採用の進め方

X・Facebook・LINEで料理人を採用する方法

日本にいる料理人にSNSで届く採用の進め方。実際に使える日本語の投稿例、X・Facebookグループ・LINEの使い分け、職業安定法と給与開示の規定、紹介報奨金の論点、続けるための労力配分をまとめました。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

転職を考えていない日本の料理人には、実際に使われている媒体で日本語で発信します。Xは拡散されやすい告知に、Facebookのグループは現地の日本人コミュニティに、LINEは問い合わせ窓口に向いています。最初の3行にビザ・給与・休日・持ち場を書いてください。SNSは今週の欠員を埋める手段ではなく認知を積み上げる媒体と考え、条件は書ききろうとせず求人ページへリンクします。

このページは、日本にいる料理人にSNSで届けたいオーナーやマネージャー向けです。日本語のプラットフォームと日本語の投稿、具体的にはX、Facebookのグループ、LINEを扱います。Instagram固有の話(アカウントの整え方、キャプションの構成、Metaの広告規定、候補者のフィードの見方)はInstagram recruiting for chefsにまとめてあるため、ここでは繰り返しません。媒体全体の中でのSNSの位置づけは海外求人の媒体の種類と使い分けで整理しています。

目次

  1. なぜ投稿するのか:探していない人に届く
  2. 投稿も求人情報:守るべきルール
  3. 日本語で使う媒体の使い分け
  4. 料理人に読まれる日本語の投稿
  5. DM・LINEと個人情報
  6. スタッフの発信と紹介報奨金
  7. 運用にかける労力と続け方

1. なぜ投稿するのか:探していない人に届く

日本国内の飲食物調理従事者の有効求人倍率は、2026年7月時点で2.18倍(パートタイムを含む)です。腕のいい料理人は求人サイトを毎日見なくても仕事があるので、採りたい人の多くは今は仕事を探していません。日本語の投稿が、その人がフォローしている誰かの発信を通じて目に入れば、求人サイトでは届かない層に届きます。

ただし、今週の欠員を埋める手段ではありません。効果が出るまで数か月から1年を見込み、求人サイトや紹介会社の代わりではなく、それらと並行して運用してください。媒体全体の中での位置づけは海外求人の媒体の種類と使い分けで整理しています。

2. 投稿も求人情報:守るべきルール

日本の職業安定法

これらの規定が日本国外の雇用主にどこまで及ぶかは個別の判断になりますが、日本の料理人に日本語で発信する以上、日本のルールに沿っておくのが無難です。

店のある国のルール

店のある国にも求人広告のルールがあり、日本語で書いたからといって免除されるわけではありません。米国の例を2つ挙げます。ニューヨーク市は2022年11月1日から、市内で行われる仕事の求人広告に誠実な給与の範囲の記載を義務づけています。カリフォルニア州は労働法典432.3条により、従業員15人以上の雇用主に、第三者への掲載を含め、求人に給与の範囲の記載を義務づけています。「応相談」と書くのは、日本の料理人向けにも、こうした地域のコンプライアンスの面でも避けたほうがよい書き方です。自社のある地域の規則は別途確認してください。ここで扱うのは確認できた2つの例に限ります。

3. 日本語で使う媒体の使い分け

媒体向いている使い方注意点
X日本語の文章での告知。料理人同士の拡散に乗りやすい。#寿司職人 #海外求人 などのハッシュタグで役職から検索する人に届く短文ではすべての条件を書けない。必ずリンクを付け、給与を曖昧にしない
Facebookのグループ都市ごとの日本人コミュニティ。すでに海外にいる、今は探していない人にも届くグループごとに投稿ルールが異なる。投稿前に確認する
LINE公式アカウント関心を持った人との連絡窓口。返信が早く、日本の利用者になじみがあり、応募フォームへの誘導もしやすい個人のLINEアカウントで応募を受けると記録が残りにくい
Instagram厨房の日常を写真・短い動画で見せる詳しくはInstagram recruiting for chefsで扱っており、ここでは触れません

全部に手を出す必要はありません。店のスタッフが無理なく続けられる1〜2つのほうが、1か月で止まる4つのアカウントより結果が出ます。

4. 料理人に読まれる日本語の投稿

1日に何十件もの投稿を見流す料理人は、最初の3行で読むかどうかを決めます。店のコンセプトや思いを語る前に、役職、勤務地、そして真っ先に確認される4点(ビザ、給与、休日、持ち場)を先に書いてください。

【寿司職人募集|シンガポール】
カウンター12席のおまかせ店で、握りを担当する職人を募集しています。
・経験:寿司店で○年以上
・給与:月S$○○〜○○(経験による)
・ビザ:会社で申請、費用会社負担
・住居:社宅あり(個室、本人負担 月○○)
・渡航費:会社負担
・休日:完全週休2日(シフト制)
詳しい条件と応募はプロフィールのリンクから。質問はDMでもどうぞ。
#寿司職人 #海外就職 #海外で働く #シンガポール求人

数字は必ず入れてください。「好条件」「応相談」ばかりの投稿は、経験のある料理人ほど読み飛ばします。条件の書き方の基本は海外求人票の書き方を参照し、投稿の数字とリンク先の求人票の数字は必ずそろえてください。食い違いは「話が違う」という不信につながります。

5. DM・LINEと個人情報

6. スタッフの発信と紹介報奨金

店の公式アカウントより、働いている料理人本人の発信のほうが信頼されることは珍しくありませんが、スタッフの個人アカウントでの発信は本人の自由です。発信を業務として頼むなら勤務時間内の仕事として扱い、始める前に店の内部情報や客の写真について最低限のルールを決めておきます。

スタッフの紹介で採用できた場合の報奨金は、多くの店が検討する仕組みですが、職業安定法第40条(募集に従事する者への報酬の供与の制限)に触れる論点があります。一度きりのお礼ではなく制度として設けるなら、専門家に確認してから進めてください。

7. 運用にかける労力と続け方

計画のない運用は、最初の数投稿で止まります。始める前に次を決めてください。

「いいね」や再生回数は採用の成果ではありません。見るべきは、媒体ごとのリンクで測る求人ページへのアクセス数、応募数と書類選考の通過数、採用数、1年後の在籍数です。

変わる数字:日本国内の飲食物調理従事者の有効求人倍率(2026年7月時点2.18倍、厚生労働省が毎月更新)と、ニューヨーク市・カリフォルニア州の給与開示の基準(各地の法改正で変わりうる)。次回確認は厚生労働省の次回月次公表時。

よくある質問

日本の料理人に届けるには、どのSNSが向いていますか。

料理人同士で拡散されやすい日本語の文章告知にはX、すでに海外にいる日本人に届けるにはFacebookのグループが向いています。Instagramは写真や動画で厨房の日常を見せる使い方で性質が異なるため、別記事のInstagram recruitingで扱っています。

投稿は日本語で書く必要がありますか。

対象が日本にいる料理人であれば、必要です。英語のキャプションに日本語のハッシュタグを付けただけでは、その層にはほとんど届きません。役職、勤務地、ビザ、給与、休日、持ち場を最初の3行に日本語で書き、そのあと求人ページへのリンクを付けてください。

SNSの募集投稿は、日本の法律上も求人広告に当たりますか。

当たると考えて運用してください。職業安定法の的確表示義務(第5条の4)は施行規則でインターネット広告を対象に含めており、条件明示の義務(第5条の3)も募集を行う以上は適用されます。短い投稿からは、賃金・労働時間などの条件を全文で示すページにリンクしてください。

スタッフに紹介の報奨金を払ってもよいですか。

職業安定法第40条は、募集に従事する人への報酬の供与を制限しており、これは自社のスタッフが紹介者として動く場合も対象になり得ます。一度きりのお礼ではなく制度化するなら、その前に専門家に確認してください。

SNSでの募集は、どのくらいで採用につながりますか。

数か月から1年ほどを見込んでください。今週の欠員を埋める手段ではなく認知を積み上げる媒体なので、求人サイトや紹介会社の代わりではなく並行して運用し、半年を目安に結果を振り返ってください。

本記事は一般的な情報であり、法務・労務に関する助言ではありません。求人広告に関するルールは国や地域によって異なり、改正もあります。募集の前に、下記の一次情報と店のある地域の規則を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。

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