採用の進め方

SNSで料理人を採用する方法:投稿の中身とルール

転職を考えていない料理人にも届くSNS採用。職業安定法の的確表示や委託募集の規定、米国の給与表示ルール、投稿の中身、媒体の使い分け、DM対応と効果測定までをまとめました。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. SNSは「探していない人」に届く手段
  2. SNSの投稿も求人情報:守るべきルール
  3. 料理人が見たい投稿の中身
  4. プラットフォームごとの使い分け
  5. 募集投稿のひな形
  6. DMへの対応と個人情報
  7. スタッフの発信を採用につなげる
  8. 効果の測り方

料理人は料理人をフォローしています。包丁さばきの動画、仕込みの風景、まかないの写真。SNSには料理人が日々目にする情報があふれていて、そこに海外店の様子が流れてくれば、転職を考えていなかった人の目にも留まります。

ただ、SNSでの募集は手軽な分、条件の書き漏らしや、日本の法律上のルールを知らないまま進めてしまう失敗も起きやすい手段です。この記事では、海外の和食店がSNSで日本の料理人を募集するときの考え方、守るべきルール、投稿の中身と運用を整理します。SNSの利用者数や応募率といった数字は、公的に確かめられるものがないため使っていません。

1. SNSは「探していない人」に届く手段

日本国内の飲食物調理従事者の有効求人倍率は、2026年7月時点で2.18倍(パートタイムを含む)です。腕のいい料理人は求人サイトを毎日見なくても仕事があります。つまり、採りたい人の多くは今は仕事を探していない人です。

SNSはそうした人に、店の日常を通じて少しずつ知ってもらう手段です。求人サイトのように「今すぐの応募」を期待するより、数か月から1年かけて店の認知を積み上げる媒体と考えてください。媒体全体の中での位置づけは海外求人の媒体の種類と使い分けで整理しています。

2. SNSの投稿も求人情報:守るべきルール

日本の職業安定法

これらの規定が日本国外の雇用主にどこまで及ぶかは個別の判断になりますが、日本の料理人に向けて発信する以上、日本のルールに沿っておくのが無難です。

店のある国のルール

店のある国にも求人広告のルールがあります。米国の例を2つ挙げます。

SNSの投稿で給与を「応相談」とするのは、日本の料理人向けにも、こうした地域のルールの面でも避けたほうがよい書き方です。

3. 料理人が見たい投稿の中身

海外で働くかどうかを考えている料理人が知りたいのは、店の料理の美しさだけではありません。次のような投稿が、応募の判断材料になります。

スタッフの顔や声を出す場合は、本人の同意を得てください。実在しない「スタッフの声」を作るのは、的確な表示の観点からも信頼の面からも厳禁です。

4. プラットフォームごとの使い分け

媒体向いている使い方注意点
Instagram厨房や料理の写真・短い動画で店の日常を見せる。募集はプロフィールのリンクから求人ページへ誘導料理写真だけでは働く場所の情報にならない。厨房と人を映す
X日本語の文章で募集の告知。料理人同士の拡散に乗りやすい短文で条件を誤解させない。必ずリンクを付ける
Facebookのグループ都市ごとの日本人コミュニティで、現地在住の日本人に告知グループの投稿ルールを確認する
YouTube数分の動画で店の1日や住環境を紹介制作の手間がかかる。1本作れば長く使える
LINE公式アカウント応募者や関心のある人との連絡窓口個人のLINEで応募を受けると記録が残りにくい

全部に手を出す必要はありません。店のスタッフが無理なく続けられる1〜2つに絞るほうが結果は出やすくなります。英語での解説はInstagram recruiting for chefsにあります。

5. 募集投稿のひな形

【寿司職人募集|シンガポール】
カウンター12席のおまかせ店で、握りを担当する職人を募集しています。
・経験:寿司店で○年以上
・給与:月S$○○〜○○(経験による)
・ビザ:会社で申請、費用会社負担
・住居:社宅あり(個室、本人負担 月○○)
・渡航費:会社負担
・休日:完全週休2日(シフト制)
詳しい条件と応募はプロフィールのリンクから。質問はDMでもどうぞ。
#寿司職人 #海外就職 #海外で働く #シンガポール求人

数字は必ず入れてください。「高待遇」「応相談」ばかりの投稿は、経験のある料理人ほど読み飛ばします。条件の書き方の基本は海外求人票の書き方を参照してください。

6. DMへの対応と個人情報

7. スタッフの発信を採用につなげる

店の公式アカウントより、働いている料理人本人の発信のほうが信頼されることは珍しくありません。ただし、スタッフの個人アカウントでの発信は本人の自由です。発信を業務として頼むなら勤務時間内の仕事として扱い、店の内部情報や客の写真について最低限のルールを決めておきます。

スタッフの紹介で採用できた場合の報奨金は、多くの店が検討する仕組みですが、職業安定法第40条(募集に従事する者への報酬の供与の制限)との関係が論点になります。制度にする前に専門家に確認してください。

8. 効果の測り方

SNSの「いいね」や再生回数は、採用の成果ではありません。見るべきは次の数字です。

応募フォームに「どこで求人を知ったか」の欄を設けておけば、SNSの効果を他の媒体と並べて比べられます。半年ほど続けて、投稿の種類ごとに反応を見直してください。

本記事は一般的な情報であり、法務・労務に関する助言ではありません。求人広告に関するルールは国や地域によって異なり、改正もあります。募集の前に、下記の一次情報と店のある地域の規則を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。

出典

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