英国・欧州

ポーランドで日本人料理人を雇う:就労許可の種類とルール

ポーランドは2025年6月に労働市場テストを廃止しました。飲食店向けA型就労許可の仕組み、同等給与と最低賃金PLN 4,806、手数料、期間、雇用主の義務を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 飲食店に必要な就労許可の種類
  2. 2025年6月の改正:労働市場テストの廃止
  3. 給与と契約の条件
  4. 申請方法・手数料・期間
  5. 県知事が不許可とする理由
  6. 就労開始後の雇用主の義務
  7. ワルシャワの飲食店での採用

ポーランドは2025年に外国人雇用のルールを作り直しました。新法は2025年6月1日に施行され、従来の労働市場テストに代わって、地方当局が許可を出さない職業を指定できる仕組みが導入されました。日本から料理人を採用するワルシャワの飲食店にとって、手続きは大部分がオンラインで、書面上は比較的早い一方、給与、契約、雇用主の法令順守には厳格です。

1. 飲食店に必要な就労許可の種類

ポーランドの就労許可にはいくつかの種類がありますが、飲食店に関係するのは通常ひとつだけです。

種類用途関係があるか
A本店、支店その他の組織的な事業拠点がポーランドにある雇用主との契約に基づき、ポーランドで働く場合あり。料理人を雇う通常のルート
B12か月のうち6か月を超えて、会社の取締役、無限責任社員、支配人などを務める場合料理人が会社の経営も担う場合のみ
C・D・E外国の雇用主が労働者をポーランドに派遣する場合ポーランドの飲食店による直接雇用には該当しない

申請するのは必ず雇用主で、許可は特定の外国人ごとに発行されます。

2. 2025年6月の改正:労働市場テストの廃止

「ポーランド共和国領域内における外国人雇用の許容条件に関する法律」は2025年6月1日に施行されました。ポーランド労働省は、雇用主にとっての主な変更点を次のように説明しています。スタロスタ(郡の長)は、集団解雇や大企業の閉鎖などがあった場合に、その郡で許可を出さない職業や業務の一覧を定められるようになりました。同省によれば、この仕組みが、これまで雇用主に課されていた「労働市場テスト」に代わるものです。

実務上は、店のある郡が調理師や飲食業の仕事を制限対象に指定していないかを確認してください。該当しなければ、ポーランド人やEUの候補者がいなかったことを先に証明する必要はありません。

3. 給与と契約の条件

政府のビジネスポータルは、A型許可の条件を次のように定めています。

同等給与のルールがあるため、同じ職務のポーランド人料理人より低い給与で日本人料理人を雇うことはできません。その料理人が店でいちばん上の料理人になるなら、基準は事実上、現地で料理長に支払う水準になります。

4. 申請方法・手数料・期間

  1. オンラインで申請する。praca.gov.plの「外国人の雇用(Zatrudnianie cudzoziemców)」からZC-WWZ様式で申請し、適格電子署名または信頼プロファイルで署名します。申請先は県知事(ヴォイヴォダ)です。
  2. 雇用主側の書類を添付する。身分証明書または商業登記簿の抄本、30日以内に署名した犯罪歴がない旨の申告、義務を果たす資金がある旨の申告、給与が同等の労働者を下回らない旨の申告などです。外国語の書類には、宣誓翻訳人によるポーランド語訳が必要です。
  3. 手数料を支払う。就労期間が3か月を超える場合はPLN 400(3か月以内はPLN 200)で、県庁の口座に支払います。
  4. 決定を待つ。ポータルによると期間は1か月以内で、複雑な案件では2か月まで延びることがあります。申告する就労開始日は、申請日から12か月以内でなければなりません。

就労許可はビザではありません。許可が出た後も、料理人はポーランドへの入国と滞在のために適切なビザまたは滞在許可を取得する必要があります。この手順もスケジュールに組み込み、料理人を管轄するポーランド領事館で確認してください。

5. 県知事が不許可とする理由

不許可事由は多く、そのほとんどは雇用主側に関するものです。たとえば、社会保険料や健康保険料の未納、税金の滞納、外国人を雇う根拠となる事業を営んでいないこと、義務を果たす資金がないこと、過去の不法就労に関する違反、仕事が実態のないものである兆候などです。外国人が過去2年以内に許可を得てポーランドに入国しながら、正当な理由なくその仕事をしなかった場合も不許可となりえます。

説得力のある説明文より、きちんとした帳簿のほうが大切です。申請前に社会保険(ZUS)と税金の状況を確認してください。

6. 就労開始後の雇用主の義務

A型許可の期間は最長3年です。事業開始から1年未満の場合や、労働時間が半日勤務以下の場合は最長1年となります。

7. ワルシャワの飲食店での採用

外務省の統計では、2025年10月1日時点でポーランド在留の日本人は2,031人で前年から9%減少し、うち1,545人が永住者ではなく長期滞在者です。ワルシャワ単独の数字はありません。コミュニティの大半は期限付きの滞在のため、現地の日本人料理人の層を当てにすることはできません。

日本とポーランドの間には2015年からワーキングホリデー制度があり、外務省によると年間の定員は500人です。短期の厨房スタッフを確保する手段になります。詳しくは欧州のワーキングホリデーのガイドをご覧ください。日本から長期で料理人を迎えるならA型許可がルートです。転居パッケージのガイド雇用契約のチェックリストを参考に、同等給与のルールを満たしつつ良い候補者を引きつけるオファーを組み立ててください。準備ができたら、WashokuJobに求人を掲載できます。

本記事は2026年9月時点で公的機関の情報をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。ポーランドの外国人雇用ルールは2025年に変わり、運用はまだ固まりつつある段階です。申請前に県庁で詳細を確認してください。

出典

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