アジア・オセアニア

インドで日本人料理人を雇う:就労ビザの給与基準

就労ビザの給与下限162.5万ルピー、エスニック料理人の適用除外が飲食店に使えない理由、日本国籍者向けの3年ビザ、基準を満たす待遇の組み立て方を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 小さいが急成長する市場
  2. 給与基準と、飲食店には使えない料理人の適用除外
  3. 外国人専門料理人(foreign specialist chefs)
  4. 日本国籍者に対する特例
  5. 入国後:登録と延長
  6. 待遇パッケージの組み立て方
  7. 手順

インドには外国人料理人向けの簡単なルールがある、つまり「エスニック料理人(ethnic cooks)」は就労ビザの給与下限の対象外だ、という話を耳にするかもしれません。このルールは実在しますが、一般に考えられているより適用範囲が狭く、商業的な飲食店はその恩恵を受けられません。本記事では、内務省(MHA)の文書が実際に何を定めているか、日本国籍者向けの別の規定、そして基準を満たすオファーの組み立て方を解説します。

1. 小さいが急成長する市場

在留邦人の構成は重要です。永住者が406人しかいないため、採用対象となり得る定住した日本人はごくわずかです。料理人は日本、または他国の日本食レストランから来るものと想定し、最初から就労ビザ(Employment visa)を前提に計画してください。

2. 給与基準と、飲食店には使えない料理人の適用除外

内務省が公表しているインドのビザの詳細では、就労ビザは高度な技能や資格を持つ専門職の外国人向けとされています。資格を持つインド人がいる職や、定型的・一般的な職、秘書・事務職には発給されません。

給与については具体的な定めがあります。どの分野であれ、就労ビザのスポンサーを受ける外国人の総支給額は年162.5万ルピー(Rs 16.25 lakh)を超える必要があります。古い2万5,000米ドルという数字が今も引用されることがありますが、内務省の文書ではルピー建ての金額が使われています。

162.5万ルピーの計算方法は、雇用主にとって有利な面があります。

つまり、雇用主が提供する住居も、契約書で金額が示され、税務上給与として扱われていれば基準額に算入できます。

次に適用除外です。給与下限は一部の区分には適用されず、そのリストの最初にあるのが「在インド外国公館に雇用されるエスニック料理人」です。ただし条文には括弧書きで、商業的事業に雇用されるエスニック料理人には適用されないと付記されています。大使館や高等弁務官事務所の料理人は対象外になりますが、飲食店の料理人は対象外になりません。

エスニック料理人の適用除外があるので、日本人料理人は給与下限を下回っても就労ビザでインドに来られる、と言われたら、雇用主が外国の外交公館かどうかを確認してください。飲食店であれば、162.5万ルピーの下限が適用されます。

3. 外国人専門料理人(foreign specialist chefs)

同じ内務省の文書には、就労ビザの対象となるその他の外国人が列挙されています。その一つが外国人専門料理人(foreign specialist chefs)で、商業的事業に雇用される専門料理人には年162.5万ルピーの最低給与が適用される、との注記があります。

これは飲食店にとって2つのことを意味します。第一に、料理人はそれ自体で対象となる区分であり、技術者向けに書かれたルールに料理人を当てはめようとしているわけではありません。第二に、可否を決めるのは給与下限です。資格を持つインド人にはできない職であるという要件とあわせ、申請書では、その職務になぜ和食の訓練を受けた専門家が必要なのか、つまり技術、メニュー、インド人チームの育成について説明するとよいでしょう。

4. 日本国籍者に対する特例

内務省の文書には「日本国籍者への就労ビザ発給に関する特則」という項目があります。インドの企業・団体・産業(IT分野と政府間の枠組みを除く)で働くために来る、高度な技能と資格を持つ日本人の専門職には、3年間の数次入国の就労ビザが発給されます。

日本国籍者向けのその他の規定は次のとおりです。

他の多くの国籍の人は、一般の就労ビザは最長2年または赴任期間のいずれか短いほうです。そのため日本人料理人は、同じ職に就く第三国の料理人などより長い当初ビザを得られます。

5. 入国後:登録と延長

就労ビザの有効期間が180日を超える場合、保有者は到着から14日以内に外国人地域登録事務所(FRRO)または外国人登録事務所(FRO)に登録しなければなりません。延長はFRRO/FROが扱い、最初の就労ビザの発給日から通算5年まで可能です。

内務省の文書によれば、就労ビザは特定の場合を除き他のビザへの切り替えができません。料理人が渡航する前にビザの種類を正しく決め、手続き中だからといって商用ビザや観光ビザで働き始めさせることのないようにしてください。

6. 待遇パッケージの組み立て方

住居は契約書で金額を示せば基準額に算入できるため、インドで日本人料理人を雇う場合、現金給与と住居を組み合わせ、住居の金額を書面で示す形が合理的な構成の一つです。オファーで決めておくべき項目は次のとおりです。

計算を確認してください。現金と金額換算した現物給付の合計が、年162.5万ルピーを超えている必要があります。詳しくは赴任パッケージ契約条項のガイドをご覧ください。現地スタッフの育成のガイドでは、この職務の指導面を扱っており、専門家が必要な職であるという説明の裏付けにもなります。

7. 手順

  1. 職務を専門料理人のポジションとして設定し、なぜ和食の訓練が必要なのかを書面にまとめる。
  2. 現金と金額換算した現物給付の合計が年162.5万ルピーを超えるよう、待遇を組み立てる。
  3. 日本国内と、海外で働く日本人料理人の中から探す。
  4. 実技テストを含めて面接する。リモートでの実技テストのガイドを参照してください。
  5. 現物給付の金額を明記した契約書を交付する。
  6. 料理人が日本から就労ビザを申請する。
  7. ビザが180日を超える場合、到着から14日以内にFRRO/FROに登録する。

本記事は2026年9月に公的情報源から収集した一般的な情報であり、法律・移民手続きに関する助言ではありません。ここで引用した内務省のビザに関する文書は2018年2月に公表されたもので、現在も同省のウェブサイトに掲載されています。インドのビザ規則や手続きは変更されるため、行動する前にインドの在外公館または入国管理局(Bureau of Immigration)に現状を確認してください。

出典

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