採用の進め方

日本にいる料理人のオンライン面接の進め方

日本にいる料理人を海外の店が面接するときの進め方。内定までの5つの段階、週ごとのスケジュール、オンライン面接の設計、通訳の使い方、条件のすり合わせ、日英の面接案内テンプレートを紹介します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

面接は、5週間ほどの選考の流れの中の一段階として設計します。日本語の案内状で内容を事前に伝え、通訳と手元用のカメラを用意して60〜90分のオンライン面接を行い、その後に実技試験、条件をすり合わせる別の面談、リファレンスチェック、書面での内定と進めます。給与、着任時期、日本での退職の段取りは内定の前に合意しておき、内定から出国までは1〜3か月を見込んでください。

日本にいる料理人を面接する海外の店のオーナー、店長、本社の人事担当者向けの記事です。このページでは面接の進め方(オンライン面接の設計、通訳の使い方、条件のすり合わせ、内定までの段取り)を扱います。何を聞き、回答をどう採点するかは寿司職人の面接で聞く10の質問と採点表にまとめています。時差をまたいだ日程の組み方は日本在住の料理人との時差をまたいだ面接の組み方をご覧ください。

目次

  1. 最初の面接から内定までの流れ
  2. 週ごとのスケジュール
  3. オンライン面接の設計
  4. 通訳の使い方
  5. 内定前の条件のすり合わせ
  6. 面接案内のテンプレート(日本語・英語)
  7. 今週やること

1. 最初の面接から内定までの流れ

海外にいる料理人の面接そのものに、費用はほとんどかかりません。費用がかかるのは、その後のビザ、航空券、住まいです。ですから面接の役割はひとつ、実技試験に進める人を決めることです。条件の話と技術の話は別の面談に分けてください。同じ場で両方をやると、どちらも中途半端になります。

段階目的参加者所要時間
1. 書類確認履歴書、パスポートの有効期限、用意できる証明書オーナーまたは人事メールで
2. 一次面接質問集を使って経験と技術を確かめるオーナー、技術を判断できる料理人、通訳60〜90分
3. 実技試験包丁さばき、速さ、安定性評価者実技試験のガイドを参照
4. 条件面談給与、着任時期、退職の段取り、住まい、ビザの書類オーナーまたは人事、通訳30〜45分
5. リファレンスと内定話の裏付けを取り、書面にする人事1週間

2. 週ごとのスケジュール

料理人に厨房へ立ってほしい日から逆算します。下の流れはおよそ5週間です。その前に、ビザの審査期間が必要です。審査期間は国と制度によって大きく異なり、ひとつの数字では示せません。自国のビザのガイドで確認してください(まずは日本人料理人のビザスポンサーから)。

週やること
1面接の案内と書類の依頼を送る。履歴書を読む(日本の履歴書の読み方を参照)。
2一次面接。当日中に採点する。
3最終候補の2〜3人に実技試験。
4条件面談。日本の前職への照会について書面で同意を得る(リファレンスチェックと本人同意を参照)。
5書面で内定を出し、双方が署名する。
6週目以降料理人が日本の勤務先に退職を申し出る。並行してビザの手続きを進める。1〜3か月を見込む。

内定後に1〜3か月を見込む理由は次のとおりです。民法第627条では、期間の定めのない雇用は、解約の申入れの日から2週間で終了します。これは法律上の最短です。実際には就業規則でもっと早い申し出を求める職場もあり、料理人本人も引き継ぎを済ませて円満に辞めたいと考えます。有期契約で働いている場合は扱いが異なるので、早めに確認してください。

選考のスピードも大切です。厚生労働省の統計では、2026年7月の飲食物調理従事者の有効求人倍率は2.18倍でした。3週間返事を待たせた候補者は、すでに別の職場に決めているかもしれません。

3. オンライン面接の設計

4. 通訳の使い方

技術に関する質問は日本語で行います。確かめたいのは知識であって語彙ではありません。英語力が必要な職種なら、別に確認します(英語面接の準備は料理人の英語面接の準備で解説しています)。

このような場面での通訳料について、公的な相場は見つかりませんでした。予約の前に、2社から時間単価と最低料金の見積もりを取ってください。

5. 内定前の条件のすり合わせ

内定を出した後で条件の食い違いが見つかると、それまでの選考がすべて無駄になります。条件面談では次を確認します。

海外赴任を心配するつもりでも、結婚、子ども、親の介護については聞かないでください。代わりに「この1〜2年のあいだに、日本で動かせない予定はありますか」と尋ねます。国別の聞いてはいけない質問は質問集にまとめています。合意した内容は当日中に書面で送り、それをもとに内定通知を作ります(料理人向けオファーレターのテンプレート)。

6. 面接案内のテンプレート(日本語・英語)

日本語版と英語版を1通のメールで送ります。[ ]内を書き換えてください。

件名:[店名]料理人ポジション オンライン面接のご案内

[氏名]様
このたびはご応募ありがとうございます。[店名]([都市名])の[担当者名]です。下記のとおりオンライン面接をお願いしたく、ご連絡いたしました。

日時:[日付]日本時間[時刻]から90分以内
方法:[Zoom等](URLは前日にお送りします)
参加者:[オーナー名]、[料理長名]、通訳[氏名]
内容:これまでのご経験、仕事の進め方についての質問(日本語で行います)。途中で、手元が見える位置にスマートフォンを置き、包丁を研ぐ様子を2分ほど見せていただきます。最後の15分で店内をご案内します。
ご準備いただくもの:普段お使いの包丁と砥石、スマートフォン用のスタンド
事前にお送りいただきたいもの:履歴書・職務経歴書、パスポートの有効期限

ご都合が合わない場合は、営業後の時間帯や休日の午前中で候補をお知らせください。録画は行いません。

Subject: [Restaurant] chef position: online interview

Dear [Name],
Thank you for your application. I am [Name] from [Restaurant] in [City]. We would like to invite you to an online interview.

When: [date], [time] Japan time, up to 90 minutes
How: [Zoom or similar] (link sent the day before)
Who: [Owner], [Head chef], interpreter [Name]
What: questions about your experience and how you work, in Japanese. We will ask you to place a phone where we can see your hands and sharpen a knife for about two minutes. In the last 15 minutes we will show you the restaurant.
Please have ready: your usual knife and whetstone, a phone stand
Please send before the call: your CV and your passport expiry date

If this time does not suit you, please suggest a time after service or the morning of a day off. We will not record the call.

7. 今週やること

  1. 5週間の日程を決め、ビザの審査期間を加えて、着任希望日から逆算する。
  2. 一次面接の枠に合わせて、通訳と技術を判断できる料理人を手配する。
  3. 質問集の採点表を印刷する。
  4. 上の案内状を候補者に送る。

2026年9月27日確認。有効求人倍率は厚生労働省が毎月公表しています(ここでは2026年7月分を使用)。賃金構造基本統計調査は毎年、通常は春に更新されます。民法第627条は法改正がない限り変わりません。

よくある質問

一次面接から内定の署名まで、どのくらいかかりますか。

面接、実技試験、条件面談、リファレンス、内定をそれぞれ1週間で進めれば、およそ5週間です。その後、料理人が日本の勤務先を辞めるまでに1〜3か月を見込み、その間にビザの手続きを並行して進めます。

プロの通訳が必要ですか。

必ずしも必要ではありません。日本の厨房経験があるバイリンガルの同僚のほうが、技術用語には強いことがよくあります。大切なのは、全部を訳すこと、事前に質問を共有しておくこと、そして通訳が採点に加わらないことです。

日本の料理人は、どのくらい前に退職を申し出る必要がありますか。

民法第627条では、期間の定めのない雇用は申し出から2週間で終了します。ただし就業規則でそれより長い期間を求めている職場もあり、有期契約は扱いが異なるため、本人に確認してください。

給与の話はいつすればよいですか。

実技試験の後、書面の内定を出す前に、別の条件面談で話します。現在の給与と受け入れられる最低額を聞き、自店の提示額がビザの最低給与額を満たしているかを確認してください。

内定の前に、料理人に店まで来てもらうべきですか。

チームと顔を合わせるための訪問は可能ですが、訪問者は一般に働くことができません。調理を直接見たいなら日本で試験を行うか、雇用後の最初の数週間を試用期間にしてください。詳しくは実技試験のガイドをご覧ください。

本記事は一般的な情報であり、法務・労務・入管に関する助言ではありません。採用選考や退職に関するルールは国によって異なります。実際の選考では、下記の一次情報と現地の法令を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。

出典

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