北米

日本の料理人のO-1ビザ:証拠集めと日本側の準備

日本にいる料理人とその雇用主がO-1B申請に向けて実際に行うこと。証拠の収集と翻訳、意見書を書いてくれる人を日本で見つけること、申請する米国の雇用主との連携、在日米国公館の面接までの日程を解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

日本の料理人に、報道歴、受賞歴、名の知れた店での役職といった対外的な実績記録があれば、O-1Bは資本構成を問わず、数量枠もなく米国の店に呼べる手段になります。「distinction」の基準、6つの立証項目、費用についてはO-1 visa for chefsで詳しく解説しています。本ページでは、日本側で実際に何をするか、証拠の収集と翻訳、意見書(advisory opinion)を書いてくれる人を日本で見つける方法、そして証拠集めから在日米国公館での面接までの日程を解説します。

本ページは、料理人のO-1B申請に向けた日本側の準備を進める日本の本社や店舗の人事担当者、採用エージェント、そして料理人本人向けです。本人の実績が「distinction」の基準を満たすか、6つの立証項目の詳細、誰が申請しどれくらい費用がかかるかはO-1 visa for chefs(英語)で解説していますので、まずそちらをご確認ください。代替案であるE-2の米国側の資本要件はE-2エッセンシャル・エンプロイー・テスト、E-2の日本側の申請手続きは在日米国大使館でのE-2ビザ申請をご覧ください。

目次

  1. 始める前に:その労力に見合うか
  2. 日本での証拠集めと翻訳
  3. 意見書を書いてくれる人を日本で見つける
  4. 米国側の雇用主との連携、実際に申請するのは誰か
  5. 目標の入社日から逆算した日程
  6. 今から準備しておくこと

1. 始める前に:その労力に見合うか

日本で証拠を集め、翻訳し、意見書を書いてくれる人を見つけるのには、実際にかなりの時間がかかり、どんな料理人にも合うわけではありません。労力をかける前に、O-1 visa for chefsにある適性のチェックと6項目の自己診断で本人を確認してください。正直な答えが「腕は良く経験もあるが、対外的な実績記録がない」であれば、書類の準備をどれだけ丁寧にやってもO-1Bが通る見込みは低く、日本資本の店であればE-2、それ以外なら別のルートのほうが現実的です。本ページは、すでに本人に見込みがあると判断した後の話として書いています。

2. 日本での証拠集めと翻訳

作業の大半は日本側で発生し、その多くは米国の移民専門家が代わりにできない書類集めです。

3. 意見書を書いてくれる人を日本で見つける

O-1の申請には必ず、同業者団体、労働組合、または本人の分野の専門家による書面の意見書(advisory opinion)が必要で、申請書に添付します。料理の分野には俳優組合のような決まった団体がないため、誰に依頼するかは自分たちで決めることになり、これが日本発の申請で最も日程を遅らせやすい工程です。適任者を見つけ、依頼し、具体的な内容を書いてもらうまでに時間がかかるためです。

依頼先の候補は、USCISに受け入れられやすい順におおむね次のとおりです。

誰に依頼するにせよ、本人を個人的に保証するだけでなく、その分野を評価できる自分自身の立場を説明できる人である必要があります。早めに依頼しましょう。米国の移民手続きに不慣れな相手にO-1の仕組みを説明し、下書きを渡して手直ししてもらい、最終的な手紙を英訳するまでを考えると、通常は数週間かかります。同様の仕事で2年以内に米国に再入国する場合は、この協議自体の免除を求めることもできます。詳しくはO-1 visa for chefsをご覧ください。

4. 米国側の雇用主との連携、実際に申請するのは誰か

料理人本人が自分で申請することはできません。申請書(Form I-129)は米国の雇用主、または雇用主に代わる米国の代理人が提出します(海外の雇用主は米国の代理人を使う必要があります)。実務上は次のとおりです。

5. 目標の入社日から逆算した日程

日本側から見て、全体の期間を左右するのはUSCISの審査期間ではなく、証拠集めと意見書の手配であることがほとんどです。

時期日本側でやること
16〜20週間前本人に本当に見込みがあるか確認する(第1章)。在職証明書、メディア掲載、コンテストの記録の収集を始める。
12〜16週間前意見書を書いてくれる人に依頼する(第3章)。書類がすべて揃うのを待たず、翻訳作業も並行して始める。
8〜12週間前証拠一式と契約条件の案を米国の雇用主に送り、申請の準備を進めてもらう。プレミアム処理を使うか決める。
6〜10週間前申請書を提出。プレミアム処理を使えば、USCISは受理から15営業日以内に判断します。
承認後本人が在日米国大使館・総領事館(東京、大阪、那覇)でビザ面接を予約する。2025年9月2日以降、ほぼすべての申請者に対面面接が必要です。現在の面接の待ち時間は確認できなかったため、すぐに枠が取れると考えず、各公館のサイトで確認してください。
面接後ビザが発給されます(日本国籍者は最長60か月有効、ただし申請の有効期間が上限、相互主義手数料なし)。渡航や引っ越しの手配は、ビザを手にしてから確定させましょう。

6. 今から準備しておくこと

いつか料理人を海外に送りたいと考えている企業は、申請を決めてから慌てて集めるのではなく、次の記録を平時から残しておくと、後で選択肢が広がります。

米国側の提示額の決め方は海外の寿司職人の年収、この工程に進める前の候補者の見極めは料理人の面接で聞くべき質問をご覧ください。

本記事は2026年9月22日時点で米国の連邦規則、国務省、連邦官報の公開情報を確認して作成した一般情報であり、法務・移民に関する助言ではありません。O-1の結果は証拠の内容と審査官の判断に大きく左右されます。申請前に米国移民法の弁護士にご相談ください。

変わる数字:USCISのプレミアム処理・申請手数料(直近の改定は2026年3月1日)、在日米国公館のビザ面接の待ち時間(今回確認できず、頻繁に変動します)。農林水産省の認定制度の人数は2026年3月31日時点のもので、毎年更新されます。次回確認は2027年3月です。

よくある質問

このページとO-1 visa for chefsは何が違いますか。

O-1 visa for chefsは法的な基準、すなわち「distinction」の意味、6つの立証項目、費用、有効期間を扱います。本ページは、日本にいる料理人とその雇用主が実際に何をするか、証拠の収集と翻訳、日本で意見書の依頼先を見つけること、在日米国公館での面接までの日程を扱います。

日本にいる料理人の意見書は誰が書くのですか。

料理の分野に決まった団体はありません。現実的な候補は、同じ系統で対外的な実績を持つ著名な料理人や店主、日本の料理団体の役職者、本人とつながりのある料理学校の責任者などです。誰であっても、本人を個人的に保証するだけでなく、その分野を評価できる自分自身の立場を説明できる必要があります。

農林水産省の認定制度や親善大使制度があればO-1は必ず通りますか。

通りません。本人がすでに持っていれば、公的機関による評価の証拠として無料で使える裏付けにはなりますが、規則が定める6つの基準の代わりにはなりません。どの程度重視するかは審査官がケースごとに判断します。

申請するのは料理人本人ですか、日本側ですか。

どちらでもありません。Form I-129を提出できるのは米国の雇用主、または雇用主に代わる米国の代理人だけです。日本側の役割は、整理され翻訳された証拠一式を渡し、契約条件を事前にすり合わせておくことです。

日本側の準備にはどれくらい時間がかかりますか。

証拠集めを始めてから申請まで16〜20週間を目安にしてください。大半はUSCISの審査期間ではなく、書類集めと意見書の手配にかかる時間で決まります。承認後は、在日米国公館の面接の待ち時間を確認できなかったため、その分の余裕も見ておいてください。

出典

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