就労ビザ

飲食店は料理人のビザを出せるか:6か国比較

日本から料理人をスポンサーできる国とできない国、ビザが求める給与、1人あたりの政府手数料と所要期間を2026年9月時点で比較します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

主要国の多くでは出せますが、どこでも、いくらでも、というわけではありません。2026年9月時点で、オーストラリア、シンガポール、マレーシアはビザが求める給与下限を払えば日本から料理人をスポンサーできます。カナダは州の基準賃金を超えれば可能です。米国は店の資本構成次第で、英国は海外からの料理人の新規スポンサーが事実上止まっています。

海外店舗のオーナー、GM、グループの人事担当が「どの国から日本人料理人の配置を始めるか」を決めるためのページです。開いている経路、ビザが強いる給与、1人あたりの政府手数料、公表されている所要期間を並べます。料理人本人が日本で準備することは調理師の海外就労ビザ:日本で揃える書類と手順、米国のビザの選び方は米国で料理人を雇うビザの選び方で扱います。

目次

  1. いまスポンサーできる国
  2. 1人あたりの政府手数料と所要期間
  3. 提示給与の決め方:下限、次に相場
  4. 就労開始日から逆算する
  5. 何が、いつ変わったか
  6. その他の国:決め手になる規定
  7. 今週やること
  8. よくある質問

1. いまスポンサーできる国

国料理人の経路状況ビザが求める給与初回の最長期間
オーストラリアSkills in Demand(サブクラス482)Core Skills。Chef(ANZSCO 351311)は対象職業可。フルサービスの店が対象(ファストフード・限定サービス店は除外)年A$79,423以上、かつ職種の市場賃金以上4年
カナダLMIA、NOC 62200 Chefs州の基準賃金以上なら可。低賃金枠は大都市で停止中高賃金枠の基準。例:オンタリオ時給C$36.92、BC C$38.40、アルバータ C$37.50、ケベック C$36.003年(高賃金枠)
シンガポールEmployment PassまたはS Pass(Work Permitは日本国籍不可)可。給与と、EPはCOMPASSの点数が関門S Passは月S$3,300から、EPは月S$5,600から(いずれも年齢で上昇)2年(更新は最長3年)
マレーシアEmployment Pass カテゴリーIII(上位職はII)可基本給月RM5,000(カテゴリーIII)最長5年(カテゴリーIII)
米国料理人ビザはなし。日本国籍者が50%以上保有する店ならE-2、実績の際立つ料理人ならO-1B、長期ならEB-3(永住権)資本構成か本人の実績による条件付きE-2・O-1Bに一律の下限なし。EB-3は労働省の一般賃金以上E-2ビザは最長60か月、1回の入国で2年。O-1Bは最長3年
英国Skilled Worker、SOC 5434 Chefs2025年7月22日以降、海外からの新規採用は不可新規採用には該当なし該当なし

オーストラリアでは、日本のパスポート保持者にTrades Recognition Australiaの技能評価は求められません。英国ではChefが「Medium Skilled」に分類され、どちらの不足職リストにも載っていないため、残れるのは既存の許可を延長する人だけです。採用するなら、Youth Mobility Schemeの保持者など、すでに就労資格を持つ人になります。

国ごとの詳細は各国のページにあります:オーストラリア、カナダ、シンガポール、マレーシア、英国。

2. 1人あたりの政府手数料と所要期間

各国政府が公表している手数料を、料理人1人・初回申請で合計したものです。専門家報酬、翻訳、航空券、住居は含まず、通常はこちらのほうが大きくなります。

国政府手数料(1人)雇用主側で公表されている所要期間
オーストラリア(482、4年、年商A$1,000万未満)スポンサー登録A$420+ノミネーションA$330+SAF賦課金A$1,200×4年+ビザ申請料A$4,015=A$9,565(年商A$1,000万以上はA$11,965)ノミネーション前4か月以内に、4週間以上の求人広告を2本。審査期間は内務省のオンラインツールで公表され、毎月変わります
カナダ(高賃金LMIA)LMIA C$1,000+就労許可C$155+生体情報C$85=C$1,2404週間の求人広告、その後高賃金LMIAの審査が平均90営業日(2026年8月)、さらに就労許可の審査
シンガポールEP:S$105+S$225=S$330。S Pass(2年):S$105+S$100+レビーS$650×24か月=S$15,805免除がなければMyCareersFutureに14日間掲載、その後10営業日以内に結果または連絡
マレーシア本ページではパス手数料表を再確認していません。マレーシアのページを参照してくださいESDの公表処理日数:5+10+3〜10+2〜5営業日、合計20〜30営業日
米国E-2:ビザ申請料US$315、日本国籍者は発給手数料なし。O-1B:I-129 US$1,055+Asylum Program Fee US$600+ビザ申請料US$205=US$1,860(従業員25人以下はUS$1,035)、プレミアム処理US$2,965は任意E-2:在日米国大使館は審査期間を公表していません。O-1B:プレミアム処理で15営業日、その後東京の面接待ち(請願ベースのビザで1.5か月、2026年9月17日時点)

継続費用で順位が変わります。S Passは発給時は安くても、レビーが毎月かかるため維持費が高くつきます。

3. 提示給与の決め方:下限、次に相場

  1. ビザが強いる下限を確認する。申請書に書ける最低額を、その制度が数える通貨と形で確認します。オーストラリアは住居や車をA$79,423に算入しません。マレーシアは基本給のみで、手当や賞与は数えません。
  2. その職種の現地相場を確認する。都市ごとの公的な賃金統計を使います。国別の寿司職人の給与にまとめています。
  3. 高いほうを提示し、赴任費用を上乗せする(航空券、最初の数週間の住居など)。料理人の赴任パッケージを参照してください。

予算が崩れるのは、下限と相場の差です。

給与差を含めた採用1件の総額は海外からの料理人採用の予算で試算できます。

4. 就労開始日から逆算する

公表されている手順だけで見た、着手から料理人の渡航までの最短週数です。

国手順渡航までの最短
シンガポール(EP・S Pass)2週間の求人掲載、内定、結果まで約2週間約4週間
マレーシア(EP)ESD登録、JTKSM、推薦状、EP申請約4〜6週間
オーストラリア(482)4週間の求人広告、その後スポンサー登録・ノミネーション・ビザの審査4週間+内務省の審査期間
カナダ(高賃金)4週間の求人広告、LMIA審査約18週間、その後就労許可約22週間+移民省(IRCC)の審査期間
米国(E-2)会社と本人の書類を揃えて大使館へメール提出、呼ばれたら面接公表なし。東京での最近の実績を代理人に確認

並行して、料理人側ではパスポート(国内で通常約2週間。外務省は2026年7月以降3週間〜1か月かかる可能性を案内)、英文の在職証明書、多くの経路で犯罪経歴証明書(警視庁でおおむね2週間)が必要です。期間の定めのない雇用なら民法上2週間前の申し出で退職できますが、厨房では1か月前が一般的です。いずれも初週に着手してください。

5. 何が、いつ変わったか

6. その他の国:決め手になる規定

国決め手になる規定詳細
台湾飲食業の調理師業務は指定の専門的業務。店舗の売上NT$1,000万の要件と、月NT$47,971以上の給与台湾
タイ外国人1人につきタイ人従業員4人と資本金THB 200万。日本国籍者の最低月給THB 50,000タイ
ドイツ特別料理人の枠:1店舗2人まで、調理学校2年と実務2年ドイツ
インド雇用ビザの給与下限は年Rs 16.25 lakhインド

7. 今週やること

  1. 第1節の表で自社の国の行を確認する。「不可」「条件付き」なら、募集を出す前にリンク先を読む。
  2. 下限と相場を並べて書き出し、提示額を決める。
  3. 時間のかかる手順を始める。求人広告(オーストラリア、カナダ、シンガポール)やESD登録(マレーシア)です。
  4. 料理人に日本で揃える書類の一覧を送り、パスポートと証明書を先に準備してもらう。

最終確認日:2026年9月27日。期限のある数字:オーストラリアのA$79,423と各種手数料(次回改定2027年7月1日)、カナダの基準賃金(毎年改定)と低賃金枠の審査停止リスト(2026年10月8日まで)、LMIAの平均審査期間(毎月公表)、シンガポールのパス下限(2027年1月1日改定)、米国の手数料と東京の面接待ち(2026年9月17日〜27日に確認)。

よくある質問

英国の飲食店は、いまも日本から料理人をスポンサーできますか。

海外から初めて採用する料理人はできません。2025年7月22日以降、コード5434は中技能に分類され、どちらの不足職リストにも載っていません。すでにこの経路にいる料理人の延長と、自分で就労資格を持つ人の採用は可能です。

日本人料理人をいちばん早くスポンサーできる国はどこですか。

公表値で見ると、シンガポール(政府側の手順で約4週間)とマレーシア(約4〜6週間)です。最も時間がかかるのはカナダで、高賃金LMIAでは就労許可の申請までに約22週間かかります。

料理人1人あたりのビザ手数料はいくらですか。

オーストラリアの小規模事業者が482で4年雇う場合で約A$9,565、カナダの高賃金LMIAと就労許可でC$1,240、シンガポールのEPでS$330、米国E-2のビザ申請料でUS$315です。専門家報酬、翻訳、赴任費用は別にかかります。

ビザの取得に調理師免許は必要ですか。

6か国のいずれも調理師免許を要件にしていません。それでも、オーストラリアの経験要件や米国E-2の「不可欠な技能」を示す訓練の証拠として役に立ちます。

日本資本ではない米国の店でも、日本から料理人を呼べますか。

E-2は使えません。実績を文書で示せる料理人ならO-1B、そうでなければ年単位の時間がかかるEB-3です。判断表は米国のビザ比較のページにあります。

本記事は2026年9月27日に各国政府の公式情報を確認して作成した一般情報であり、法務・入管に関する助言ではありません。入管制度は頻繁に変わり、個別の事情に応じて判断されます。リンク先の公式情報を確認のうえ、専門家にご相談ください。

出典

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