorking Holiday Extension Work Visa(延長就労ビザ)があります。キッチンの仕事が対象になると決めつける前に、INZの最新のリストを確認してください。飲食店としては、12か月のみと想定しておくのが安全です。

6. AEWVのその後:5年の上限と永住権

AEWVは通算滞在が5年で頭打ちになり、そもそも来るかどうかを迷う料理人は、その後どうなるかを必ず尋ねてきます。黙っているのではなく、率直に伝えましょう。

どこまで書類(検証済みの職歴、給与記録)で支援できて、どこからは約束できないかを候補者にはっきり伝えてください。5年の上限を最初から正直に伝えるほうが、永住ルートについて誤った期待を持たせるより、定着という観点でのリスクは小さく済みます。

7. ニュージーランドとオーストラリア、どちらか

多くの日本人料理人は両方を比較します。雇用主から見た、2026年9月時点での主な違いは次のとおりです。

ニュージーランド AEWVオーストラリア 482 Core Skills
給与の下限相場と最低賃金(時給NZ$23.95)。料理人・コックの公式な賃金データはなし年A$79,423以上、かつ相場。飲食業のアワード賃金が公表されている
経験2年(またはレベル4の資格)1年
Chefの英語要件スキルレベル2では不要必要(IELTS各バンド5.0以上または同等)
現地での求人広告ChefもCookも14日免除がない限り、4週間の広告を2本
滞在上限通算5年1回のビザにつき最長4年
永住ルートSMC Skilled Work Experience(経験5年、うちNZ2年)、スキルレベル1〜3対象雇用主スポンサーによる永住ルートが別途あり。オーストラリア関連の各ガイドを参照

伝統的な修業を積み、英語があまり得意でない料理人にとっては、ニュージーランドのほうが利用しやすい制度であることが多いものの、公的な賃金データがない分、オファーの根拠を示す負担はこちらが多く負うことになります。オーストラリア側はオーストラリアで日本人料理人を雇う方法で、より広い比較は日本人料理人のビザスポンサーで解説しています。

変わる数字:最低賃金は毎年4月1日に改定されます。INZの認定・ジョブチェックの手数料とビザ手数料は随時変わるため、予算を組む前にINZ自身の手数料ページで現在の金額を確認してください。INZはANZSCOからNational Occupation Listへの移行を進めており、制度は頻繁に変わります。次回確認は2027年4月です。

よくある質問

ニュージーランドのAEWVにはまだ最低給与がありますか。

最低賃金(2026年4月から時給NZ$23.95)を超える固定の基準額はありません。INZは2025年3月10日に中央値賃金要件を撤廃しました。代わりに、その職務の相場を支払い、ジョブチェックの段階でその幅を根拠づける必要があります。

ニュージーランドの料理人・コックの公式な賃金水準はありますか。

オーストラリアのアワード制度のような、料理人・コックの公的な賃金表はニュージーランドには見当たりませんでした。自社が実際に掲載した給与幅や、同種の求人サイトの掲載を証拠として、自社で相場の幅を設定し根拠づける必要があります。

日本人料理人はAEWVで英語試験が必要ですか。

職務がChef(ANZSCO 351311、スキルレベル2)としてコードされていれば不要です。Cook(スキルレベル3)としてコードされる職務には英語の証拠が必要です。コードを決めるのは肩書きではなく、職務内容書に示す献立の立案、監督、指導などの実際の職務です。

AEWVで5年を過ぎたらどうなりますか。

AEWVは通算滞在が5年で頭打ちになります。ChefやCookがグリーンリストに含まれ直接永住につながるかは確認できませんでした。厨房スタッフの多くにとって現実的なのは、Skilled Migrant CategoryのSkilled Work Experienceルートで、関連経験5年、うちニュージーランドでの経験2年が必要です。

AEWVの雇用主認定とジョブチェックにはいくらかかりますか。

INZは認定とジョブチェックそれぞれに手数料を課していますが、今回の確認ではどちらも安定した金額を独自に確認できなかったため、予算を組む前にINZ自身の手数料ページで正確な金額を確認してください。ビザ申請自体はNZ$1,540からです。

本記事は2026年9月に公式情報と照合した一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。INZはANZSCOからNational Occupation Listへの移行を進めており、制度は頻繁に変わります。実際に対応する前に、スキルレベル、手数料、要件をニュージーランド移民局または認可移民アドバイザーにご確認ください。

出典

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