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海外和食店の料理写真:実物と一致させる撮り方と媒体別の条件

英国ASAの判断例(付け合わせの写り込み、「盛り付け例」表示では不十分)、和食で写真と実物がずれやすい5点、GoogleとDoorDashの写真条件の比較、Googleの料理写真への料理名付け、撮影リストと差し替えの手順を示します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

目次

  1. 料理写真は「この皿が出る」という約束になる
  2. 英国の広告規制の判断例:付け合わせと「盛り付け例」
  3. 和食でずれが起きやすい5つの点
  4. 媒体ごとの写真の条件:GoogleとDoorDash
  5. Googleの「料理」写真に料理名を付ける
  6. 撮影リストと撮影の時期
  7. メニューを変えたら写真も替える

海外の和食店では、料理写真が店の第一印象を決めます。現地の客の多くは、「親子丼」や「ちらし寿司」がどんな料理かを名前だけでは想像できないため、写真を見て注文を決めます。だからこそ、写真と実物が違うと、客は「だまされた」と感じます。この記事では、英国の広告規制機関(ASA)の考え方と判断例、GoogleビジネスプロフィールとDoorDashの写真の条件をもとに、実物と一致する料理写真の撮り方と管理の仕方を整理します。

1. 料理写真は「この皿が出る」という約束になる

料理写真は、きれいに見せるための素材である前に、客にとっては「注文するとこれが出てくる」という情報です。ASAは2025年9月の解説記事で、料理の画像について次の例を挙げています。シチュー、じゃがいも、ご飯を盛った皿の写真を使いながら、客が受け取るのがシチューだけなら、じゃがいもとご飯が別料金であることを広告で明確にしない限り、誤解を与える可能性が高い、というものです。

この考え方は、和食店の写真にそのまま当てはまります。定食の写真に写っている小鉢や漬物、ラーメンの写真に写っている味玉やチャーシューの枚数が、実際の注文で出てくるものと違えば、同じ問題になります。ASAは広告全体が与える印象で判断するとしており、写真の隅に小さな注記を入れればよい、という話ではありません。

見栄えを整えること自体は問題ではありません。照明を当てる、器を選ぶ、湯気が立っているうちに撮る、といった工夫は、実物と同じものを良い条件で見せているだけです。問題になるのは、量、品数、具材、付け合わせといった「客が受け取るもの」が違って見えることです。

2. 英国の広告規制の判断例:付け合わせと「盛り付け例」

ASAの誇張表現に関する解説は、食事の宅配サービスの広告についての判断(Parsley Box Ltd、2019年11月13日)を紹介しています。広告では、チリコンカンがご飯に囲まれ、コック・オー・ヴァンは皿の約3分の2がマッシュポテトと野菜で占められていましたが、これらは商品に含まれていませんでした(ASAは、小さな付け合わせ程度なら客が含まれると期待する可能性は低いとしつつ、これらの写真は料理の一部に見えると判断しています)。ASAは、「serving suggestion(盛り付け例)」と表示するだけでは、客が実際に何を受け取るのかを明確にするには不十分だと判断しています。

日本の飲食店では「写真はイメージです」と添えることがありますが、少なくとも英国の広告規制の考え方では、小さな注記で写真と実物の差を埋めることは期待できません。対応の順番は次のとおりです。

  1. 写真は、実際に出す盛り付けそのままで撮る。
  2. 別料金の品や、日によって変わる品を写すなら、その皿を外して撮り直す。
  3. どうしても一緒に写す必要があるなら、写真の近くに「別料金」「内容は仕入れにより変わります」と、はっきり分かる大きさで書く。

ASAの判断は英国の広告に対するものですが、「写真と実物の差を注記でごまかさない」という原則は、どの国で店を出しても口コミの面で効いてきます。料金の表示の規則はおまかせの価格設計の記事で扱っています。

3. 和食でずれが起きやすい5つの点

和食は、小鉢や薬味、盛り付けの数が多いぶん、写真と実物の食い違いが起こりやすい料理です。撮影の前に、次の5点を1皿ずつ確かめてください。

料理ずれが起きやすい点撮影時の確認
握り・盛り合わせ貫数、ネタの種類メニューに書いた貫数と同じ数を並べる。日替わりのネタは「例」と明記する
ラーメンチャーシューの枚数、味玉、海苔、ネギの量標準のトッピングだけで撮る。追加トッピングの写真は別に撮る
定食・弁当小鉢の品数、ご飯と味噌汁の有無その価格で出る品だけを並べる。季節で変わる小鉢は注記する
丼具の量、器の大きさ実際に使う器で撮る。撮影用に小さな器を使わない
コース品数、写真の皿がコースに含まれるかコースの写真と単品の写真を混ぜない

撮影は、厨房がふだんの手順で作った皿で行うのが原則です。撮影用に特別に盛った皿は、ふだんの営業では再現できないことがあります。撮影した皿の盛り付けを、そのまま盛り付けの基準写真として厨房に貼っておけば、写真と実物の一致を日々の営業で保てます(品質基準の記事)。

4. 媒体ごとの写真の条件:GoogleとDoorDash

同じ料理写真でも、載せる媒体によって求められる条件が違います。2026年9月時点で、Googleビジネスプロフィールのヘルプと、DoorDashの加盟店向けヘルプに書かれている条件は次のとおりです。

項目GoogleビジネスプロフィールDoorDash(メニュー写真)
形式・容量JPGまたはPNG、10KB〜5MB最大2MB
大きさ推奨720×720ピクセル、最小250×250ピクセル最小1400×800ピクセル
縦横比—横長の16:9のみ。縦長・正方形は不可
内容ピントが合い明るく、大きな加工や過度なフィルターがないことそのメニューに含まれるものを正確に示す。品目ごとに1枚。品目の80%以上が写る
禁止事項—文字・枠・重ね書き、透かし、素材写真(ストックフォト)、人物(目立たない手は可)
動画30秒以内、75MB以内、720p以上—

DoorDashの条件は、Googleより具体的で厳しくなっています。特に「そのメニューに含まれるものを正確に示す」「素材写真は使わない」という条件は、前の節で見たASAの考え方と同じ方向です。デリバリーでは客が店内の様子を見られないため、写真が実物を判断する唯一の手がかりになります。デリバリーを始めるかどうかはデリバリー導入の記事で扱います。

実務的には、最初から横長(16:9)で、料理が画面の中央に大きく入るように撮っておくと、Google用には正方形に切り出すだけで済みます。縦長で撮った写真は、デリバリー用には使えません。

5. Googleの「料理」写真に料理名を付ける

Googleマップの飲食店のプロフィールには、料理ごとの写真と名前が表示される機能があります。ヘルプによると、店と客の両方が料理の写真と名前を追加でき、店が付けた料理名は客が付けた料理名より優先されます。マップから追加した写真は店の写真の一覧に入り、料理名が付いていれば料理として表示されることもあります。

和食店にとってこの機能が大事なのは、客が撮った写真に、現地の客が思い思いの名前を付けるからです。たとえば「かつ丼」が「pork rice bowl」と登録されてしまうと、メニューの表記と地図の表記がずれます。開業後は、料理として表示されている写真を定期的に確かめ、名前のない写真に正しい料理名を付け、店で出していない料理には「提供していない」と報告します。ヘルプは、編集は数日以内に反映を目指すが、反映は保証しないとしています。

開業前の段階では、Googleには利用者が写真を投稿できません(開業日の登録については開業告知の記事)。開業後は客の写真が増えていくため、店が載せた写真と客の写真が並んで比べられることになります。客の写真のほうが量が少なく見えれば、それだけで印象が悪くなります。

客が載せた写真のうち、明らかに別の店の写真や不適切な写真は、Googleのヘルプにある手続きで削除を求めることができます。ただし、暗い照明で撮られて料理がおいしそうに見えない、といった写真は、削除の対象ではなく、店の側の写真で補うものです。客が撮った写真が店の写真と大きく違って見えるときは、まず自店の写真のほうが実物より良く見えすぎていないかを疑ってください。客の写真は、写真と実物の差を測る一番正直な物差しでもあります。

6. 撮影リストと撮影の時期

撮影は、メニューと盛り付けが確定してから行います。開業前の早い時期に撮ると、試作段階の盛り付けが写真に残り、開業後に実物と合わなくなります。プレオープンで盛り付けを調整するなら、その後に撮るのが確実です(プレオープンの記事)。

撮るもの枚数の目安使う場所
看板メニューの単品(標準の盛り付け)メニューの主な品ごとに1枚地図、デリバリー、ウェブサイトのメニュー
入口と外観(昼・夜)2〜3枚地図(初めての客が店を見つけるため)
店内(カウンター、テーブル、個室)席の種類ごとに1枚地図、予約ページ
調理の様子(握る手元、焼き台など)数枚SNS、ウェブサイト(デリバリーのメニュー写真には使わない)
短い動画30秒以内を数本地図、SNS

外部のカメラマンに頼む場合は、撮影した写真を地図、デリバリー、SNS、広告で使える契約になっているかを確かめます。広告に使うかどうかで料金が変わる契約もあります。広告で写真を使うときの注意は開業広告の記事で扱います。

7. メニューを変えたら写真も替える

開業後、メニューの内容や盛り付けは何度か変わります。価格を据え置くために小鉢を1品減らした、仕入れの都合でネタを変えた、といった変更のたびに、写真が古いまま残っていないかを確かめてください。写真を替える手順を、メニュー変更の手順の中に入れておくのが確実です。

盛り付けの基準写真には、写真と一緒に「この皿に載せるもの」を文字でも書いておくと、新しく入った料理人でも同じ皿を作れます。たとえば握りの盛り合わせなら、貫数、ネタの並び順、ガリとわさびの量、器の種類を1枚のカードにまとめ、写真の横に貼ります。写真を撮り直したら、このカードも同じ日に差し替えます。

写真と実物の一致は、1回撮れば終わりではなく、営業を続ける限り保つものです。写真に対する不満は口コミに残りやすいため、口コミの中に「写真と違う」という声が出たら、写真と盛り付けのどちらを直すかをその週のうちに決めます(口コミ対応の記事)。

2026年9月に公開情報をもとにまとめた一般的な情報であり、法務・税務・入国管理に関する助言ではありません。制度や金額は変わるため、行動する前にリンク先でご確認ください。

出典

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