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海外の日本食レストラン数は18.1万店:農水省2025年調査で初の減少

2013年からの推移、国別トップ10、地域別の増減、海外在留邦人数、和食調理人の認定者数。よく出回っている「18.7万店」は2023年の数字です。

最終更新 2026年9月21日 WashokuJob

目次

  1. 2025年調査の結論
  2. 出回っている「18.7万店」は2023年の数字
  3. 2013年からの推移(地域別)
  4. 国別トップ10と増減
  5. 地域ごとに何が起きたか
  6. 海外在留邦人数との関係
  7. 和食調理人の認定者数
  8. 採用・出店の実務にどう効くか

農林水産省は2年ごとに「海外における日本食レストラン数」を調査しています。最新は2025年(令和7年)調査で、2025年11月28日に公表されました。この記事は、その公表資料の数字をそのまま整理したものです。

1. 2025年調査の結論

海外の日本食レストランは約18万1,000店。2023年調査の約18万7,000店から約6,000店の減少で、2013年に調査が始まって以来はじめての減少です。

減少の大半は一国で説明がつきます。中国が63,500店で、2023年から15,260店の減少。世界全体の純減6,000店より大きい減少幅なので、中国以外はむしろ増えている、という構造です。

2. 出回っている「18.7万店」は2023年の数字

この点は注意が必要です。「海外の日本食レストランは18.7万店」「2年で2割増」という記述が、2026年時点でも複数のメディアや資料に残っています。これは2023年(令和5年)調査の数字です。農水省の公表PDFは、約18.7万店(2023)→ 約18.1万店(2025)と明記しています。資料や営業トークで「18.7万店・増加中」と言っている場合、1回分の調査サイクル分だけ古い情報です。

3. 2013年からの推移(地域別)

単位は店舗数。農林水産省の推移表より。外務省の在外公館調査をもとに農水省が集計しています。

調査年アジア北米欧州(ロシア含む)中南米大洋州中東アフリカ合計
2013(平成25)27,00017,0006,7002,90070025015055,000
2015(平成27)45,30025,10012,4003,1001,85060030089,000
2017(平成29)69,30025,30014,6004,6002,400950350118,000
2019(令和元)101,00029,40014,8006,1003,4001,000500156,000
2021(令和3)100,90031,20016,4006,1002,5001,300700159,000
2023(令和5)122,00028,60019,40012,9002,5001,300690187,000
2025(令和7)112,40029,40019,20015,3002,8001,600800181,000

2013年から2025年で3.3倍。ただし曲線はなめらかではありません。2013〜2019年に急拡大、2019〜2021年は横ばい(コロナ禍)、2023年に再び増加、そして2025年に初の縮小、という形です。

4. 国別トップ10と増減

農水省は10の位で丸めており、香港・マカオは中国と別集計です。

2025年2023年からの増減
中国63,500−15,260
米国26,360+320
韓国19,800+1,590
メキシコ7,430+310
台湾7,100−340
インドネシア6,580+2,580
タイ5,920+590
ブラジル4,520+1,670
フランス3,390−1,290
カナダ3,080+470

5. 地域ごとに何が起きたか

6. 海外在留邦人数との関係

外務省「海外在留邦人数調査統計」(2025年10月1日現在、2025年12月25日公表)によれば、海外在留邦人は1,298,170人。前年の1,293,097人とほぼ同数です。

区分人数前年比
長期滞在者709,684人(54.7%)−0.4%
永住者588,486人(45.3%)+1.4%

国別上位は米国416,380人、オーストラリア105,566人、中国92,928人、カナダ75,316人、タイ72,113人、英国62,270人。都市別ではロサンゼルス63,972人、バンコク51,297人、ニューヨーク38,251人、シンガポール33,397人、上海31,733人。

構成の変化が示唆的です。企業駐在が中心の長期滞在者は減り、永住者は増えている。海外の日本人社会は、流動的というより定住的になりつつあります。採用の観点では、すでに現地就労資格を持つ日本人の層が厚くなっているということでもあります。

7. 和食調理人の認定者数

農林水産省は2016年4月1日付のガイドライン(2024年4月1日改正)で「海外における日本料理の調理技能認定制度」を運用しています。ゴールド(実務経験おおむね2年)、シルバー(調理師学校卒業またはおおむね1年の実務)、ブロンズ(短期講習受講)の3区分です。

農水省サイトに記載された2026年3月31日時点の認定者数は、ゴールド28名、シルバー1,337名、ブロンズ2,611名、計3,976名

海外18万1,000店に対して認定者3,976名。おおむね45店に1人、ゴールドに至っては世界で28人です。

なお、しばしば混同されますが、「海外日本食レストラン認証」という制度は現在存在しません。2000年代半ばに農水省が検討した店舗の推奨スキームは批判を受けて取り下げられ、現在あるのは上記の人に対する調理技能認定です。資料に書く際は区別してください。

8. 採用・出店の実務にどう効くか

本記事の数字は各公的機関が公表した値をそのまま引用したものです。調査は2年ごと、あるいは年次で更新されます。実務で使う前に下記の一次情報をご確認ください。

出典

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