アジア・オセアニア

台北で日本人料理人を雇う:賃金の下限とワーホリ

在留邦人9,693人の台北で日本人料理人を雇う方法。最低賃金NT$29,500と就労許可のNT$47,971という二つの下限、就労許可不要のワーホリ渡航者、スポンサーが見合うケースを解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 数字で見る台北
  2. 二つの賃金の下限と、その差
  3. ワーキングホリデー渡航者:就労許可は別途不要
  4. すでに就労できる在住者
  5. 日本からのスポンサー採用が見合うケース
  6. 実務的な採用の手順

台北には台湾の在留邦人のほぼ半数が住み、しかも台湾は世界でも有数の和食市場です。台北の飲食店にとって本当に役立つ問いは、料理人が就労許可の要件を満たせるかどうか(これは台湾の記事で解説しています)ではなく、どの種類の採用をするのか、です。現地の在住者か、ワーキングホリデー渡航者か、日本からスポンサーする料理人か。それぞれで賃金の下限も書類の量も異なります。

1. 数字で見る台北

日本人人口が横ばいで、店舗数がわずかに減っているのは、成熟した市場の姿です。優秀な日本人料理人をめぐる競争は、新規出店ラッシュではなく、質と待遇の競争です。

2. 二つの賃金の下限と、その差

台北では、誰を雇うかによって大きく異なる二つの下限が適用されます。

対象下限根拠
ワーキングホリデー渡航者や在住者を含む、すべての被雇用者2026年1月1日から月額NT$29,500、時給NT$196労働部、最低賃金
専門的・技術的業務の就労許可で働く外国人料理人平均月給NT$47,971以上労働力発展署

就労許可の下限は、一般の最低賃金より約63%高い水準です。スポンサー採用を考えるなら、まずこの差を予算に入れてください。現地採用ならNT$29,500で合法的に雇える料理人でも、就労許可が関わると、住居や航空券を別にして最低NT$47,971かかります。

どちらの数字も変わる可能性があります。最低賃金審議会は2026年9月24日に開かれる予定で、台湾の聯合報は9月11日、総統と行政院長が2027年の月額最低賃金をNT$30,000超とすることを約束したと報じました。専門的業務の下限は2017年から変わっていません。その見直しについては台湾の記事で取り上げています。2027年の条件を決める前に、両方を確認してください。

3. ワーキングホリデー渡航者:就労許可は別途不要

若手や中堅の料理人であれば、台北ではワーキングホリデーがもっとも簡単な採用ルートです。台湾の外交部領事事務局(2026年3月9日更新)によれば、日本国籍者については次のとおりです。

実務上のポイントは二つです。1回の入国につき180日という上限があるため、1年間お店で働くワーキングホリデー渡航者は、少なくとも一度台湾を出国して再入国する必要があります。繁忙期に重ならないよう、時期を事前に決めておきましょう。そして2回目の参加が可能になったことで、1回目にしっかり働いてくれた料理人が2回目に戻ってくる現実的な可能性が生まれました。優秀な人とは、離職後も連絡を取り合っておきましょう。

ワーキングホリデー渡航者にも、最低賃金以上を支払い、台湾の労働法を守る必要があります。避けられるのは、就労許可、雇用主の売上要件、そしてNT$47,971の下限です。

4. すでに就労できる在住者

台湾の在留邦人の3分の1は永住者で、ほかにも家族関係の在留資格を持つ人がいます。その中には経験豊富な料理人もいます。こうした人を採用すれば就労許可はまったく必要なく、その希望給与から、台北で和食の技能に実際いくら支払われているかもわかります。求人は中国語だけでなく日本語でも出し、候補者ごとに居留証で就労の可否を確認してください。募集チャネルは日本人料理人は海外の仕事をどこで探すかで紹介しています。

台湾では、飲食業での料理人の業務は専門的業務として指定されているため、スポンサー採用は可能です。ただし要件は厳しめです。台湾の記事の要点は次のとおりです。

台北でスポンサー採用が費用に見合うのは、メニューを決め、チームを育て、お店の価格設定の裏付けとなる料理長です。調理担当であれば、在住者やワーキングホリデー渡航者のほうが適していることが多いでしょう。

台北を一言でまとめると、ワーキングホリデー渡航者は別途の就労許可が不要で、最低賃金以上で雇える。スポンサーする料理人には月NT$47,971以上がかかり、平均売上高NT$1,000万の事業規模が必要、ということです。

6. 実務的な採用の手順

  1. その職務に必要なのが長年修業した料理長か、メニューを覚えられる調理担当かを決める。
  2. 日本語と中国語で、給与を明記した求人を出す。
  3. 候補者ごとに在留資格またはワーキングホリデービザを確認し、1回の入国につき180日の上限に注意する。
  4. 内定の前に実技を確認する。寿司職人の面接質問も参考にしてください。
  5. スポンサーする場合は、まず雇用主の要件と料理人の証拠書類を確認し、労働部に申請する。
  6. 2027年の給与を決める前に、最低賃金と専門的業務の下限を改めて確認する。

本記事は2026年9月に公式情報をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や出入国に関する助言ではありません。執筆時点で台湾の2027年の最低賃金は審議中でした。手続きを進める前に、最新の数字は労働部に、ワーキングホリデーの条件は外交部領事事務局に確認してください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。