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ポーランドA型労働許可:日本人料理人の要件と費用

A型労働許可と2025年の県別就業制限職種への制度改正、同等待遇の原則とGUSの賃金水準、許可の後に必要な国内ビザ(D型)、総費用と逆算スケジュールを解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

ポーランドは2025年の改正で労働市場テストを廃止し、県(starosta)単位の就業制限職種リストに置き換えました。料理人が自由に雇えると決めつける前に、自社の管轄の県に確認してください。A型労働許可だけでは入国できず、料理人はさらに国内ビザ(D型)が必要で、東京の大使館では手数料36,818円、審査期間は15営業日です。給与は同等のポーランド人労働者を下回ってはならず、GUS(中央統計局)の調査では料理人の全国平均総支給額は月5,680.87ズウォティで、2026年の法定最低賃金4,806ズウォティを大きく上回ります。何もないところから初出勤まで、目安として4か月ほど見込んでください。

このページは、日本から料理人を呼ぶためにポーランドのA型労働許可を申請するオーナーや日本の企業グループ向けです。許可、その後のビザ、給与、費用、日程を扱います。日本人料理人の多くは大学の学位を持たないため、欧州の大半でEUブルーカードは対象外ですが、ポーランドは学位の代わりに5年の実務経験を認める数少ない国のひとつです。詳しくはEUブルーカードガイドにまとめており、このページでは繰り返しません。短期の人材については欧州ワーキングホリデーガイドをご覧ください。

目次

  1. A型労働許可と2025年の制度改正
  2. いくら払うか:同等待遇の原則とGUSの水準
  3. 許可の後:国内ビザ(D型)
  4. 申請の進め方、手数料、勤務開始後の義務
  5. オファーレターのひな形
  6. 総費用と逆算スケジュール
  7. ワルシャワ、クラクフ、ワーキングホリデー

1. A型労働許可と2025年の制度改正

自社が料理人を直接雇う場合に該当するのはA型労働許可です。ポーランドに拠点や支店を持つ雇用主との契約に基づく就労が対象です。B型からE型は役員としての就任や外国企業からの派遣労働者向けで、通常の飲食店の採用には当てはまりません。

2025年6月1日施行の「外国人雇用の許容条件に関する法律」は、旧来の労働市場テストを別の仕組みに置き換えました。県知事(starosta)が、地域の大量解雇や大手企業の閉鎖などを受けて、許可を発給しない職種・業務の種類を県ごとに指定できるというものです。すべての県の制限リストをまとめた全国共通の検索可能な一覧は見つかりませんでした。許可が下りると決め込む前に、自社の所在地を管轄するpowiatowy urząd pracy(郡労働局)に、料理人や飲食業の業務が現在制限対象かどうか直接確認してください。

2. いくら払うか:同等待遇の原則とGUSの水準

A型労働許可には給与に関する3つの条件があります。契約上の給与が同等の業務を行うポーランド人労働者を下回らないこと、月給が全国最低賃金(2026年1月1日から月4,806ズウォティ、時給31.40ズウォティ)以上であること、そして労働時間がフルタイムの4分の1からフルタイムまでの範囲であることです。

実際にオファー額を左右するのは最低賃金ではなく同等待遇の原則です。ポーランド中央統計局(GUS)は職業別の賃金調査を2年ごとに公表しており、直近の2024年10月版によると、料理人(職業グループ512)の全国平均総支給額は月5,680.87ズウォティで、全産業平均の8,944.79ズウォティを下回ります。GUSはこの数字を都市別には出しておらず、次の調査は2026年10月分で結果公表は2027年の見込みです。したがってワルシャワ特有の数字ではなく、妥当な範囲の下限として扱ってください。自社で最も経験のある料理人として雇う場合は、平均的な調理担当ではなく、ポーランド人の料理長に払うであろう額を基準にしてください。

雇用主負担の社会保険料は、総支給額に加えてさらにかかる費用です。今回の確認では、ZUS(社会保険機構)の現行の負担率の内訳(年金、障害、労災、労働基金の合計)を確認できませんでした。目安として総支給額のおよそ2割程度を見込み、オファーを確定する前にZUSまたはポーランドの給与担当者に現行の雇用主負担率を確認してください。

3. 許可の後:国内ビザ(D型)

労働許可はビザではありません。県が許可を発給した後も、料理人は別途、通常は自分の管轄のポーランド大使館・領事館で国内ビザ(D型)を申請して入国する必要があります。在日ポーランド大使館は独自の領事手数料表を公表しています。

項目手数料(東京、2026年1月1日発効の料金表)
国内ビザ(D型)、新規申請36,818円
国内ビザ(D型)、再審査申請36,818円
参考:シェンゲンビザ(C型)16,569円

大使館のビザページによると、審査結果は15営業日以内に出され、書類の精査が必要な場合は30日まで延長されます。A型許可の「申請から12か月以内に就労開始」という制限と、このビザの処理期間の両方を1本のスケジュールに組み込んでください。許可が下りた時点をゴールと考えないことが重要です。

4. 申請の進め方、手数料、勤務開始後の義務

  1. praca.gov.plでオンライン申請(「Zatrudnianie cudzoziemców」、様式ZC-WWZ)を行い、電子署名または信頼プロファイルで署名して県へ提出します。
  2. 雇用主側の添付書類:本人確認書類または登記簿謄本、30日以内に署名した無犯罪証明の宣誓書、義務を果たす資金があることの証明、そして同等の労働者を下回らない給与であることの宣誓書。外国語の書類にはポーランド語の宣誓翻訳が必要です。
  3. 手数料の支払い:就労期間が3か月を超える場合400ズウォティ(3か月以内なら200ズウォティ)。
  4. 審査結果を待つ:通常1か月以内、複雑な案件では2か月まで延長。開始日は申請日から12か月以内でなければなりません。

料理人の勤務開始後は、初日より前にpraca.gov.plを通じて契約書の写しを提出し、契約書は書面で締結して料理人が理解できる言語の翻訳を添え、許可証の写しを本人に渡します。開始の遅れ、2か月を超える休止、早期の雇用終了などがあれば7日以内に県へ届け出てください。2026年6月1日からはこの届出は電子申請のみとなります。職務内容、最低給与、比例的増加を超える労働時間を変更する場合は新規許可が必要です。社会保険料や税金の未払い、雇用の実態がないと疑われる兆候は、よくある不許可の理由です。説得力のある申請書よりも、ZUSと税務の記録がきれいであることの方が重要です。

5. オファーレターのひな形

申請前に、給与・勤務時間・業務内容を書面にしておきましょう。料理人本人の判断材料としては日本語版が必要で、ポーランド語版は申請書中の同等待遇の宣誓を裏付けます。

English
[Company name], [address], offers [Full name] the position of [Head Chef / Sushi Chef], Japanese Cuisine, at [restaurant name], Warsaw. Duties: [menu design, fish preparation, training kitchen staff]. Employment begins [date], [hours] hours a week, gross monthly salary PLN [amount], not lower than for a comparable Polish worker in this restaurant. We will file the type A work permit application and support the national visa application at the Polish embassy.
[Name], [Title], signature

日本語
[会社名]([所在地])は、[氏名]様に、ワルシャワの[店舗名]における日本料理[料理長/寿司職人]としての勤務をお願いいたします。業務内容は[献立の考案、魚の仕込み、厨房スタッフの指導]です。勤務開始日は[年月日]、週[時間]時間勤務、月額総支給額はズウォティ[金額]とし、当店で同等の業務を行うポーランド人従業員を下回りません。当社はA型労働許可の申請を行い、在ポーランド共和国大使館(東京)での国内ビザ申請を支援します。
[氏名]、[役職]、署名

6. 総費用と逆算スケジュール

項目初年度(GUS平均水準の料理人)
給与 5,681ズウォティ×1268,172ズウォティ
雇用主負担の社会保険料(概算、現行率は要確認)約13,600ズウォティ
労働許可手数料(3か月超)400ズウォティ
国内ビザ手数料(東京)36,818円
宣誓翻訳、航空券、当初の住居費用各社の見積もり
開始日までの時期やること
18週間前自社の県における就業制限職種の扱いを地元の労働局に確認し、ZUSと税務の記録がきれいであることを確認する。
14週間前同等待遇の基準以上で条件を合意し、praca.gov.plでA型許可を申請する。
10週間前許可の結果(通常1か月、複雑な案件で2か月)。発給後、東京でのビザ面接・申請を予約する。
6週間前ビザ申請を提出。結果は15営業日以内(最長30日)。
入国前署名・翻訳済みの契約書を、初日より前にpraca.gov.plを通じて県へ提出する。

7. ワルシャワ、クラクフ、ワーキングホリデー

日本の外務省によると、2025年10月1日時点でポーランドの在留邦人は2,031人で前年から9%減少し、うち1,545人が永住者ではなく長期滞在者です。農林水産省の国別日本食レストラン数の統計にはポーランド単独の数字がなく、現地の日本食レストランの規模を直接示すことはできません。現場ではワルシャワとクラクフに最も集中しており、限られた料理人の人材を奪い合っています。現地の日本人コミュニティだけで厨房を回せると考えないでください。

日本とポーランドは2015年からワーキングホリデー制度を実施しており、年間の人数上限は500人です。実際にどこまでの就労が認められるかは欧州ワーキングホリデーガイドをご覧ください。長期雇用にはA型許可が引き続き基本ルートであり、移住支援ガイドと契約書チェックリストは、同等待遇の原則を満たしながら良い候補者を引き付けるオファーづくりに役立ちます。

変わる数字:最低賃金4,806ズウォティは2026年の水準で毎年改定されます。GUSの職業別賃金調査は2年ごとで、次回は2026年10月分、結果公表は2027年の見込みです。東京の大使館の領事手数料表は2026年1月1日付です。県ごとの就業制限職種リストはいつでも変わり得ます。次回確認は2027年1月です。

よくある質問

ポーランドの労働許可があれば日本人料理人は入国できますか。

できません。労働許可は、料理人がポーランドに入国した後の就労を認めるだけです。別途、ポーランド領事館で国内ビザ(D型)を取得する必要があり、東京の大使館では手数料36,818円、審査は15営業日以内(最長30日)です。両方の段階を1本のスケジュールに組み込んでください。

自社の県で料理人が就業制限職種になっていないか、どう確認しますか。

2025年6月1日の改正以降、県知事(starosta)は許可を発給しない職種を指定できるようになり、これが旧来の労働市場テストに代わりました。全県共通の一覧は見つかりませんでした。許可が下りると想定する前に、自社の管轄のpowiatowy urząd pracy(郡労働局)に直接確認してください。

ポーランドで日本人料理人に払う実際の目安はいくらですか。

2026年時点の法定最低賃金4,806ズウォティは下限であって目安ではありません。GUSの直近の職業別賃金調査(2024年10月)では、料理人の全国平均は月5,680.87ズウォティです。拘束力があるのは同等待遇の原則で、同じ仕事をするポーランド人労働者より低い給与にはできません。

ポーランドで料理人を雇う初年度の費用はどのくらいですか。

GUSの平均水準の給与なら、給与だけでおよそ68,172ズウォティ、これに雇用主負担の社会保険料(現行率はZUSに要確認)、労働許可手数料400ズウォティ、東京でのビザ手数料36,818円が加わります。翻訳費用、航空券、住居費は別途です。

ワルシャワの厨房をワーキングホリデーの料理人で短期的に埋められますか。

可能です。日本とポーランドが2015年から実施している年間500人の枠内であれば使えます。季節的な人手や試用期間には向いていますが、長期雇用にはA型許可が引き続き必要です。ワーキングホリデー制度はスポンサー付き雇用の代替として作られたものではありません。

本記事は2026年9月時点でポーランドおよび日本の公的情報源を確認した一般的な情報で、法律や出入国手続きの助言ではありません。ポーランドの外国人雇用ルールは2025年に変更され、県ごとの就業制限リストを含む運用は現在も整備が進んでいます。申請前に県庁、地元の労働局、ポーランド領事館で最新の内容を確認してください。

出典

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