北米

バンクーバーで日本人料理人を採用する:LMIA・BC州のルール・賃金

バンクーバーにはカナダ最大の日本人コミュニティがある一方、州の賃金基準額は最も高く、BC州の雇用主登録が必須で、低賃金LMIAも受理されません。それでも採用する方法を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. カナダ最大の日本人コミュニティ
  2. 賃金:Job Bank、BC州の最低賃金、C$38.40の基準額
  3. バンクーバーは低賃金LMIAの不受理リストに入っている
  4. まずBC州の雇用主登録から
  5. BC州の賃金透明化とLMIAの広告ルール
  6. バンクーバーで使えるルート
  7. 採用の手順

バンクーバーは、カナダで日本語を話す厨房スタッフを最も見つけやすい都市であると同時に、スポンサーするのが難しい都市の一つでもあります。ブリティッシュコロンビア(BC)州の賃金基準額は全州で最も高く、LMIAの前に州独自の登録手続きがあり、しかもバンクーバーCMAは現在、低賃金LMIAが受理されないリストに入っています。本ガイドでは、これらを順に解説します。カナダ全体の状況についてはカナダで日本人料理人を採用するをご覧ください。

1. カナダ最大の日本人コミュニティ

外務省によると、2025年10月1日時点でバンクーバー都市圏の在留邦人は28,090人でした。これは世界の都市別で8番目の規模で、トロント(18,101人)を大きく上回りますが、前年比では2.7%減少しています。カナダ全体では75,316人でした。

雇用主にとって、これがバンクーバーに関する最も重要な事実です。採用したいと考える日本で修業した調理人の中には、永住者、就労者や留学生の配偶者、ワーキングホリデー参加者として、すでに市内にいる人もいます。彼らを雇うのにLMIAは不要です。以下で述べる障壁を考えると、バンクーバーでの現地採用は形式的な手順ではなく、多くの場合それこそが本命です。

2. 賃金:Job Bank、BC州の最低賃金、C$38.40の基準額

バンクーバーを含むロワーメインランド・南西部地域に関するJob Bankの賃金データ(2025年11月19日更新)は次のとおりです。

職種低位中央値高位
シェフ(NOC 62200)C$18.25C$23.00C$36.67
調理人(NOC 63200)C$18.25C$20.00C$26.00

BC州の一般最低賃金は、州の2025年のインフレ率に連動して2.1%引き上げられ、C$17.85から2026年6月1日にC$18.25になりました。Job Bankの低位の数字はこれと一致しています。

2026年7月17日発効のLMIAプログラムにおけるBC州の賃金中央値の基準額は時給C$38.40で、全州で最も高い水準です(これを上回るのはユーコン準州、ヌナブト準州、ノースウェスト準州のみ)。週40時間なら年約C$79,900になります。

週40時間の年額に換算すると、BC州の最低賃金は約C$37,960、地域の調理人の中央値は約C$41,600、シェフの中央値は約C$47,840です。ほとんどの厨房の職種にとっては、これが現実的な水準です。

低賃金ストリームの住居ルールは、数字にすると計画しやすくなります。ESDCは、手頃な住居を労働者の税引前収入の30%未満で住めるものと定義しています。中央値のC$20.00で週40時間働く調理人の場合、月の総支給額は約C$3,470なので、住居費は月約C$1,040未満に抑える必要があります。想定している地域でその金額でどんな住まいが借りられるかを確認し、労働者が到着する前に手配しておきましょう。

この地域のシェフのJob Bank「高位」の数字C$36.67は基準額を下回っています。つまり、総料理長クラスの給与を払うのでない限り、バンクーバーのシェフや調理人の仕事はほぼすべて、LMIA上は低賃金ポジションになります。

3. バンクーバーは低賃金LMIAの不受理リストに入っている

ESDCは、失業率が6%以上の国勢調査都市圏(CMA)での仕事について、低賃金LMIAの申請を受理していません。2026年7月10日〜10月8日に提出される申請について、バンクーバーCMAは6.7%でリストに入っています。

BC州全体では状況はまちまちです。

BC州のCMA適用される失業率低賃金LMIA
バンクーバー6.7%不受理
アボッツフォード・ミッション8.0%不受理
チリワック7.9%不受理
ケロウナ7.5%不受理
カムループス7.0%不受理
ナナイモ6.5%不受理
ビクトリア4.6%受理

このルールはリストに載っているCMAにしか適用されません。ウィスラーのようなリゾート地は、ESDCのリストに載ったCMAではないため、このルールの影響を受けません。ただし、その他の低賃金ルール(8週間の求人広告、10%の上限、最長1年、雇用主負担の交通費と手頃な住居の確保)はすべて適用されます。

失業率は四半期ごとに改定され、バンクーバーの6.7%はトロントの7.3%よりも基準線に近い水準です。改定のたびにリストを確認する価値があります。

4. まずBC州の雇用主登録から

他の州でLMIAを使って採用したことがある場合、見落としやすい手続きです。BC州の一時外国人労働者保護法(Temporary Foreign Worker Protection Act)のもとでは、雇用主はLMIAを取得する前に、州の雇用基準局(Employment Standards Branch)に登録しなければなりません。ESDCはLMIA申請時に登録証明書の写しの提出を求めています。

雇用主からよく受ける質問にお答えすると、この登録は雇用基準局に対するもので、BC州推薦プログラム(BC PNP)に対するものではありません。BC PNPへの登録はLMIAの前提条件ではありません。前提条件なのは雇用基準局への登録です。

LMIAを提出する時点で証明書が手元にある必要があるため、登録は求人広告の前か並行して、早めに始めましょう。登録手続きがあるのは、BC州のほかマニトバ州、サスカチュワン州、ノバスコシア州の4州です。

5. BC州の賃金透明化とLMIAの広告ルール

BC州の賃金透明化法(Pay Transparency Act)は、2023年11月1日以降、公開するすべての求人に想定賃金または賃金幅を記載することを雇用主に義務付けています。オンタリオ州のルールとは異なり、従業員数にかかわらず適用されます。

その広告がLMIAの一環でもある場合は、ESDCのルールも加わります。言語要件として記載できるのは英語かフランス語だけです。和包丁の技術、魚の扱い、メニューの知識を詳しく書くことはできますが、日本語を要件にすることはできません。そのまま使える構成は、寿司職人の求人票をご覧ください。

6. バンクーバーで使えるルート

どのルートを使うにしても、バンクーバーほど住居費の高い都市では、人材を引き留めることのほうが難しい課題です。日本人料理人の定着をご覧ください。

7. 採用の手順

  1. 給与を設定し、C$38.40と比べる。下回る場合は、店舗がリスト上のCMAにあるかを確認する。
  2. まず現地で、すでにバンクーバーにいて就労資格を持つ日本語話者を対象に探す。
  3. LMIAが可能で必要な場合は、すぐにBC州の雇用主登録を申請する。
  4. 賃金幅を記載し(BC州法)、日本語を要件にせずに(LMIAのルール)求人広告を出す。
  5. 求人広告の期間を満たしたら、登録証明書を添えてLMIAを申請する。
  6. 住居を計画する。低賃金LMIAでは手頃な住居の確保が求められますが、実際にはどのルートでも住居探しを手伝うべきです。

本記事は2026年9月に公的情報源から収集した一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。CMAリストは四半期ごとに変わります。行動の前にリンク先のページをご確認ください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。