英国・欧州

スペインで日本人シェフを雇う:求人登録ルート、給与、日程

飲食店の料理人はスペインの充足困難職種カタログに載っていないため、求人登録ルートを使う。8日間の最低掲載期間、人材不足証明書、マドリードとバルセロナの協約給与、7〜8か月のスケジュールを解説。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

スペインにはシェフ用のビザがありません。飲食店の料理人は充足困難職種カタログに載っておらず(載っているのは船の料理人だけ)、雇用主は国内で人材を確保できないことを自ら証明する必要があります。求人を登録し、最低でも8日間掲載を続け、就労許可を申請する前に人材不足の証明書を取得します。給与はSMI(2026年で月€1,221)が出発点ですが、マドリードの飲食業協約では実際の料理人はクラスに応じて€1,250〜€1,415に近く、腕のある日本人料理人にはそれ以上を見込むべきです。申請から到着まで全体で数か月を見込み、スポンサー採用の手続きが進む間はワーキングホリデーでの採用をより速い最初の一歩として使いましょう。

このページは、スペイン、特にマドリードやバルセロナで日本人料理人を迎える方法と予算を検討しているオーナーやグループ人事向けです。充足困難職種カタログが役に立たない理由、求人登録ルートとその日程、飲食業労働協約の給与、ワーキングホリデーの選択肢を解説します。他国との給与比較は国別の給与ガイドを、より高給の別区分であるEUブルーカードについてはEUブルーカードのガイドをご覧ください。

目次

  1. 海外からの採用が認められるかをスペインはどう判断するか
  2. 飲食店の料理人が充足困難職種カタログに載っていない理由
  3. 求人登録ルート:掲載期間と証明書
  4. 雇用主による申請
  5. 給与:マドリードとバルセロナの協約等級
  6. ワーキングホリデー:より早い最初の一歩
  7. 逆算スケジュール

1. 海外からの採用が認められるかをスペインはどう判断するか

ルートは、被用者としての初回の一時居住・就労許可(autorización inicial de residencia temporal y trabajo por cuenta ajena)で、雇用主が申請します。スペインの移民担当省は、労働市場が採用を認めることを示す方法として3つを挙げています。その職が充足困難職種カタログに載っている。載っていなければ、雇用主が求人を登録し、採用が困難だったことを示す書類を取得する。あるいは国際協定によってその労働者が免除される(同省が挙げるのはチリとペルーで、日本は含まれません)。

2026年第3四半期のカタログ(2026年9月2日に官報で公表)は短く、プロのスポーツ選手とコーチ、商船関係の職種、電気工、アルミ・金属建具の取付工、クレーンオペレーターです。載っている料理人はcocineros de barco(船の料理人)だけで、沿岸部の県とリェイダ、マドリードが対象です。飲食店の料理人やシェフはどこにも載っておらず、SEPEの2026年第1四半期の県別カタログでも同じパターンで、どの県の料理人の項目もすべて船の料理人です。

リストの「cocineros」に惑わされないでください。これは商船の料理人のことで、飲食店の厨房ではありません。マドリードやバルセロナの寿司店は、このカタログを使って求人登録のステップを省くことはできません。

3. 求人登録ルート:掲載期間と証明書

飲食店の料理人はカタログに載っていないため、雇用主はEmpléateポータルと公共職業サービスに欠員を登録し、求人が充足できなかったことを示す書類を取得します。この手続きを日常的に扱う専門家の説明によれば、雇用サービスがcertificado de insuficiencia de demandantes de empleo(人材不足証明書、適格な地元の応募者がいなかったことを確認する書類)を発行できるまで、Empléateでの掲載は最低でもおよそ8日間必要とされています。この日数は公式のSEPEのページで直接確認できなかったため、あくまで出発点として扱い、正確な掲載期間と発行される書類の正式名称を、地域の雇用サービス(マドリード州や、カタルーニャのSOCなど)に確認してから頼ってください。

求人がうまくいくかどうかを左右するのはこの段階です。「cocinero(料理人)」とだけ書いたあいまいな求人には、雇用サービスが検討を求める地元の応募者が集まります。刺身用に一本の魚を扱っておろす、決められた基準で寿司飯を仕込む、仕入れ先や日本人の料理長とやり取りするための日本語、日本料理の厨房での経験年数など、実際に必要なことを正確に書いた求人のほうが誠実であり、本当の人材不足を示せる可能性も高くなります。ポジションの定義には寿司職人の求人票が役立ちます。

4. 雇用主による申請

段階内容
求人登録Empléateに登録し、人材不足証明書を取得する(第3章参照)
申請雇用主が、契約書と労働市場に関する書類を添えて居住・就労許可を申請する
手数料様式790コード052は労働者が支払う。許可期間が6か月以上の場合、様式790コード062は雇用主が支払う
給与最低賃金(SMI)以上。パートタイムの場合は、年額でフルタイムのSMIと同等の給与が必要
決定行政当局は3か月以内に決定する
ビザ許可後、労働者は1か月以内にスペイン領事館でビザを申請する

このルートの根拠となる規則は勅令1155/2024で改正されており、SEPEのカタログは現在、改正後の第65条に基づいて作成されています。2025年より前に書かれた解説を参考にしている場合は、現行の規則を反映しているか確認してください。

5. 給与:マドリードとバルセロナの協約等級

2026年のSMI(salario mínimo interprofesional)は、2026年2月18日の勅令126/2026により1月1日から適用され、月€1,221(日額€40.70、14回払い)、年間では€17,094です。これは許可の下限であって相場ではありません。マドリードの飲食業労働協約(2024年の給与表がultraactividadにより2026年も継続適用)は、職種と店舗クラスに応じてより高い最低額を定めています。

職種クラスA(高級店)クラスB(中堅店)クラスC(大衆店)
Jefe/a de cocina(料理長)€1,415.47€1,366.11€1,250.91
Cocinero/a(料理人)€1,283.83€1,250.91€1,160.37

これらの数字には、マドリードの多くの協約が別途定めている協約手当や食事手当は含まれていないため、あくまで下限として扱ってください。バルセロナでは、2026年の州間飲食業協約(DOGCに掲載、2026年3月23日)が、cocineroをウェイターやバーテンダーと同じレベルIII、グループD(バー・レストラン)に分類しており、月€1,607.25(14回払い)です。私たちが確認した資料の範囲では、jefe de cocina単独のより高い数字は見つからなかったため、この提示額を決める前に、税理士・社労士(gestoría)または公式のREGCON登録簿で確認してください。

これから育てるのではなく、寿司や和食の訓練を受けた人材として採用する日本人料理人であれば、これらの協約の下限を上回る提示額を想定すべきです。スペインの給与が国際的にどう比較されるかは国別の給与ガイドをご覧ください。

6. ワーキングホリデー:より早い最初の一歩

スペインと日本は2017年7月1日にワーキングホリデー制度を開始しました。参加者は18〜30歳で、最長1年滞在でき、スペインの法律の範囲内で旅行資金を補うために働くことができます。外務省は現在、年間の発給上限を700件としています。飲食店にとって、ワーキングホリデーの料理人は労働市場テストなしで合法的に雇える人材ですが、一時的なものです。引き続き雇いたい場合は、1年が終わるかなり前から求人登録ルートを始めてください。国内から切り替えることはできず、新規採用と同じ手続きを一から踏むことになります。スペインの制度が欧州の他国とどう比べられるかは、欧州のワーキングホリデーガイドをご覧ください。

7. 逆算スケジュール

最初の求人登録から料理人が働き始めるまで、数週間ではなく数か月を見込んでください。

時期やること
7〜8か月前正確な求人を作成し、Empléateと地域の雇用サービスに登録する。
7〜8か月前+8日人材不足証明書が発行できる状態か、何が必要かを雇用サービスに確認する。ここは思い込みではなく、必ず現地で確認するステップ。
6〜7か月前契約書、証明書、添付書類とともに居住・就労許可を申請する。
3〜4か月前行政当局の決定(規則上は最長3か月。余裕を見込む)。
2〜3か月前許可から1か月以内に、労働者がスペイン領事館でビザを申請する。
到着滞在の手続きを済ませ、勤務を開始する。

並行してワーキングホリデーでの採用を進め、迎えたい候補者についてはワーキングホリデーの1年が終わる少なくとも3か月前からスポンサー採用の手続きを始めておけば、どちらの場合も厨房に空白を作らずに済みます。

変わる数字:充足困難職種カタログは四半期ごとに改定されます。SMIは毎年1月に勅令で定められます。マドリードの協約数字は2024年の給与表がultraactividadで継続適用されているもので、新しい協約が締結されれば変わる可能性があります。次回確認:次の申請前、遅くとも2027年1月。

よくある質問

飲食店の料理人はスペインの充足困難職種カタログに載っていますか。

載っていません。カタログに載っている料理人は、沿岸部の県とリェイダ、マドリードのcocineros de barco(船の料理人)だけです。飲食店の料理人やシェフはスペインのどこにも掲載されていないため、雇用主はカタログの適用除外ではなく求人登録ルートを使う必要があります。

求人登録から申請できるようになるまで、掲載にはどのくらいかかりますか。

この手続きを扱う専門家は、雇用サービスが人材不足証明書を発行できるようになるまで、Empléateでの掲載が最低でもおよそ8日間必要だとしていますが、これを公式のSEPEのページで直接確認することはできませんでした。頼る前に、正確な期間と発行される証明書を地域の雇用サービスに確認してください。

マドリードやバルセロナでcocineroやjefe de cocinaにはいくら払うべきですか。

マドリードの2024〜2026年の飲食業協約では、cocineroは店舗クラスに応じて月€1,160.37〜€1,283.83、jefe de cocinaは€1,250.91〜€1,415.47で、いずれも協約手当や食事手当を含みません。バルセロナの2026年協約ではcocineroがレベルIII、グループDに分類され月€1,607.25ですが、jefe de cocina単独の数字は確認できず、REGCONでの確認をおすすめします。腕のある日本人料理人には、これらの下限を上回る提示をすべきです。

求人登録から料理人の勤務開始まで、全体でどのくらいかかりますか。

数か月を見込んでください。掲載と証明書取得のステップ、行政当局の決定に最長3か月、その後のビザの手続きです。現実的には、求人作成から料理人の到着まで7〜8か月を見込みましょう。

ワーキングホリデーの料理人は、スペイン国内でそのままスポンサー許可に切り替えられますか。

ワーキングホリデーの資格から直接切り替えることはできません。ワーキングホリデーで来た人を引き続き雇いたい場合は、1年の滞在が終わるかなり前からその人のために求人登録ルートを始めてください。新規採用とまったく同じ手続きを踏むことになります。

本記事は2026年9月に公的情報源をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民に関する助言ではありません。カタログは四半期ごとに変わり、本記事の一部の数字(8日間の掲載期間、バルセロナのjefe de cocinaの水準)は、直接確認できた公式ページではなく専門家の解説によるものです。手続きは県によって異なります。実行前に管轄の外国人事務所(Oficina de Extranjería)、地域の雇用サービス、または専門家に確認してください。

出典

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