海外出店|集客・予約

海外和食店の予約枠の決め方:15分ごとの入店上限と予約サービスの料金比較

席数ではなく厨房の能力から15分ごとの入店上限を決める計算例、人数別の滞在時間、予約とウォークインの配分、開業2週間の段階的な枠の広げ方、OpenTable・Resyの2026年9月時点の料金比較、開業後に枠を直す指標を示します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

目次

  1. 予約枠の出発点は「売れる席数」
  2. 15分ごとの入店上限を厨房の能力で決める
  3. 滞在時間を人数別に決め、席の割り当てを組む
  4. 予約とウォークインの配分
  5. 開業後2週間は枠を絞って始める
  6. 予約サービスの料金の仕組みを比べる
  7. 営業しながら枠を直す

予約サービスを導入すると、席数と営業時間を入力するだけで予約枠が自動で作られます。しかし、席が空いていることと、厨房がその客の料理を出せることは別の話です。19時ちょうどに40席が一斉に埋まれば、どれほど腕のある料理人でも最初の料理が出るまでに時間がかかり、最後の卓の客は30分待つことになります。この記事では、席数ではなく厨房とホールの能力から予約枠を決める手順を、計算例と、予約サービス各社の2026年9月時点の公式料金をもとに説明します。

1. 予約枠の出発点は「売れる席数」

予約枠を決める前に、店の席数には3つの上限があることを確認しておきます。法規で決まる収容人数、厨房が料理を出せる人数、ホールが接客できる人数で、実際に「売れる席数」は、このうち最も小さい数です。計算の仕方は席数とレイアウトの記事で扱っています。

法規の上限は、席数だけでなく必要な許可にも関わります。たとえばニューヨーク市では、屋内で75人以上の一般客が飲食などのために集まる場所は、建築局(DOB)の「Place of Assembly Certificate of Operation」が必要で、その後に消防局(FDNY)の許可を受け、年1回の検査に合わせて更新します。予約枠の設定で、法規上の収容人数を超える人数を店内に入れる運用にならないよう、予約と立ち飲み・待ち客の合計で上限を考えてください。

この記事では、以下の仮定の店を例に計算します。すべて手順を示すための仮定の数字です。

2. 15分ごとの入店上限を厨房の能力で決める

予約枠を決めるときの基本の単位は、「1日の総予約数」ではなく「15分あたりに何人入店させるか」です。和食店の厨房で負荷が集中するのは、入店直後の最初の注文です。居酒屋なら最初の飲み物と数品の料理、定食なら注文ほぼすべて、おまかせならコースの最初の数品が、入店から20〜30分の間に集中します。

仮定の店では、厨房が15分に12人分の最初の料理をこなせるので、15分ごとの入店上限を12人とします。これを営業時間に当てはめると、次のような枠になります。

入店時刻入店上限(人)考え方
17:30 / 17:45各12開店直後は空席が多いが、厨房の上限で区切る
18:00 / 18:15各12ここまでで最大48人だが、席は40席なので実際は席で止まる
18:30〜19:15空席の範囲で各12まで最初の卓の退店を見込んで2回転目を入れる
19:30〜20:30空席の範囲で各12まで2回転目の主力の時間帯
20:45以降各8ラストオーダーまでの時間が短く、注文が集中しやすい

予約サービスの多くは、この「時間帯ごとの入店上限」を設定できます。OpenTableは、予約の人数の流れを管理する「cover pacing」や、営業の時間帯の始め・中頃・終わりで異なる予約ルールを設定する機能を案内しています。予約サービスを選ぶときは、15分単位で上限を決められるか、人数(カバー数)と組数のどちらで上限を置けるかを確かめてください。

要点:15分あたりの入店上限は、試作と模擬営業で「最初の料理を出すまでの作業」を実際に計って決めます。計っていない数字で枠を作ると、開業日に初めて厨房の限界が分かります(模擬営業の記事)。

3. 滞在時間を人数別に決め、席の割り当てを組む

次に、何分後にその席が空くかを決めます。滞在時間は人数で変わるため、人数別に設定します。以下は仮定の設定です。

人数滞在時間(仮定)割り当てる席
1〜2人90分カウンター、2人掛け
3〜4人105分4人掛け
5〜6人120分4人掛けと2人掛けをつなげる
7人以上要相談電話などで個別に受け、営業時間の早い枠に限る

この設定で、2人掛けに18時の予約を入れると、次に使えるのは19時30分です。片付けとセットに10分かかるなら、19時45分からの枠にします。滞在時間を短く設定すれば予約は多く取れますが、実際の滞在がそれより長ければ、次の客を待たせることになります。開業前は長めに設定し、実際の滞在時間を記録してから縮めるのが安全です。

大人数の予約は、厨房への負荷が一度に来るため、特に注意が必要です。OpenTableは「大人数」を店ごとに定義し、受け付ける時間帯を決める機能を案内しています。6人の予約1組は、入店上限の半分を1組で使うことになるため、15分あたりの上限の計算にも入れておきます。

4. 予約とウォークインの配分

すべての席を予約に出すと、通りがかりの客や、当日に思い立った客を受け入れられません。業態によって、予約とウォークインの配分は変わります。

OpenTableは、オンラインで予約できる席の数を店が自由に決められること、バー、カウンター、ハイトップ、テラスの席を予約の対象にするかどうかも選べることを案内しています。どの席を予約に出し、どの席を当日の客に残すかを、席の種類ごとに決めておきます。業態ごとの客の使い方は客層と利用場面の記事で扱っています。

電話やメッセージで受けた予約も、必ず同じ予約システムに入力します。紙の台帳とシステムの二本立てにすると、同じ席に二重に予約が入ります。予約を受けるときに聞く項目は、人数、到着時刻、食べられない食材やアレルギー、席の希望(カウンターかテーブルか)、利用の目的(誕生日など)に絞り、どの経路の予約でも同じ項目を記録できるように設定しておきます。アレルギーの情報は、予約時に聞くだけでなく、来店時に口頭で確かめる手順も決めておきます(アレルゲン表の記事)。

5. 開業後2週間は枠を絞って始める

開業直後の厨房とホールは、模擬営業をしていても本番の速さにはまだ慣れていません。この時期に満席の予約を受けると、提供の遅れがそのまま口コミに残ります。最初の2週間は、計算した枠より少ない数から始め、段階的に広げる計画を立てておきます。以下は仮定の例です。

期間予約に出す席15分あたりの入店上限広げる条件
開業1〜3日目約半分(20席)6人提供時間の記録で遅れがないこと
4〜7日目約4分の3(30席)9人ピークに30分以上待たせた卓がないこと
2週目全席(ウォークイン分を除く)12人料理の戻りや提供間違いが減っていること

枠を絞っている間に空いた席は、ウォークインや、関係者を招く試験営業に使えます(プレオープンの記事)。開業告知で「最初の数日は席数を絞って営業します」と伝えておけば、予約が取りにくいことへの不満も抑えられます。

6. 予約サービスの料金の仕組みを比べる

予約サービスの料金は、月額の固定料金と、予約1人(カバー)ごとの料金の組み合わせで決まります。2026年9月時点で、米国の主要サービスの公式ページに書かれている料金は次のとおりです(米国向けの料金。国や地域によって変わります)。

サービス・プラン月額予約ごとの料金
OpenTable Basic(米国のみ)149ドルOpenTable経由の予約:30日無料の後1人1.50ドル。自店サイト経由:1人0.25ドルまたは月49ドル定額
OpenTable Core299ドルOpenTable経由:1人1ドル。自店サイト経由:含まれる
OpenTable Pro499ドルOpenTable経由:1人1ドル。自店サイト経由:含まれる
Resy Platform / Platform 360289ドル / 459ドル予約ごとの料金なし
Resy Essential / Premium(Tockの仕組み)289ドル / 459ドル前払い金に3% / 2%(別に通常の決済手数料)

どれが安いかは、予約の数と、どこ経由で予約が入るかで変わります。仮に、月に1,000人がOpenTableのアプリやサイト経由で予約するとすると、Coreでは月額299ドルに1,000ドルが加わって1,299ドルです。同じ1,000人が自店のサイト経由で予約するなら、Coreは月額の299ドルだけです。Resyの予約ごとの料金がないプランなら、人数に関係なく月額は一定です。予約サービスが自社のアプリで客を送ってくれる効果と、1人あたりの料金を比べて選ぶことになります。

おまかせのように前払いの予約を取るなら、前払い金にかかる手数料も比べます。OpenTableも、前払いの体験(Experiences)とチケット販売には全プランで2%のサービス料がかかるとしています。たとえば1人300ドルのコースを前払いで受ける場合、3%なら1人9ドル、2%なら6ドルです(計算例)。前払いやキャンセル料の設計はキャンセル対応の記事で扱います。Googleのプロフィールに予約ボタンを出すには、Googleと連携している予約事業者を選ぶ必要があります(地図・検索対策の記事)。

7. 営業しながら枠を直す

予約枠は、開業前に決めた数字を営業の記録で直していくものです。開業から1か月は、毎週次の数字を記録し、枠の設定を見直します。

予約枠を広げるのは、厨房とホールの記録が「まだ余裕がある」と示したときだけにしてください。席を埋めることよりも、埋めた席の客に約束どおりの時間で料理を出すことの方が、次の予約につながります。

2026年9月に公開情報をもとにまとめた一般的な情報であり、法務・税務・入国管理に関する助言ではありません。制度や金額は変わるため、行動する前にリンク先でご確認ください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

和食料理人を採用しませんか?

世界中の和食料理人が登録するWashokuJobに、貴店の求人を掲載できます。