英国・欧州

英国の飲食店はシェフをスポンサーできる?2026年の採用策

シェフの新規スポンサーは2025年7月22日に閉じました。いま雇える人、Global Business Mobilityが使えない理由、ONSデータによる給与の決め方、スポンサーなしで採用する週単位の計画をまとめます。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

新たに呼ぶ料理人はスポンサーできません。2025年7月22日以降、シェフ(SOC 5434)はどちらの不足職リストにも載らず、Global Business Mobilityの対象でもないためです。雇えるのは、すでに英国で働く資格を持つ人です。YMSの保持者、卒業生ビザの保持者、他のビザ保持者のパートナー、永住者、2025年7月より前からSkilled Workerのシェフの移籍が該当します。

英国の店舗オーナー、GM、グループの人事担当者向けのページです。残っている選択肢と、スポンサーなしで料理人を採用する進め方(給与帯の決め方から着任日まで)を扱います。YMSの運用の詳細はYMS雇用主ガイド、就労資格確認(Right to Work)の手順はスポンサーなしの英国飲食店採用、日本本社から見た制約と日本の候補者への説明は英国で日本人料理人を雇うには、ロンドンの給与の詳細はロンドンで寿司職人を採用するをご覧ください。

目次

  1. 閉じた経路の要点
  2. Global Business Mobilityと短期訪問:使えません
  3. いま雇える人
  4. すでにSkilled Workerのシェフを採用する
  5. 提示給与の決め方
  6. 1人採用したときの費用
  7. 着任日から逆算した週単位の予定
  8. そのまま使える求人文
  9. 今週やること
  10. 雇用主からよくある質問

閉じた経路の要点

内務省はシェフ(SOC 5434)を「medium skilled(中技能)」の職業に分類しており、クック(5435)はそもそも対象外です。2025年7月22日以降、中技能の職をスポンサーできるのは、その職がImmigration Salary ListかTemporary Shortage Listに載っている場合か、同日より前に最初のスポンサー証明書(CoS)を得た人が更新する場合に限られます。2026年9月時点で、シェフはどちらのリストにも載っていません。スポンサーライセンスを持っていても、高い給与を提示しても、結論は変わりません。

Global Business Mobilityと短期訪問:使えません

グループ人事から次に出る質問は、日本の親会社からGlobal Business Mobility(たとえばSenior or Specialist Worker)でシェフを異動させられるか、というものです。答えはできません、です。移民規則のAppendix Skilled Occupationsでは、5434 Chefsは2025年7月22日より前に許可を得た人向けの表にしか載っておらず、その表のコードはGlobal Business MobilityとScale-upの対象外と明記されています。これらのルートはRQFレベル6(大卒相当)の職が前提です。Senior or Specialist Workerはさらに、年£52,500またはgoing rate以上の給与と、給与が£73,900未満なら英国外で同じ雇用主のもとで12か月以上働いた経歴が必要です。

グループのシェフが一般訪問者(Standard Visitor)として来英し、同じ企業グループの英国社員に研修をすることはできます(Appendix Visitor: Permitted Activities、PA 5.1)。ただし、お客様に料理を出すことは認められた活動に含まれていません。訪問者を営業のシフトに入れないでください。

いま雇える人

対象者厨房で働けるか期間雇用主の手続き
ユース・モビリティ・スキーム(申請時18〜30歳の日本国籍者)可。ほとんどの職最長24か月。日本国籍者は延長不可就労資格の確認
卒業生ビザ(Graduate visa)保持者可。ほとんどの職2026年12月31日までの申請は2年、2027年1月1日以降は18か月就労資格の確認
Skilled WorkerまたはSenior or Specialist Workerのパートナー可。スポーツ選手・コーチを除く主たるビザに連動就労資格の確認
永住者・長期在留者可制限なし就労資格の確認
2025年7月22日より前に初めてスポンサーされたSkilled Workerのシェフ可。自社のスポンサーが必要在留が途切れない限り、更新・転職可スポンサーライセンスと新しいCoS
日本から新たに呼ぶSkilled Workerのシェフ不可——

外務省の統計では、2025年10月1日時点で英国在住の日本国籍者は62,270人です。YMS以外の行はこの中から探すことになります。YMSだけは、まだ日本にいる人も採用できます。ロンドンでは、日系企業の駐在員のパートナーも現実的な候補です。他の人と同じく、eVisaに記載された条件を確認してください。

すでにSkilled Workerのシェフを採用する

2025年7月22日より前にSkilled Workerの許可を得て、その後途切れずに保持しているシェフは、更新も新しいスポンサーへの移籍もできます。給与は£41,700と5434のgoing rate £33,400の高いほう以上が必要です。ただし最初のCoSが2024年4月4日より前なら、低い基準の£25,000が使えます。在留に空白ができるとこの保護は二度と戻りません。いまこうしたシェフを雇っているなら、今日のうちに期限を予定表に入れてください。

採用するにはライセンスが必要です。GOV.UKによると、ライセンス申請の審査には通常8週間ほどかかります。

雇用主の費用(小規模スポンサー、3年のCoS)金額
スポンサーライセンス£611
スポンサー証明書(CoS)£525
移民技能負担金(Immigration Skills Charge)£480×3年£1,440
合計£2,576

中・大規模のスポンサーは、ライセンスが£1,682、技能負担金が年£1,320です。ビザ申請料£819(3年以下)と移民健康付加料(年£1,035)は、雇用主が負担すると取り決めない限り本人の支払いです。

提示給与の決め方

英国の和食・寿司の料理人に関する公式の給与統計はありません。いちばん近い公式データは、全シェフを対象とするONSの年次賃金調査(ASHE)です。

ASHE 2025年暫定値、フルタイムのシェフ(5434)年間総支給額
英国 第1四分位(25パーセンタイル)£25,894
英国 中央値£30,010
英国 75パーセンタイル£36,126
英国 80パーセンタイル£38,258
ロンドン 中央値(パーセンタイルは非公表)£34,120

法定の下限は全国生活賃金(National Living Wage)で、2026年4月から21歳以上は時給£12.71です。上の表は目標額ではなく、段階として使います。

ロンドンの寿司・おまかせの求人について、私たちは検証済みのサンプルを集めていないため、給与帯は示しません。ご自身で作れます。給与を明記しているロンドンの寿司職人、和食の料理長、おまかせの求人を15〜20件保存し、中央値と上位4分の1を出してください。必要な職の水準について、そのサンプルの中央値以上を提示するのが目安です。

1人採用したときの費用

ロンドンの中央値で、スポンサーなしにフルタイムのシェフを1人雇う場合(2026/27課税年度):

項目金額根拠
給与£34,120ASHEロンドン中央値
雇用主の国民保険料£4,368年£5,000を超える部分の15%
年金の最低拠出£836£6,240〜£50,270の部分の3%
移民関係の費用£0スポンサーなし
採用費を除く年間コスト£39,324

ここに求人広告費、人材紹介料(使う場合)、有給のトライアルシフト、転居支援(出す場合)を自社の数字で加えてください。条件を満たす雇用主は、雇用手当(Employment Allowance、2026/27は£10,500)で国民保険料を減らせます。既存のSkilled Workerを採用する場合は、上の£2,576が加わります。

着任日から逆算した週単位の予定

週作業
−10給与帯と勤務時間を決める。英国籍以外のスタッフ全員のビザの種類と期限を一覧にする。
−9英語と日本語で求人を出す。英国の媒体と日本語の媒体の両方に。
−8〜−6書類選考と面接。有給のトライアルシフトの前に就労資格を確認する。
−5トライアルシフト。トライアルシフトのルールを参照。
−4書面のオファーと雇用契約。
−4〜0候補者が現職の退職予告期間を消化する。
0初出勤の前に就労資格の確認を記録する。

Skilled Workerを移籍で迎える場合は、ライセンスの審査期間を見込んで−16週から始めます。日本にいるYMSの候補者なら、オファーから初出勤まで2〜3か月を見てください。全体の予定はYMSガイドにあります。

そのまま使える求人文

English: Japanese kitchen, [role], [location]. Full time, [hours] a week, £[salary] a year. You will [main duties]. We need [skills: knife work, sushi, Japanese language if genuinely needed]. Applicants must already have the right to work in the UK. We are unable to offer visa sponsorship. Apply by [date] to [contact].

日本語:[勤務地]の和食店で[職種]を募集します。フルタイム週[時間]時間、年収£[金額]。主な業務は[業務内容]です。[必要な技能]をお持ちの方を歓迎します。英国での就労資格をすでにお持ちの方が対象で、ビザのスポンサーはできません。[締切日]までに[連絡先]へご応募ください。

国籍ではなく技能を条件にし、就労資格についての質問は応募者全員に同じ形で尋ねてください。書き方の詳細は料理人向け求人の書き方にあります。

今週やること

  1. 厨房にいる期限付きビザの全員について期限を予定表に入れ、経過措置の対象となるSkilled Workerのシェフは早めに更新を始める。
  2. 期限のない人が担うべき上位の職を決め、採用か育成で埋める計画を立てる(現地スタッフの育成を参照)。
  3. 上の給与の段階を決め、ロンドンの求人サンプルを集める。
  4. スポンサーできないことを明記して、2言語で求人を出す。

期限のある数値:内務省の手数料と給与基準(4月に改定されることが多いため、GOV.UKで確認)、Temporary Shortage ListとImmigration Salary List(規則改正のたびに変わりうる)、全国生活賃金と国民保険料(毎年4月)、ONSのASHE(暫定値は毎年秋に公表)。2026年9月27日確認。

雇用主からよくある質問

2026年に英国の飲食店はシェフをスポンサーできますか。

できるのは、2025年7月22日より前に初めてSkilled Workerとしてスポンサーされ、その後途切れずに在留しているシェフだけです。初めて英国に来るシェフは、5434 ChefsがImmigration Salary ListにもTemporary Shortage Listにも載っていないため、スポンサーできません。

日本の親会社からロンドンにシェフを異動させられますか。

就労ビザではできません。シェフは大卒相当の職を前提とするGlobal Business Mobilityのどのルートの対象にもなりません。グループのシェフが訪問して同じグループの英国社員に研修をすることはできますが、お客様に料理を出してはいけません。

寿司職人は不足職リストに載っていますか。

載っていません。寿司職人は5434 Chefsに分類され、2026年9月時点でTemporary Shortage ListにもImmigration Salary Listにも入っていません。どちらかのリストが変わらないか、GOV.UKを確認してください。

ロンドンで日本人シェフにいくら払えばよいですか。

フルタイムの全シェフについて、公式のロンドン中央値は£34,120です(ASHE 2025年暫定値)。寿司カウンターの責任者なら、英国の75〜80パーセンタイル(£36,126〜£38,258)以上を起点に、現地の求人をもとにロンドンの上乗せを加えます。少なくとも全国生活賃金は必ず支払ってください。

スポンサーなしでシェフを雇うといくらかかりますか。

移民関係の費用はかかりません。給与£34,120のシェフなら、雇用主の国民保険料が約£4,368、年金の拠出が最低£836加わり、採用費を除いて年約£39,324です。

本記事は2026年9月27日に公式情報を確認して作成した一般的な情報であり、法務・移民に関する助言ではありません。英国の移民規則は頻繁に変わります。行動する前にGOV.UKを確認するか、登録された専門家にご相談ください。

出典

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