採用の進め方

料理人向けオファーレターのテンプレート

手直しして使える料理人向けオファーレターに、海外から採用する際の条件(ビザ、書類、不成立時の費用)と、英国・シンガポール・豪州・日本の書面交付ルールを添えました。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. オファーレター(採用通知書)の役割
  2. 料理人向けオファーレターのテンプレート
  3. 海外からの採用で付けるべき条件
  4. 書面での交付を法律で求められるもの
  5. 日本にいる料理人にオファーを送る場合
  6. 送る前の確認

オファーレターを送る段階では、料理人との条件はすでに口頭でまとまっているはずです。レターの役割は、半年後に誰かの記憶が食い違わないよう、その条件をはっきり書面にすることです。そして国をまたいで移る料理人の場合は、ビザが不許可になったり遅れたりしたときにどうなるかを書いておくことです。

このページでは、テンプレートと、手直しが必要な部分を説明します。これは契約書ではなく、採用する国の労働法が求める書面での労働条件の明示に代わるものでもありません。料理人の雇用契約チェックリストとあわせて使い、最終的な書類は現地の労働法の専門家に確認してもらってください。

1. オファーレター(採用通知書)の役割

短くまとめてください。2ページで十分です。懲戒手続き、休暇制度の全体、守秘義務など、契約書に書くべき細部は契約書に残します。

2. 料理人向けオファーレターのテンプレート

[ ]内をすべて書き換えてください。実際に使うつもりのない条項は削除します。決して行使しない条項は、疑念を生むだけです。

[会社のレターヘッド]
[日付]

[氏名]様

[(日付)の試食会を含め、]選考にお時間をいただきありがとうございました。[店名]([住所])の[職種名]として、下記の条件で採用をご提案いたします。

職位

報告先は[氏名、肩書き]です。主な職務は、添付の職務記述書のとおりです。

入社日

[日付]、または就労ビザの許可後に入社が可能となる最初の日のいずれか遅い日とします。[(日付)までにビザが許可されない場合、いずれの当事者も、「転居」の項に定めるものを除き、費用を負担することなく本オファーを撤回できるものとします。]

給与

[通貨][金額]/[年・月・時間]、[毎月/隔週]払い。[賞与またはサービス料の分配方法と、その計算方法]。給与の見直しは[試用期間終了後/毎年(月)]に行います。

勤務時間と休日

週[x]日、週[x]時間。休日は週[x]日です。[時間外労働の支払い方法または代償措置]

休暇

年次有給休暇は年[x]日、ほかに[祝日/現地法の定めによる休日]。[一時帰国休暇の取り扱いがあれば記載]

試用期間

最初の[x]か月を試用期間とします。[試用期間中の予告期間:x][試用期間の評価も参照]

転居とビザ

当社は[ビザの種類]のスポンサーとなり、[ビザ申請費用、弁護士費用、片道航空券、最初のx週間の宿泊費、荷物の輸送手当など]を負担します。[返還条件がある場合は記載。ただし営業地で合法な範囲に限る]

福利厚生

[健康保険、勤務中の食事、制服、包丁手当、年金・退職金制度、社員割引]

本オファーの条件

本オファーは、次の条件を満たすことを前提とします。

雇用契約

詳しい労働条件は雇用契約書に定め、[入社日までに/(日付)までに]お送りします。本レターと雇用契約書の内容が異なる場合は、雇用契約書が優先します。

ご承諾について

ご承諾いただける場合は、本レターに署名のうえ、[日付]までに写しをご返送ください。ご質問は[氏名、メールアドレス、電話番号]までお寄せください。

ご一緒に働けることを楽しみにしております。

[氏名]
[肩書き]
[店名または会社名]

承諾:______________________ 日付:__________

3. 海外からの採用で付けるべき条件

料理人が海外にいる場合、最も大切なのは条件の項です。押さえるべき点は3つです。

返還条項には注意が必要です。一部のビザ制度では、雇用主が特定の費用を労働者から回収することを禁じています。たとえば英国では、スポンサーは移民技能負担金(Immigration Skills Charge)を自ら支払わなければならず、スポンサーされる労働者にその費用や申請に関連する費用を支払わせた場合、スポンサーライセンスが取り消される可能性があるとGOV.UKに記載されています。当サイトで確認できたものは雇用契約チェックリストにまとめています。転居支援で一般に何を負担するかは料理人の転居支援パッケージをご覧ください。

4. 書面での交付を法律で求められるもの

オファーレターだけでこうしたルールを満たせることはまれですが、何を交付することになるのかを知っておくと役立ちます。当サイトで確認した例をいくつか挙げます。

書面での労働条件に関する要件
英国雇用初日に雇用条件の「主要記述書(principal statement)」を、入社から2か月以内にそれ以外の記述書を交付(GOV.UK)。
シンガポール勤務初日から14日以内に主要雇用条件(Key Employment Terms)を書面で交付(人材開発省)。
オーストラリアすべての新規従業員に、就業開始前または開始後できるだけ早くFair Work Information Statementを交付。カジュアル従業員と有期契約の従業員には、それぞれ専用の情報書面も交付(Fair Work Ombudsman)。
日本(雇用主が日本の会社の場合)労働基準法第15条により、労働契約の締結に際して賃金、労働時間その他の労働条件を明示する必要があります。2024年4月からは、就業場所・業務の変更の範囲の明示も必要です(厚生労働省)。

ほかの国のルールは異なります。料理人が働く国の労働省で確認してください。

5. 日本にいる料理人にオファーを送る場合

現地採用ではなく、日本の親会社からの出向の場合は書類が異なります。出向契約・雇用契約の作り方をご覧ください。

6. 送る前の確認

本記事は一般的な情報であり、法律や在留資格に関する助言ではありません。このテンプレートは出発点にすぎません。労働法や入国管理法は国によって異なり、変更されることもあります。オファーレターと雇用契約書は、現地の専門家に確認してもらってください。

出典

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