就労ビザ

豪州の地方ビザで料理人を雇う:494とDAMA

シドニー、メルボルン、ブリスベン以外の飲食店が、サブクラス494やDAMAで料理人をスポンサーする方法。料理人と雇用主それぞれの要件と、通常の482のほうが適している場合を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 「地方」に含まれる地域
  2. 494のリストにおけるシェフとコック
  3. 494で料理人に求められる要件
  4. 雇用主がすべきこと
  5. 494と482の比較
  6. DAMA:地域別の労働協定
  7. ルートの選び方

オーストラリアで料理人をスポンサーする飲食店の多くは、Skills in Demandビザ(サブクラス482)を使います。シドニー、メルボルン、ブリスベン以外の地域では、さらに2つの選択肢があります。地方雇用主スポンサービザ(Skilled Employer Sponsored Regional (Provisional)、サブクラス494)と、指定地域移住協定(Designated Area Migration Agreement、DAMA)です。どちらも永住権につながり得ますが、雇用主に求める内容は482より重い部分と軽い部分があります。本記事では、2026年9月時点の内務省(Department of Home Affairs)のページと施行中の法令をもとに、日本食レストランの立場から両者を比較します。通常の482の手続きはオーストラリアで日本人料理人を雇うをご覧ください。

1. 「地方」に含まれる地域

494について、内務省は指定地方地域をシドニー、メルボルン、ブリスベンを除くオーストラリア全域と定めています。パース、アデレード、ゴールドコースト、ホバート、ダーウィンなど、日本食レストランが営業する多くの都市が含まれます。パースやゴールドコーストに店があれば、地方向けのルートを使えます。現地市場についてはパース・ブリスベン編ゴールドコースト編で解説しています。

494の保持者は指定地方地域でのみ居住・就労・就学でき、スポンサー雇用主のもとで指名された職種でしか働けません。後から料理人をシドニーの店舗に異動させたいと考えても、このビザではできません。

2. 494のリストにおけるシェフとコック

494の指名で使える職種は、別の告示LIN 19/219で定められています。2024年12月14日時点の編纂版では次のとおりです。

どちらのリストも494の指名に使えるため、いずれのコードでも申請できます。告示そのものは、シェフにもコックにも店舗形態に関する条件を付けていません。482では、シェフとコックに工場での大量生産と限定サービス型レストランを除外する但し書き(caveat)が付いている点と異なります。ただし抜け道と考えないでください。ポジションは実体があり、その職種のスキルレベルに見合うものである必要があり、内務省はANZSCOの職務内容と照らし合わせて確認します。

3. 494で料理人に求められる要件

494は、労働者にとって482より条件が厳しいビザです。内務省が雇用主スポンサー枠について挙げる要件は次のとおりです。

日本人料理人の場合、可否を分けるのは3年の経験要件と英語レベルです。期間、職務内容、勤務時間を記した在職証明を早めに集めてください。書類の準備は在職証明の翻訳ガイドで解説しています。

4. 雇用主がすべきこと

5. 494と482の比較

494(雇用主スポンサー枠)482 コアスキル枠
料理人が働ける場所指定地方地域のみオーストラリア全域
シェフの経験フルタイム3年1年
技能審査必要(限られた例外あり)日本国籍者は必須ではない
給与の下限(2026〜27年度)TSMIT A$79,423とAMSR(地域認証機関が確認)CSIT A$79,423とAMSR
SAF課徴金(売上A$1,000万未満)一括A$3,000年A$1,200
ビザの期間5年最長4年
永住権への道3年後にサブクラス191サブクラス186(186のガイド参照)

まとめると、494は3年の経験と英語の基準を満たしていることが分かっている上級の料理人で、長く残りたいと考えている人に向いています。若い料理人や英語が得意でない料理人には、通常は482のほうが早く進みます。

6. DAMA:地域別の労働協定

DAMAは、オーストラリア連邦政府と地域の当局が結ぶ協定です。対象地域の雇用主はまず地域の機関から推薦(エンドースメント)を受け、次に内務省と労働協定を結び、そのうえで通常の制度では認められない緩和措置付きで労働者を指名できます。DAMAは複数あり、それぞれ職種リストと緩和措置が異なります。本記事では、その一例としてノーザンテリトリー(NT)のDAMAを詳しく確認しました。

NT DAMA IIIは2025年3月19日に締結されました。NT政府のページによると次のとおりです。

40代後半で英語に不安のある日本人料理人の場合、この緩和措置がビザの可否を分けることがあります。店舗がほかのDAMA地域にある場合は、その地域のリストを確認してください。NT以外については確認しておらず、内容は地域ごとに異なります。

DAMAを使うと、地域の推薦という手順が一つ増え、遵守すべき労働協定も加わります。料理人が通常の要件、多くの場合は年齢か英語を満たせないときに使う価値があります。482や494の通常要件を満たしているなら、通常のルートのほうがシンプルです。

7. ルートの選び方

  1. 店舗がシドニー、メルボルン、ブリスベンの外にあることを確認する。
  2. 料理人が494の基準を満たすか確認する。45歳未満、フルタイム3年、Competent English、技能審査。4つとも満たし、永住を重視するなら494を検討する。
  3. 年齢か英語が足りない場合は、自店の地域をカバーするDAMAがあり、シェフかコックが掲載されているかを確認する。
  4. どれにも当てはまらなければ482を使い、186への移行を計画する。雇用主指名(186)のガイドを参照。
  5. オファーを出す前に、SAF課徴金、地域認証機関の評価、労働市場テストの費用を予算に入れる。

本記事は、2026年9月にオーストラリア内務省、連邦法令登録簿、ノーザンテリトリー政府の公式情報で確認した一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。基準額は毎年7月1日に改定され、DAMAの条件は地域ごとに異なります。実際の手続きの前に、内務省、該当するDAMAの窓口、または登録移民エージェントに確認してください。

出典

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