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パリで日本人料理人を採用する:人手不足リストと給与

料理人はイル=ド=フランスの人手不足職種リストに入っており、パリの雇用主は通常求人公開期間を省略できます。役職別のHCR給与表、10,037人の在留邦人、農林水産省のレストラン減少データから分かること・分からないこと、ワーキングホリデー料理人の月次切り替え計画。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

2025年5月21日付アレテのもと、料理人はホテル・ケータリング職と並んでイル=ド=フランス地域圏の人手不足職種リストに入っており、パリの雇用主は通常、France Travailでの3週間の求人公開を省略できます。給与はSMIC(2026年6月から月額€1,867.02)を上回る水準にし、HCR労働協約ではパリの料理人(cuisinier)はおよそ€1,900〜2,000、料理長(chef de cuisine)は€2,184〜2,336が目安です。まずは10,037人のパリ在住日本人の中から現地採用を試み、ワーキングホリデー料理人の在留資格切り替えは11か月目ではなく9か月目から始めてください。

このページは、すでにパリで営業している飲食店に採用する場合の、現地の人材、人手不足リスト、給与、採用の日程を扱います。全国共通の手続き、タレント・パスポート、PVTの条件はフランスのガイドで一通り解説しているため、ここでは要点のみです。日本の本部がパリへの新規出店を計画し、日本から誰を送るか検討している場合は、パリ出店:誰をいつ送るかをご覧ください。企業内転勤のルートはそちらで扱っています。

目次

  1. 数字で見るパリ
  2. イル=ド=フランスの人手不足職種リスト:決着
  3. 給与:SMICだけでなくHCRの等級
  4. 日本から呼ぶ前に、パリで採用する
  5. ワーキングホリデー料理人の切り替え
  6. パリでの採用プラン

1. 数字で見るパリ

この最後の数字はかなり大きな減少で、2023年の店舗数の4分の1を超えます。何が言えて何が言えないかを正確にしておく価値があります。農林水産省の発表は、2025年の世界全体の減少について中国の景気減速をあげており、アジアの減少の大半はそれで説明されていますが、フランスに固有の理由には触れておらず、レストランの業態(高級店、カジュアル、ラーメン、テイクアウトなど)別の内訳もありません。同じ調査で他の西欧諸国は逆方向に動いており、英国とドイツは店舗数が増え、イタリアの減少はより小さい規模(約300店)でした。これは、フランスの減少が地域全体の傾向だけでは説明できないことを示しています。2023年と2025年の調査で数え方が変わったという記載も見当たらなかったため、統計上の見かけではなく実際に営業店舗数が減ったと見なしていますが、その理由自体は農林水産省も説明していない点は明記しておきます。

パリの事業者にとって誠実な読み方は、3年前より競合は減ったが、それが弱い店が閉店したため(実力のある厨房にはより余地があるという見方を支持する)なのか、業態全体が縮んだため(そうではない)なのかは、この数字だけからは分からない、ということです。いずれにせよ、バイリンガル人材と目の肥えた客層を支える在留邦人コミュニティも同じくらいの速さで縮小しているため、両方の数字を、2023年より採用に手間がかかるようになったサインとして受け止めてください。

2. イル=ド=フランスの人手不足職種リスト:決着

フランスの標準的なルートでは、雇用主は申請前の6か月以内に、France Travailで3週間連続して求人を公開し、適格な応募者がいなかった場合にのみ手続きを進められます。ただし、その職種が地域圏の人手不足職種リスト(métiers en tension)に入っていれば、この手順は免除されます。

現行のリストは2025年5月21日付のアレテで定められています。2026年9月時点で確認したところ、このアレテの地域圏別の詳細を扱う業界メディアの報道によれば、イル=ド=フランスの附属書には職種コードが2つだけ、S1Z40(料理人、cuisiniers)とS2Z60(ホテル従業員、employés de l'hôtellerie)が挙げられています。ほとんどの地域圏が5つの職種区分を維持しているのに比べると短いリストで、同じ報道はこれをフランスの飲食業界が想定していたより少ないと指摘しています。これはLégifrance上の附属書そのものではなく、業界メディアがその内容を報じたものを根拠にしています。確認した時点でLégifranceの附属書自体にはアクセスできなかったためです。実際の申請でこの点が結果を左右する場合は、専門家に最新の附属書を直接取り寄せてもらってください。

その留保付きで実務的な答えを言えば、パリの飲食店であれば料理人はほぼ対象に含まれており、通常はFrance Travailでの3週間の求人公開を省略できます。ただしリストが対象にしているのは職種としての料理人であって日本料理ではないため、実際の職務内容と適正な給与を示す必要があることに変わりはありません。第3節の給与ルールにも影響しません。

3. 給与:SMICだけでなくHCRの等級

フランスの最低賃金(SMIC)は、物価上昇率が自動改定の基準である2%を超えたことを受け、2026年6月1日に時給€12.31、週35時間の月額€1,867.02(従来は€12.02、€1,823.03)に引き上げられました。就労許可を得るには、給与がSMICと適用される労働協約の最低額のうち高い方以上である必要があります。

日本料理店にほぼ必ず適用されるのは、ホテル・カフェ・レストラン協約(HCR、IDCC 1979)です。厨房職の給与表は2024年6月19日の労使合意に基づき、同年11月5日の拡張命令で効力を持ち、2026年9月時点でも新たな賃金改定は結ばれておらず現行のままで、役職ごとの月額総支給下限は次の通りです。

役職月額総支給の下限
Commis de cuisine(見習い)€1,867.02(この等級自体の下限をSMICが上回っています)
Cuisinier(料理人)€1,903〜1,997
Chef de partie(部門シェフ)€2,020〜2,123
Chef de cuisine/second de cuisine(料理長/副料理長)€2,184〜2,336
Chef exécutif(幹部職)€2,795〜4,265

これらは法律・協約上の下限で、パリで経験のある寿司職人が実際に求める水準ではありません。パリ固有の公式な給与データは見つからなかったため、提示額は3段階で組み立ててください。まずSMICではなくHCRの該当等級を起点にする。次にパリ手当を上乗せする。生活費と高級ホテルやグループ企業との競合が、実際の提示額を給与表より押し上げるためです。最後に、候補者が日本で今もらっている給与を確認する(日本と海外の寿司職人の給与比較を参照)。そうすれば、面接で説明できる差になります。

総支給額の上に雇用主負担も加わります。フランスの飲食業の雇用主は、SMIC近辺で適用される軽減措置を差し引く前で、おおむね総支給額の4分の1から3分の1程度の社会保険料等を負担するのが一般的です。正確な料率は提示する給与水準によって変わるため、丸めた数字を前提にせず会計士に確認してください。別途、雇用期間3か月を超える外国人労働者を初めて雇う場合、国に一括の税を納めます。月€4,667.54未満の無期契約であれば月給の55%、上記の給与表の下のほうにある料理長であればおよそ€1,100です。契約期間・給与帯ごとの手数料表はフランスのガイドをご覧ください。

4. 日本から呼ぶ前に、パリで採用する

約1万人という日本人コミュニティは絶対数としては小さいものの、フランス国内では最大です。その中にはすでに就労できる在留資格を持つ人もおり、その場合は就労許可も求人公開期間も領事館でのビザ申請も必要ありません。海外の候補者の申請に着手する前に、一度本格的に現地で募集してみる価値があります。

France Travailで求人を出すことになった場合、その求人は現地での募集も兼ねます。誰が応募し、なぜ適さなかったのかを記録しておきましょう。

5. ワーキングホリデー料理人の切り替え

フランスと日本は2000年からワーキングホリデー(vacances-travail)制度を実施しています。外務省によると、年間の発給枠は1,800人です。在日フランス大使館によると、申請時の年齢は18歳から30歳、ビザの有効期間は1年、発給は一生に一度で、フランス滞在中に在留資格を変更することはできません。

パリの雇用主がつまずきやすいのはこの最後の点です。ワーキングホリデーの料理人はフランス国内で就労許可に切り替えられず、標準の申請を、本人がまだ日本にいるものとして進める形になり、いったん出国してビザを取得することになります。ビザの1年の有効期限から逆算して、「気に入ってから」ではなく計画してください。

ワーホリの年の時期やること
6〜7か月目継続して雇いたいかを決める。9か月目を過ぎると、以下の手続きの余裕がなくなります。
8か月目第2節のイル=ド=フランスの人手不足リストの対象になるか確認するか、頼れなければFrance Travailで3週間の求人公開を始める。給与は第3節のHCRの等級と照らして合意する。
9か月目ANEFで就労許可を申請する。フランスのガイドの目安通り、決定までおよそ2か月を見込む。
11か月目許可が下りる見込み。ワーホリビザの失効前に本人はフランスを出国する必要があるため、出国と在日フランス領事館での長期滞在ビザの予約はこの時点に合わせて計画する。
12か月目、またはその直後長期滞在ビザで料理人がパリに戻る。空いた期間はシフトを臨時の現地採用でカバーする。

雇用主が見落としがちなのは、出国から戻ってくるまでの空白期間です。ビザの期限が迫ってからではなく、継続雇用の話を最初に持ち出す時点で、この日程を本人に伝えておいてください。

6. パリでの採用プラン

  1. まず日本語とフランス語で現地募集を行い、候補者の現在の就労資格を確認する。
  2. 海外から採用する場合は、該当すれば第2節のイル=ド=フランスの人手不足リストを根拠にするか、France Travailで3週間連続して求人を公開する。
  3. 給与はSMICではなく該当するHCRの等級を基準にし、パリの市場で現実的な手当を上乗せする。
  4. 就労許可をオンラインで申請し、許可後に料理人がフランス領事館で長期滞在ビザを申請する。詳しくはフランスのガイドをご覧ください。
  5. 継続して雇いたいワーキングホリデー料理人については、11か月目ではなく8〜9か月目から切り替え手続きを始める。
  6. 住居と到着後のサポートを早めに準備する。料理人のリロケーションパッケージの記事も参考になります。

変わる数字:SMIC(毎年1月、また2026年6月のように物価上昇率が基準を超えれば年の途中でも改定)、HCRの給与表(2026年9月時点で次の賃金改定はまだ結ばれていません)、人手不足職種リスト(アレテで定められ、直近は2025年5月21日)。次回確認は2027年1月です。

よくある質問

料理人はイル=ド=フランスの人手不足職種リストに入っていますか。

2025年5月21日付アレテの地域圏別附属書について業界メディアが報じたところでは、イル=ド=フランスの対象職種は料理人とホテル従業員の2つだけです。他の地域圏より少ないものの、料理人は含まれています。これはLégifranceの附属書そのものではなく二次的な情報源によるものなので、実際の申請でこの点に頼る前に直接確認してください。

パリの飲食店は日本人料理人に実際いくら払うべきですか。

SMIC(2026年6月から月額€1,867.02)と、該当するHCR労働協約の等級の両方を上回る額です。目安は料理人(cuisinier)で€1,900〜2,000、部門シェフ(chef de partie)で€2,020〜2,123、料理長(chef de cuisine)で€2,184〜2,336(いずれも月額総支給)です。これらは法律・協約上の下限で、パリの生活費とホテル・グループ企業との競合により、実際の提示額はこれより高くなるのが普通です。

パリに住む日本人はどのくらいで、増えていますか。

外務省によると2025年10月1日時点で10,037人、前年比6.7%減です。それでも、同省が把握する都市の中では欧州大陸最大の日本人コミュニティです。

なぜフランスの日本食レストランの数はこれほど減ったのですか。

農林水産省の調査では2025年に約3,390店で、2023年から約1,290店の減少ですが、フランスに固有の理由や業態別の内訳、数え方の変更については説明がありません。どの業態の店が減ったかを決めつけず、2023年より採用に手間がかかるサインとして受け止めてください。

ワーキングホリデーの料理人はパリにいる間に通常の就労許可へ切り替えられますか。

できません。vacances-travailビザはフランス国内で他の在留資格に変更できません。継続して雇いたい場合は、ワーホリの在留中に標準の就労許可申請を始め、その年の9か月目までに申請することを目安にしてください。そうすれば本人は日本で長期滞在ビザを取得し、シフトの空白を最小限にして戻ってこられます。

本記事は2026年9月に公的な情報源をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民に関する助言ではありません。フランスの規則やリストは変更されます。実際の手続きの前に、県庁、France Travail、または専門家に確認してください。

出典

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