英国・欧州

オランダで日本人シェフを雇う:アジア料理人措置の終了後

2024年7月1日以降、アジア人料理人もほかの非EU労働者と同じ基準で審査されます。UWVの条件、2026年の高度技能移民の基準額、ワーホリの制限、最低賃金を解説。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 要点のまとめ
  2. アジア料理人向け特別措置はどうなったか
  3. 標準ルート:GVVAとTWV
  4. 高度技能移民:シェフの給与が十分に高い場合
  5. ワーキングホリデー
  6. 最低賃金とルールが求める給与
  7. かつての「日本人の免除」について
  8. 手続きの流れ

オランダのアジア料理店には長年、料理人を呼び寄せるための独自の措置がありました。その措置はすでに終了しています。2024年7月1日以降、日本人料理人はほかの非EU労働者と同じ基準で審査され、申請前に欧州域内で3か月間の採用活動を行う必要があります。本記事では、何が変わったのか、標準ルートで何が求められるのか、そして高度技能移民制度が現実的な選択肢になるのはどんな場合かを解説します。

1. 要点のまとめ

ルート向いている人主な条件(2026年)
単一許可(GVVA)または就労許可(TWV)、通常の職ほとんどの料理人申請の5週間以上前にUWVへ欠員を届け出る。EU/EEAとスイスで3か月以上の人材探し。許可の有効期間は最長2年
高度技能移民高給のヘッドシェフ雇用主がINDの認定スポンサーであること。月額総支給額€5,942以上(30歳以上)または€4,357以上(30歳未満)
ワーキングホリデー18〜30歳の料理人1年。日本の枠は年200人。就労は臨時的なもののみ

農林水産省の調査では、オランダの日本食レストランは2023年から2025年にかけて約370店増えました。同じ料理人を奪い合う店が増え、新たに呼び寄せるルートは狭まっている。以下の内容は、すべてこの状況を前提にしています。

2. アジア料理人向け特別措置はどうなったか

就労許可を発行するオランダの被用者保険機関UWVは、アジア料理店向けのページで、2024年7月1日以降、アジア人料理人の雇用申請は「通常の職の就労許可申請と同じ方法で」(当サイト訳)審査されていると説明しています。アジア系飲食業向けの従来の業界別措置は、もう適用されません。

実務上は次のことを意味します。

アジア人料理人の受け入れ枠、アジア料理店の研修義務、業界向けの特別協定(covenant)などに触れた古い解説を読んだ場合は、日付を確認してください。2026年9月時点で、UWVのページには通常の職の標準ルールが適用されると書かれています。

3. 標準ルート:GVVAとTWV

3か月を超える滞在の場合、通常、雇用主が移民帰化局(IND)に滞在・就労の単一許可(GVVA)を申請します。GVVAは滞在許可と就労許可(TWV)を一体化したもので、就労許可の部分はUWVが担当します。通常の職についてUWVが適用する条件は次のとおりです。

  1. 許可申請の少なくとも5週間前にUWVへ欠員を届け出る
  2. さまざまな媒体を使い、EU/EEAまたはスイスで少なくとも3か月間適格な候補者を探し、それを証明する書類を残す。
  3. ポジションに見合った給与を支払い、毎月労働者の銀行口座に振り込む。
  4. 労働者のために安全で清潔な住居を用意し、その種類をUWVに説明できるようにしておく。
  5. 違反歴がないこと:申請前5年間に労働法違反で罰金を科されていないこと。
  6. 労働者は18歳以上で、仕事は通常のポジションであること。

許可の有効期間は最長2年です。有償就労のための単一許可申請のIND手数料は、2026年で€423です。

本当のコストは3か月の人材探しです。計画に組み込んでおきましょう。きちんとした職務記述書を作り、オランダ語と英語で少なくとも2つの媒体に広告を出し、応募者全員について適格かどうかとその理由を記録します。寿司職人の求人票は良い出発点になります。求められる技能を具体的に書いておけば、EUの一般的な料理人ではなぜ合わないのかをUWVに理解してもらう助けにもなるからです。

4. 高度技能移民:シェフの給与が十分に高い場合

オランダの高度技能移民(kennismigrant)制度では、別途の就労許可は不要で、INDの説明ページにも労働市場テストは定められていません。審査されるのは給与とスポンサーの資格です。申請できるのはINDの認定スポンサーだけで、給与は所得要件を満たし、かつ同じ職の平均的な給与に見合っている必要があります。

INDの所得要件(2026年1月1日から)月額総支給額
高度技能移民、30歳以上€5,942
高度技能移民、30歳未満€4,357
軽減基準(最近の卒業生)€3,122
EUブルーカード€5,942
EUブルーカード、軽減基準€4,754

€5,942という基準額は、2026年7月の最低賃金で週40時間働いた場合の月給(約€2,600)のおよそ2.3倍ですが、高級店のエグゼクティブシェフであれば不可能な水準ではありません。また、見落とせない点があります。30歳未満の候補者の基準額は月€1,585低いのです。カウンターで10年の経験を積んだ28歳の優秀な寿司職人なら、35歳では届かない場合でも手が届く可能性があります。

2026年の費用:スポンサー認定は€5,080、従業員50人以下の事業者は€2,539です。高度技能移民の申請自体は€423です。

5. ワーキングホリデー

オランダと日本は2020年からワーキングホリデー制度を実施しています。INDによれば、概要は次のとおりです。

つまり、ワーキングホリデーの参加者に厨房を手伝ってもらうことはできますが、12か月間フルタイムの寿司職人として働いてもらうことはできません。候補者と出会う機会と位置づけ、引き続き雇いたい人がいれば正式な許可を申請しましょう。また200人という枠は、たとえば英国の6,000人と比べると少数です。

6. 最低賃金とルールが求める給与

オランダの21歳以上の労働者の法定最低賃金は、2026年1月1日から時給€14.71、2026年7月1日から€14.99です。これは、ワーキングホリデー参加者を含め、雇用するすべての人に適用される法定の下限です。

許可を得るには、UWVはポジションに見合った給与を求めており、飲食業では通常、該当する労働協約の職務等級の水準を意味します。このような区分でのオランダの料理人の公式な賃金中央値は見つからなかったため、ここでは数字を挙げていません。オランダの給与の国際比較は国別の給与ガイドをご覧ください。

7. かつての「日本人の免除」について

古い記事のなかには、歴史的な通商条約により、日本国籍者は就労許可なしでオランダで働けると書かれているものがあります。現在のINDやUWVのページで、そのような免除を説明しているものは見つかりませんでした。また当時、移民法を扱う法律事務所は、この免除が2017年1月1日から廃止されたと報じています。日本人料理人にもほかの非EU国籍者と同じ就労許可が必要だという前提で計画し、候補者が違うことを言う場合はINDに確認してください。

8. 手続きの流れ

  1. ルートを決める。通常のGVVA、高度技能移民(給与が基準額を超える場合)、または最初のステップとしてのワーキングホリデー。
  2. 通常ルートの場合は、UWVに欠員を届け出て、記録を残しながらEU域内で3か月の人材探しを始める。広告は少なくとも2つの媒体に出す。
  3. 「安全で清潔」の基準を満たす住居を確保する。
  4. 職務等級と労働協約に沿った給与で契約書を用意する。
  5. INDに申請する(欠員の届け出から少なくとも5週間後)。
  6. 到着後、料理人を自治体に登録し、受け入れを進める。日本から来る料理人の受け入れをご覧ください。

近隣国との比較は、ドイツフランスのガイドをご覧ください。すでに欧州にいる日本語を話す料理人に求人を届けるには、WashokuJobに求人を掲載してください。

本記事は2026年9月に公的情報源をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民に関する助言ではありません。オランダの基準額は毎年1月と7月に改定されます。実行前にINDとUWVのページで確認してください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。