アジア・オセアニア

豪州ワーホリ(417)の日本人料理人を雇う際の要点

日本人料理人のワーキングホリデービザ(417)を雇用主目線で解説。18〜30歳の年齢要件、6か月ルールが飲食店に適用されない理由、都市部のキッチン勤務がセカンドビザの要件にならない点、税金と賃金の義務まで。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 日本人ワーキングホリデー渡航者の人数
  2. ビザの概要:年齢・期間・費用
  3. 6か月ルールと、飲食店が適用除外になる理由
  4. セカンド・サードビザ:都市部の飲食店が抱える問題
  5. 雇用主としての義務
  6. ワーホリからスポンサー付きの料理人へ
  7. 雇用主向けチェックリスト

オーストラリアの和食店の多くにとって、キッチンの人材を実際に支えているのはワーキングホリデービザ(サブクラス417)です。調理の経験があり、就労資格を持ち、スポンサー費用もかからない若い日本人料理人がやって来ます。本記事は雇用主向けに、このビザで何ができるのか、飲食店にどんな制限がかかるのか、どこで限界が来るのかを整理します。

1. 日本人ワーキングホリデー渡航者の人数

内務省(Department of Home Affairs)のワーキングホリデー・メーカー・プログラム報告(2025年6月30日までの1年間)が、通年の数字としては最新です。

日本国籍者、サブクラス4172023–24年度2024–25年度増減
ビザ発給数17,09516,182−5.3%
ファーストビザの申請数14,35010,929−23.8%
セカンドビザの申請数3,0774,228+37.4%
サードビザの申請数3331,174+252.6%
6月30日時点の国内滞在ビザ保持者数13,67412,814−6.3%

雇用主にとっての読み方は2つあります。まず、2024–25年度は新たに渡航する日本人が大きく減っており、1年目の料理人の母数は以前より小さくなっています。次に、2年目・3年目も滞在しようと申請する日本人ワーホリは大幅に増えています。こうした人はすでにオーストラリアで過ごした経験があり、飲食業で働いていたことも多いため、むしろ採用しやすい相手であることが少なくありません。

2. ビザの概要:年齢・期間・費用

内務省は現在、国内からのワーキングホリデー申請を優先して処理しており、国外からの申請は数か月かかる場合があるとしています。まだ日本にいる料理人を採用する場合、ビザが発給されるまでは勤務開始日を決めないでください。

3. 6か月ルールと、飲食店が適用除外になる理由

ワーキングホリデービザには必ず条件8547(condition 8547)が付いており、許可なく同一の雇用主のもとで6か月を超えて働くことはできません。いまだにこれが制約になると考えている飲食店オーナーは多いのですが、大半の飲食店にとってはもはや制約ではありません。

2024年1月1日以降、オーストラリア国内のどこであれ、指定された重要セクターでの仕事であれば、ワーホリ渡航者は許可を求めることなく同じ雇用主のもとで6か月を超えて働けます。観光・ホスピタリティはそのひとつで、内務省はこれに飲食セクター、すなわちカフェ・レストラン、テイクアウト店、ケータリング、パブ、バー、ホスピタリティ系クラブが含まれると明記しています。

ほかにも適用除外はあります(同じ雇用主のもとでの勤務地の変更、農畜産業、自然災害からの復旧、北部オーストラリアの特定業種など)が、飲食店にとって重要なのはホスピタリティの除外です。除外が適用される場合、ビザの残りの期間すべてが対象になります。

平たく言えば、417ビザの日本人料理人は、12か月のビザ期間中ずっとあなたの店で働けます。6か月のカウントは新しいワーキングホリデービザごとにリセットされます。どの除外にも当てはまらない仕事の場合は、本人が内務省に許可を申請できます。たとえば、継続的なフルタイム就労が可能なビザを申請し、結果を待っている場合などです。

4. セカンド・サードビザ:都市部の飲食店が抱える問題

セカンドの417ビザを取得するには、少なくとも3か月の「指定労働」を行っている必要があります(内務省はこれを暦日で88日と数えます)。サードビザには、セカンドビザの期間中に少なくとも6か月(179日)が必要です。

ホスピタリティの仕事が指定労働として認められるのは、北部オーストラリア、遠隔地・超遠隔地(Remote and Very Remote Australia)、または一部の指定郵便番号地域で行った場合に限られます。そのほかの指定労働には、地方での農畜産業、漁業・真珠養殖、植林・伐採、鉱業、建設業などがあります。

これはシドニー、メルボルン、ブリスベンの飲食店に直接影響します。あなたの店のキッチンで働いた月数は、セカンドビザの要件にカウントされません。2年目を希望する料理人は、どこかの時点で地方や遠隔地で働く必要があり、たいていは少なくとも88日間店を離れることになります。

雇用主の対応策は次のとおりです。

5. 雇用主としての義務

あなたのキッチンで実力を証明したワーホリ渡航者は、これ以上ないほどリスクの低いスポンサー候補です。移民規則の別表1では、実質的ビザ(substantive visa)の保持者がオーストラリア国内からSkills in Demandビザ(サブクラス482)を申請することが認められており、417は実質的ビザにあたります。

その場合は通常の要件がかかります。関連する職務経験が1年以上あること、英語試験(2025年9月13日以降に受験した試験であればIELTS各バンド5.0以上、または同等のスコア)、そして2026年7月1日以降に提出する指名であれば、Core Skills Income Threshold(CSIT)のA$79,423以上の給与です。1年の経験には、オーストラリアでのキッチン経験も日本での経験も算入できます。手順と費用はオーストラリアで日本人料理人を雇う方法で解説しています。

7. 雇用主向けチェックリスト

  1. VEVOで候補者のビザを確認する:サブクラス417であること、有効期限、何回目のビザか(ファースト、セカンド、サード)。
  2. 2年目の予定と、すでに済ませた指定労働について聞く。
  3. まだであれば、ワーホリ渡航者の雇用主としてATOに登録する。
  4. アワード上の区分を正しく判断し、週末の割増賃金(penalty rates)を支払う。
  5. 飲食店の仕事には6か月の制限が適用されないことを確認し、問い合わせに備えて内務省のページの写しを保管しておく。
  6. 優秀な料理人とは、ビザの最終週ではなく、9か月目より前にスポンサーについて話し合う。

日本は他の国ともワーキングホリデー協定を結んでおり、料理人がどこへ行くかの選択に影響しています。カナダ英国のユース・モビリティ・スキームニュージーランドもご覧ください。

本記事は2026年9月に公式情報と照合した一般的な情報であり、法律・税務・移民に関する助言ではありません。ワーキングホリデーの規則や適用除外は変更されることがあります。実際に対応する前に、下記の内務省とATOのページで最新情報をご確認ください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。