採用の進め方

海外求人の媒体の種類と使い分け:サイト・紹介・学校

求人サイト、人材紹介会社、学校、ハローワーク、自社SNS。職業安定法上の分類ごとに費用の仕組みとルール、契約前の確認点を整理し、職種や状況に応じた使い分けを示します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 求人の手段を「法律上の種類」で分ける
  2. 求人サイト・求人メディア
  3. 人材紹介会社(有料職業紹介)
  4. 学校とハローワーク(無料の職業紹介)
  5. 自社サイト・SNS・知人の紹介(直接募集)
  6. 職種と状況による使い分け
  7. 媒体を選ぶ前の確認リスト

海外の和食店が日本の料理人を募集する手段はいくつもあります。求人サイト、人材紹介会社、調理師学校、SNS、知人の紹介。どれが「一番効く」かを示す公的なデータはありません。媒体ごとの応募数や市場シェアといった数字は、各社の自己申告か推測です。この記事ではそうした数字は使いません。

代わりに、日本の職業安定法が求人の手段をどう分類しているかを軸に、それぞれの費用の仕組み、法律上のルール、契約前に確認すべきことを整理します。仕組みがわかれば、自店に合う組み合わせは判断しやすくなります。チャネルごとの実務的な使い方は日本の料理人はどこで海外の仕事を探すかもあわせてご覧ください。

1. 求人の手段を「法律上の種類」で分ける

職業安定法第4条は、人を採用するための仲介や情報提供を次のように定義しています。

法律上の種類具体例費用の形主な法律上のルール
労働者の募集(直接募集)自社サイト、SNS、店頭の掲示自社の手間と広告費求人情報の的確な表示(第5条の4)、応募者からの報酬受領の禁止(第39条)
委託募集社外の人に報酬を払って募集を任せる委託先への報酬厚生労働大臣の許可と報酬額の認可が必要(第36条)
募集情報等提供求人サイト、求人情報誌、求人検索サービス媒体ごとの料金(掲載料など)的確な表示、個人情報の取扱い。応募者の情報を集める事業は届出制(第43条の2)
有料の職業紹介人材紹介会社採用が決まったときの紹介手数料が中心厚生労働大臣の許可(第30条)、手数料の規制(第32条の3)
無料の職業紹介学校、ハローワーク無料学校は届出により在校生・卒業生を紹介(第33条の2)

「職業紹介」は、求人と求職の申込みを受けて雇用関係の成立をあっせんすることです。求人サイトは情報を載せる場、人材紹介会社は候補者と店の間に立つ仲介者、という違いが費用の構造の違いにつながっています。

なお、これらの規定が日本国外の雇用主にどこまで及ぶかは、募集の場所や方法によって個別に判断されます。ただ、日本の料理人や学校、紹介会社は日本のルールを前提に動いているので、その枠組みに合わせて進めるのが実務的です。

2. 求人サイト・求人メディア

2022年の法改正で何が変わったか

令和4年(2022年)の職業安定法改正は、同年10月1日に施行されました(一部は4月1日)。厚生労働省は主な内容として「求人等に関する情報の的確な表示の義務化」「個人情報の取扱いに関するルールの整備」「求人メディア等に関する届出制の創設」を挙げています。

向いている使い方

求人サイトの強みは、条件を詳しく書いて多くの人に見てもらえることです。海外求人専門のサイトは、すでに海外で働くと決めた人が見に来るため、応募の数より質で評価する媒体です。一般の大手求人サイトは閲覧者が多い一方、多くは国内で仕事を探している人です。料金体系(掲載期間ごとの定額か、応募や採用に応じた課金か)は媒体ごとに違うので、1人採用あたりの費用に直して比べてください。WashokuJobは海外の和食店に特化した掲載型の求人サイトです(掲載のご案内)。

3. 人材紹介会社(有料職業紹介)

人材紹介会社は、厚生労働大臣の許可を受けて職業紹介を行う事業者です(職業安定法第30条)。紹介会社を使うときに知っておきたい点は次のとおりです。

許可を受けた事業者は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で検索できます。契約前に許可番号を確認する習慣をつけてください。紹介会社と求人サイトの費用の比較は紹介会社と求人サイトの比較(英語)にあります。

4. 学校とハローワーク(無料の職業紹介)

調理師学校などの学校は、届出により在校生と卒業生を無料で紹介できます(第33条の2)。学校は取り扱う紹介の範囲を定めて届け出ることができるため、海外の求人を受け付けるかどうかは学校ごとに違います。進め方は調理師専門学校からの採用ルートで詳しく解説しています。

ハローワーク(公共職業安定所)は国が行う無料の職業紹介です。海外の事業所で働く求人を受理してもらえるかどうかについて、今回確認できる公式の説明は見つかりませんでした。利用を考える場合は、日本の拠点を管轄するハローワークに直接問い合わせてください。

5. 自社サイト・SNS・知人の紹介(直接募集)

自社のサイトやSNSで募集するのは、法律上は店自身が行う「労働者の募集」です。費用は安く済みますが、ルールがないわけではありません。

SNSでの募集の具体的な方法はSNSでの料理人採用で扱います。

6. 職種と状況による使い分け

状況中心にする手段理由
料理長・寿司職人など経験者を1人紹介(在籍スタッフの人脈)、海外求人専門のサイト、人材紹介会社候補者の数は少なく、すでに働いている人に届く手段が必要
若手を毎年数人学校、求人サイト継続的な関係と、条件を詳しく伝える場が効く
現地在住の日本人(ワーホリ・配偶者など)現地の日本語コミュニティ、SNS、求人サイトビザの手続きが不要または軽く、早く始められる
新店の立ち上げで短期間に複数名求人サイト+人材紹介会社の併用露出の量と、選考の手間の外部化を両立させる

どの組み合わせでも、応募者に「どこで求人を見たか」を必ず聞き、媒体ごとに応募数、書類選考の通過数、採用数、1年後の在籍数を記録してください。数字が少ないうちは判断を急がず、半年から1年単位で見直すのが現実的です。

7. 媒体を選ぶ前の確認リスト

本記事は一般的な情報であり、法務・労務に関する助言ではありません。職業安定法の規定が海外の雇用主や個別の募集方法にどう適用されるかは状況によって異なります。媒体の契約や報奨金制度の導入の前に、下記の一次情報を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。

出典

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