英国・欧州

ノルウェーで日本人料理人を雇う:熟練労働者の許可

ノルウェーの熟練労働者の許可は資格が鍵。3年の職業訓練か、約6年の実務経験が必要です。日本人料理人への当てはめ方と、給与・勤務時間・許可期間を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. ルートは「熟練労働者」の居住許可
  2. 日本人料理人は「熟練労働者」にあたるか
  3. 求人・勤務時間・給与の条件
  4. 料理人の申請が厳しく見られる理由
  5. 許可の期間
  6. オスロの厨房を支えるほかの方法
  7. チェックリスト

ノルウェーには、スウェーデンのような一般の熟練労働者向けの給与基準額はなく、調理師を対象とした人手不足職種リストもありません。問われるのは別の点です。その料理人が、ノルウェー移民局(UDI)の言う熟練労働者(skilled worker)であることを証明できるかどうか。長期の職業訓練課程ではなく現場で修業を積んだ日本人料理人の場合、ここに手間の大半がかかります。

1. ルートは「熟練労働者」の居住許可

ノルウェーの飲食店で働く日本人には居住許可が必要です。ノルウェー政府の新規移住者向け情報サイト(Ny i Norge)は、主なルートを次のようにまとめています。高等教育または職業教育を修了した人は熟練労働者の居住許可を申請でき、通常は内定が必要です。詳しい条件はUDIの熟練労働者のページに掲載されています。

2. 日本人料理人は「熟練労働者」にあたるか

UDIが認める資格は3種類で、料理人はそのいずれかを満たし、かつ資格が職務に関連している必要があります。

資格UDIの要件日本人料理人への当てはまり方
職業訓練後期中等教育レベルで3年以上の職業訓練課程を修了し、ノルウェーに対応する課程があること料理人が受けた調理学校の訓練の期間と内容を、この基準と照らし合わせて確認する
高等教育大学またはユニバーシティ・カレッジの学位を修了していること厨房の職務ではあまり関係しない
特別な資格長年の職務経験(講習や教育と組み合わせる場合も含む)で得た、後期中等教育の職業教育と同等の能力。原則として6年以上の実務経験日本の厨房で修業した料理人にとって、現実的なルートになることが多い

多くの板前は、正式な3年課程よりも、親方のもとで何年も働くことで技術を身につけています。そうなると「特別な資格」のルートが中心になり、申請の成否は経験の証拠次第です。日本での勤務先ごとに、在籍期間、役職、職務内容を記した在職証明書を集め、翻訳を用意してください。農林水産省の調理技能認定は経歴の裏づけにはなりますが、ノルウェーの資格ではありません。詳しくは農林水産省の調理技能認定のガイドをご覧ください。

職務そのものが熟練労働者の資格を必要とするものでなければなりません。洗い場や仕込みだけのポジションは、応募者の経験がどれほど豊富でも対象になりません。職務内容は、主張する水準に合わせて正直に記載してください。

3. 求人・勤務時間・給与の条件

ノルウェーには一般的な最低賃金はありませんが、宿泊・飲食業は労働協約の賃金が法的に適用される9業種のひとつです。ノルウェー労働監督局は、陸上のホテル・レストラン・ケータリングで働く20歳超の労働者(または経験4か月以上の18歳以上)の初任給として時給NOK 204.79(2025年6月15日から)を示しています。これは全従業員に適用される法定の下限であり、日本から来る熟練料理人の給与の目安ではありません。熟練労働者の許可では、ノルウェーで経験ある料理人に通常支払われる水準を提示してください。

料理人が後に職を失った場合、UDIは許可が有効な間、最長6か月間は新しい仕事を探すために滞在することを認めています。

4. 料理人の申請が厳しく見られる理由

UDIは、シェフを、自動車整備士、大工、塗装工、れんが職人、美容師と並ぶ少数の職種のひとつとして明示し、バングラデシュ、中国、インド、イラン、コソボ、ネパール、パキスタン、トルコ、ベトナムの9か国で発行された学歴などの書類に追加の確認を行うとしています。日本はこのリストに含まれていません。またUDIのページでは、料理人(cook)が処理に時間がかかりうる職種の例としても挙げられています。

実務上の教訓は、ノルウェーでの料理人の申請は細かく読まれるということです。確認可能な明確な日本の書類と、それに合った職務記述が、遅延を防ぐいちばんの対策です。

5. 許可の期間

ポジションが後期中等教育レベルの職業訓練を必要とする場合、UDIは1回あたり最長1年の許可を出します。大学の学位を必要とするポジションは最長3年です。料理人の採用では多くの場合、毎年の更新を前提に計画し、期限を必ず記録してください。

6. オスロの厨房を支えるほかの方法

外務省の統計では、2025年10月1日時点でノルウェー在留の日本人は1,769人、うち909人が永住者です。オスロ単独の数字は公表されていません。コミュニティは小さく、オスロの日本料理店が現地在住の日本人から安定して応募を得ることは期待しにくいでしょう。

日本とノルウェーの間には2013年からワーキングホリデー制度があり、外務省は年間の定員を設けていないとしています。ワーホリの人材は繁忙期の穴を埋められますし、力を発揮した人は、経験がUDIの基準を満たせば後に熟練労働者の許可を得られる可能性もあります。全体像は欧州のワーキングホリデーのガイドで解説しています。もうひとつの手段は、日本人の料理長のもとで現地の料理人を育てることです。現地スタッフへの和食トレーニングをご覧ください。

7. チェックリスト

  1. 候補者に合う資格ルートを決める(職業訓練、または関連する6年以上の経験)。
  2. 日本での在職証明書と訓練の書類を、日付入りで翻訳とともに集める。
  3. 本当に熟練した料理人を必要とする職務記述を作る。
  4. フルタイム(80%以上)で、宿泊・飲食業の最低額を上回るノルウェーの通常水準の給与を提示する。
  5. 審査期間に余裕を見て、職業訓練レベルの許可は毎年の更新を計画する。

契約条件や転居費用については雇用契約のチェックリスト転居パッケージのガイドをご覧ください。経験豊富な日本人料理人に求人を届けたい場合は、WashokuJobに求人を掲載できます。

本記事は2026年9月時点で公的機関の情報をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。UDIは申請を個別に審査します。申請前にudi.noで最新の要件を確認してください。

出典

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