北米

カナダで日本人調理人をLMIAなしで雇う方法(2026年)

低賃金LMIAが止められている中で、なぜIECワーキングホリデーが唯一開かれたルートになりやすいか。雇用主がすべきこと・しなくてよいこと、州の雇用基準、候補者の探し方とつなぎ止め方、12か月の期限への備え方を解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

2026年、カナダの大都市の厨房求人にとって、インターナショナル・エクスペリエンス・カナダ(IEC)のワーキングホリデーは、多くの場合唯一の合法的な採用ルートです。失業率の高い都市圏では10月8日まで低賃金LMIAが受理されず、それ以外の地域でも今は8週間の求人広告が必要になりました。ワーキングホリデーの採用にはLMIAも雇用主の手数料もポータルへの登録も不要で、必要なのは有効なオープンワークパーミット、州の雇用基準の遵守、そして12か月の期限への備えだけです。本ページでは、参加者側のルール、雇用主として必要なこと、そして候補者の探し方とつなぎ止め方を解説します。

本ページは、カナダの雇用主がLMIA採用の代わりに、あるいは並行して、日本人のワーキングホリデー参加者を検討する際に向けたものです。スポンサー採用のルート選択と総費用はカナダで日本人料理人を雇う(LMIA)、LMIAの申請手続き自体は求人広告のルールと日程を含めてLMIAのステップ・バイ・ステップ・ガイドにあります。日本側で料理人が準備することはカナダLMIA:日本側の準備と違いをご覧ください。

目次

  1. 2026年にこのルートが重要性を増している理由
  2. 日加ワーキングホリデーの概要
  3. 雇用主がすべきこと、州の雇用基準
  4. ワーキングホリデーの調理人の探し方とつなぎ止め方
  5. 計画に織り込むべき制約
  6. 2026年の定員と招待状況(時点データ)
  7. 12か月が過ぎた後

1. 2026年にこのルートが重要性を増している理由

代わりの手段である低賃金LMIAは、現在、厨房の仕事では格段に使いにくくなっています。ESDC(カナダ雇用・社会開発省)は、2026年7月10日〜10月8日に提出される申請について、失業率6%以上の国勢調査都市圏(CMA)での低賃金LMIA申請を受理しておらず、これにはトロント(7.3%)、モントリオール(6.8%)、バンクーバー(6.7%)、カルガリー(7.0%)、エドモントン(7.2%)が含まれます。申請が受理される地域でも、2026年7月9日のESDCの変更により、雇用主はまず連続8週間(従来は4週間)の求人広告を出さなければなりません。手続きの全体はLMIAのステップ・バイ・ステップ・ガイドをご覧ください。

ワーキングホリデー参加者であれば、そのいずれも必要ありません。カナダの大都市で通常の厨房の賃金で働く調理人については、現時点ではこれが唯一の合法的な採用ルートであることも少なくなく、それこそが、その季節の定員の数字以上に、本ページが重要な理由です。

2. 日加ワーキングホリデーの概要

IRCC(カナダ移民・難民・市民権省)の日本向け資格要件ページは、日本国民が利用できる唯一のIECカテゴリーであるワーキングホリデーについて、次のように定めています。

費用は参加者が負担します。IECの参加費C$184.75、オープンワークパーミット保持者手数料C$100、必要な場合は生体認証C$85です(IRCC手数料一覧、2026年9月)。

3. 雇用主がすべきこと、州の雇用基準

IRCCの雇用主向けガイダンスは明快です。ワーキングホリデー参加者はオープンワークパーミットを持っているので、他の人を雇うのと同じ方法で雇えばよい、というものです。実際には、LMIAとそのC$1,000の手数料、IRCC雇用主ポータルでの雇用オファー登録、C$230の雇用主コンプライアンス手数料(日本にはないIECカテゴリーにのみ適用)、CMAの不受理リスト、低賃金の上限、求人広告のルールのいずれも対象外です。それでも必要なことは次のとおりです。

州最低賃金(2026年)時間外労働休暇
オンタリオ州C$17.60、2026年10月1日にC$17.95へ週44時間を超えると1.5倍勤続5年未満は2週間(賃金の4%)、5年以上は3週間(6%)
ブリティッシュコロンビア州2026年6月1日からC$18.251日8時間または週40時間を超えると1.5倍、それを超えるとさらに2倍5年未満は2週間(4%)、5年以上は3週間(少なくとも6%)
ケベック州2026年5月1日からC$16.60執筆時点でCNESSTの英語ページから現在の時間外労働の基準や休暇の割合を確認できませんでした。条件を決める前にcnesst.gouv.qc.caでご確認ください。

BC州では、IECが属する国際移動プログラム(International Mobility Program)の許可で働く労働者について、州の雇用主登録は別途不要です。

4. ワーキングホリデーの調理人の探し方とつなぎ止め方

低賃金LMIAが使えないとき、オーナーが本当に知りたいのはこれです。その人はどこにいて、他の店に取られる前にどう出会うか。

すでにいる場所。バンクーバーとトロントはカナダで最も大きな日本人コミュニティを抱えており、外務省によると2025年10月1日時点でそれぞれ28,090人、18,101人です。ワーキングホリデー参加者の多くも、カナダに着いた後はこの2都市に集まります。英語だけでなく日本語でも求人を出し、ワーキングホリデーのビザ保持者を歓迎する旨をはっきり書き、いつもの媒体だけでなく日本語の求人サイトやコミュニティの媒体にも掲載しましょう。媒体の詳細は日本人料理人は海外の仕事をどこで探しているかをご覧ください。

招待ラウンドとの時間差。IECはプール方式で運用されています。日本の候補者はプロフィールを提出し、シーズンを通じて行われるラウンドで抽選されます。招待は通常、冬の終わりごろに始まり、定員に達するかシーズンが終わるまで続きます。候補者が次の2パターンのどちらかで、計画は変わります。

採用前にテストする。ワーキングホリデーは特定の職業に結びついていないため、日本の厨房で何年も働いてきた人もいれば、まったく経験のない人もいます。体系的なテストを使いましょう。リモート採用のための料理人スキルテストを参照し、農林水産省の調理技能認定を持っているかどうかも確認してください。詳しくは農林水産省の日本料理の調理技能認定をご覧ください。

5. 計画に織り込むべき制約

12か月で確実に終わり、雇用主が延ばすことはできません。3か月かけて育成すれば、フルに戦力となるのは12か月ではなく9か月です。ワーキングホリデーの調理人はラインや仕込みを基本とし、料理長や寿司カウンターの責任者は、できる限り長期の在留資格を持つ人で固めましょう。

他のすべての雇用主と競うことになります。オープンワークパーミットなので、本人はいつでも別のレストランやスキーリゾート、カフェに移れます。残ってもらえるかどうかは給与と待遇次第です。日本人料理人の定着をご覧ください。

年齢制限。30歳を超えると対象外なので、30代・40代の経験豊富なシェフには、このルートは閉ざされています。

何回参加できるのか。情報源によって食い違っています。2026年9月時点で公開されているIRCCの日本向けページでは1回とされています。一方、外務省は、2024年12月以降の改定により、日本国民は現在生涯で2回参加できるとしています。雇用主としてこれを判定する立場にはありません。許可を発行するのはIRCCなので、候補者が有効な許可を持っている限り、それが何回目の参加を表しているかにかかわらず、その許可が雇用の可否を決めます。どちらの政府情報源が正しいかを判断しようとするのではなく、許可の有効期限とカテゴリーを確認してください。

6. 2026年の定員と招待状況(時点データ)

これらの数字は毎週動いており、記載の時点で確認したものです。この数字だけを頼りに採用計画を立てず、必ずIRCCの最新ページで確認してください。

2026年シーズン(日本、IRCC・2026年9月18日時点)
定員6,433
第1回招待ラウンド2026年3月2日の週
これまでの招待数8,062
残りの枠173
プール内の候補者数1,695

招待数が定員を上回っているのは、招待された候補者の一部が辞退したり、招待を失効させたり、不許可になったりするためです。雇用主にとっての実務上の読み方はこうです。残り173枠に対して1,700人近くが待っている状況では、2026年にまだ招待されていない日本在住の候補者は、今シーズン中に招待されない可能性が十分あります。まだ日本にいる人については次のシーズンを現実的な目標とし、すでにカナダにいる候補者のほうが早く採用できると考えましょう。外務省は別途、カナダの年間割当を6,283人としていますが、2026年シーズンについて実際に適用されるのは上記のIRCCの数字です。

7. 12か月が過ぎた後

ワーキングホリデーの調理人が長く働いてほしい人材だと分かった場合は、許可の期限が切れる少なくとも6か月前から計画を始めてください。LMIAには、8週間の求人広告(低賃金の場合)に加え、2026年8月の平均で82営業日の審査期間がかかり、リスト上のCMAでは低賃金LMIAはそもそも受理されません。現実的な選択肢は次のとおりです。

自社にとってこのうちどれが現実的かを、最初から本人に正直に伝えましょう。実現できないスポンサーを約束するのは、優秀な調理人を早々に失う一番の近道であり、その話は、あなたが採用しようとしているのと同じコミュニティの中を伝わっていきます。

本記事は2026年9月に公的情報源から収集した一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。IECのルール、定員、手数料はシーズンごとに定められ、州の基準も変わります。行動の前にリンク先のページをご確認ください。

最も変わりやすい数字:第6章の2026年の定員・招待の時点データ(IRCCのページで毎週更新)、CMA不受理リスト(次回更新2026年10月9日)、州の最低賃金(オンタリオ州は2026年10月1日、BC州とケベック州はそれぞれ別の日付)、LMIAの高賃金基準額(次回改定2027年7月17日)。次回の全体確認は2026年10月です。

よくある質問

日本人のワーキングホリデー調理人を雇うのにLMIAは必要ですか。

不要です。IECワーキングホリデー参加者はオープンワークパーミットを持っているため、LMIAもLMIAの手数料も、雇用主ポータルを通じた雇用オファーの登録も必要ありません。それでも州の雇用基準は完全に適用し、初出勤の前に許可の有効性を確認してください。

日本人はカナダのワーキングホリデーに本当に2回参加できるのですか。

IRCCが公表している日本向けのガイダンスは1回、外務省は2024年12月以降の改定を根拠に2回としており、両者は食い違ったままで、私たちも解消できませんでした。雇用主としては、IRCCが発行した就労許可そのものを判断材料とし、参加回数ではなく許可の有効期限とカテゴリーを確認してください。

日本人のワーキングホリデー調理人はどこで探せますか。

バンクーバーとトロントはカナダで最も大きな日本人コミュニティを抱え、すでにカナダにいるワーキングホリデー参加者も最も集まっています。英語だけでなく日本語でも求人を出し、ワーキングホリデーのビザ保持者を歓迎する旨をはっきり書き、いつもの媒体に加えて日本語の求人サイトやコミュニティのネットワークも使いましょう。

12か月の許可が切れたらどうなりますか。

雇用主が延ばすことはできません。引き続き働いてほしいなら、期限の少なくとも6か月前から高賃金LMIA、条件が合えば低賃金LMIAの準備を始めるか、12か月で終わることを受け入れるかです。どちらが現実的かを本人に前もって正直に伝えましょう。

30歳ではこのルートは使えませんか。

使えます。30歳は上限に含まれます。31歳になると、日本カテゴリーでの最初のワーキングホリデー許可の対象外になります。

出典

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