アジア・オセアニア

シンガポール飲食店の外国人枠:WPとS Pass

シンガポールの厨房全体の人員構成。持ち場ごとのパス、日本人がWork Permitを持てない理由、現地従業員数で決まる外国人枠の人数表、レビーの区分と計算例を解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

シンガポールの飲食店では、調理人、調理補助、洗い場をWork Permitで雇えます。対象はマレーシア、中国、香港、マカオ、韓国、台湾と、NTSリストの職種に限った9か国の出身者です。日本はサービス業の対象国ではないため、日本人の調理人はS PassかEPになります。人数を決めるのは現地従業員で、LQS以上の現地従業員が20人なら外国人は10人まで、うちS Passは最大3人です。

料理長1人ではなく、厨房全体の人員をそろえる担当者向けです。このページでは、人員構成、枠とレビーの計算、日本国籍者がサービス業のWork Permitを持てない理由を扱います。料理長のパス選びと総額はシンガポール採用の総合ページ、EPの点数審査は料理人のCOMPASSポイント、S PassやEPの前に必要な求人掲載はFCFのページをご覧ください。

目次

  1. 持ち場ごとに使えるパス
  2. 日本国籍者がサービス業のWork Permitを持てない理由
  3. MOMによる現地従業員の数え方
  4. 人数表:現地従業員数で決まる外国人の枠
  5. レビーとその他の固定費
  6. Work Permitの調理人はどこから来るか
  7. 計算例:40席の新店
  8. 今週やること
  9. よくある質問

持ち場ごとに使えるパス

持ち場一般的なパス日本人の場合制約
料理長、総料理長EPEPEPの下限とCOMPASS。枠は使わない
スーシェフ、寿司カウンターの責任者S PassまたはEPS PassまたはEPS Pass:10%の枠と月S$650のレビー
調理人、コミ現地採用またはWork Permit(マレーシア、中国、北アジア、NTS)S Passのみ(S Passの下限が必要)Work Permitの上限35%。中国とNTSはそれぞれ8%
調理補助、洗い場現地採用またはWork PermitS Passのみ。現実的でないことが多い同上
ホール現地採用またはWork PermitS Passのみ同上

MOMは飲食店、コーヒーショップ、フードコートをサービス業として扱いますが、ホーカーや屋台は対象外です。Work Permitで雇えるのは、会社名義のSFA(シンガポール食品庁)の店舗営業許可を持つ事業者に限られます。

日本国籍者がサービス業のWork Permitを持てない理由

MOMが定めるサービス業の出身国・地域は、マレーシア、中華人民共和国、北アジア(香港旅券保持者、マカオ、韓国、台湾)です。NTSリストでバングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、ラオス、ミャンマー、フィリピン、スリランカ、タイが加わりますが、対象職種に限られます。日本はどちらにも含まれません。日本人の調理補助を雇うにはS Passの下限を満たす必要があり、2027年1月1日以降は23歳以下でも月S$3,600です。MOMの2025年6月の調査による調理補助の月額総支給の中央値(S$1,620)の2倍を超えます。

例外は2つだけです。

MOMによる現地従業員の数え方

すべての出発点は現地従業員の人数で、MOMはCPFの記録から3か月平均で数えます。

毎月14日までに申告したCPFは翌月の枠に反映されます。CPFの申告や支払いが遅れると、後で払っても計算から外されることがあり、レビーの区分も上がります。現地従業員が辞めると平均は数か月かけて下がり、枠を超えると更新が認められず、パスの取り消しを求められることもあります。

外国人を1人でも雇う会社は、対象となる厨房職の現地従業員に、飲食業の漸進的賃金モデル(Food Services PWM)の賃金を払う必要があります。フルサービスの飲食店では、2026年7月1日〜2027年6月30日の月額総支給の下限は調理人S$2,520、調理補助とホールS$2,320で、2027年7月1日にS$2,660とS$2,460に上がります。上級調理人は市場に任されています。

人数表:現地従業員数で決まる外国人の枠

サービス業のMOMの計算式は次のとおりです。外国人(Work PermitとS Passの合計)の上限は、現地従業員数×0.538462の端数切り捨て。S Passは(総従業員数+1)の10%まで。総従業員数は現地従業員とWork Permit・S Pass保持者の合計で、EP保持者は含めません。中国とNTSの出身者はそれぞれ同じ数の8%までです。

現地従業員数Work Permit+S Passの上限Work Permitがいない場合のS Pass枠Work Permitを上限まで雇った場合:WP+S Pass中国・NTSの上限(それぞれ)
5202+00
9413+11
15816+21
18927+22
201027+32
2714310+43
3016312+43
4021415+64

MOMの公表式から当サイトで計算しました。読み取るべき点は2つです。ほかに外国人がいなければ、S Pass 1人ごとに現地従業員が9人分必要です。Work Permit保持者は総従業員数を増やすので、先に雇うとS Passがもう1人分空くことがありますが、同じ35%の上限を使います。申請前にWP Onlineで実際の数字を確認してください。

レビーとその他の固定費

区分(総従業員数に占める割合)Work Permit 熟練Work Permit 基本S Pass
第1区分:10%までS$300S$4502025年9月1日から一律S$650
第2区分:10%超25%までS$400S$600
第3区分:25%超35%までS$600S$800

MOMは第1区分をS Pass保持者から先に埋め、次に熟練、最後に基本のWork Permit保持者を割り当てます。2028年から第1区分と第2区分が統合され、S$400とS$600になりますが、時期はまだ示されていません。マレーシア以外の出身者が飲食業で熟練の料率を受けるには、認められた資格とWPLN(職場の読み書き・計算)の聞く・話すでレベル4、または固定月給S$1,600以上でWork Permitによる4年以上の就労経験が必要です。

レビー以外に、マレーシア以外のWork Permit保持者1人につきS$5,000の保証金(本人に負担させることはできません)、Work PermitとS Pass保持者の医療保険(S Passは年S$60,000以上の補償)がかかります。パス保持者にCPFの拠出はありません。

Work Permitの調理人はどこから来るか

和食の厨房では、Work Permitの調理人は、仕込み、揚げ場、焼き場、炊飯などを、訓練を受けたリーダーの下で担うのが現実的です。魚のおろし、寿司カウンター、おまかせで客前に立つ仕事は、通常S PassかEPの層が必要です。育成の進め方は日本人以外のスタッフへの和食の教え方をご覧ください。

計算例:40席の新店

人数は仮の数字で、計算式はMOMのものです。LQS以上の現地従業員20人、EPの日本人料理長1人、S Pass 3人(日本人のスーシェフと上級調理人2人)、Work Permit 7人(マレーシア出身の熟練4人、基本3人)の店とします。

現地従業員が1人減ると外国人の上限は9人になり、1人分のパスが更新できなくなります。

今週やること

  1. 過去3か月のCPFデータから、0.5人分も含めて現地従業員数を出す。
  2. 人数表で自社の行を確認し、WP Onlineで実際の数字と照らし合わせる。
  3. 現地の調理人と調理補助の給与が、自社の区分のFood Services PWMを満たしているか確認する。
  4. 日本人が必要な持ち場を決め、その分をS PassかEPで予算化する。
  5. 最後のS Passの枠が必要なら、Work Permitを先に雇う順番を組む。

変わる数字:S Passの下限は2027年1月1日の新規申請からS$3,600に上がります。Food Services PWMの賃金は2027年7月1日に上がります。Work Permitのレビー第1・第2区分は2028年に統合予定で、時期は未発表です。枠の計算式は2026年7月1日更新のMOMのガイドによります。2026年9月27日確認。

よくある質問

日本人をWork Permitで厨房に入れられますか。

通常のサービス業のWork Permitでは入れられません。日本は対象の出身国ではないためです。EPやS Pass保持者の配偶者・子であれば、国籍を問わないDP Work Permitで働けますが、Work Permitの枠とレビーを使います。

S Passの調理人を1人雇うには、現地従業員が何人必要ですか。

ほかに外国人がいなければ9人分です。月S$1,800以上の現地従業員9人か、0.5人分を含めた同等の人数です。2人目以降は1人ごとにさらに9人分必要ですが、Work Permit保持者がいて総従業員数が増えていれば少なくて済むこともあります。

パートの現地従業員も枠に数えられますか。

月S$900以上なら0.5人として数えます。S$900未満は、パートのLQS(時給S$10.50)を満たしていても枠には数えられません。

フィリピンやタイのNTS出身者を和食店の調理人として雇えますか。

雇えます。SFAの店舗営業許可を持つ会社なら、調理人と調理補助はNTSリストの対象です。固定月給S$2,000以上が必要で、許可された職種に限られ、人数は(総従業員数+1)の8%までです。

料理長のEPは枠を使いますか。

使いません。EP保持者は総従業員数にもWork PermitとS Passの上限にも含まれず、関係するのはCOMPASSだけです。

本記事は2026年9月27日時点で人材開発省(MOM)のページを確認して作成した一般的な情報であり、法務・入管に関する助言ではありません。人数表と計算例はMOMの公表式を仮の数字に当てはめたものです。実際の枠はWP Onlineの数字で判断してください。

出典

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