採用の進め方

飲食店の退職面談:厨房スタッフへの質問と進め方

飲食店向けの印刷してそのまま使える英語・日本語併記の退職面談様式。12の質問、実施タイミング、聞き手の選び方、気づきを行動に変える方法、スポンサードビザの料理人の退職時対応まで解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

退職面談は1回ではなく2回に分けて行います。最終勤務週に15〜20分、そして退職後4〜8週間、最終給与の精算が終わり次の職場に落ち着いた頃に10分ほど。以下の英語・日本語併記の12問とそのまま使える様式を使い、直属の上司以外の人が聞き手となり、答えは7つのカテゴリーに分類してください。3人が同じ理由を挙げれば、それは偶然ではなくパターンとして見えてきます。スポンサードビザで働く料理人が辞める場合は、記録を締める前に第6章の退職時の対応を確認してください。

このページは、厨房スタッフが実際になぜ辞めるのかを知りたいGMやオーナー向けで、面談そのもの、つまりタイミング、聞き手、質問セット、答えを行動につなげる方法を扱います。離職率と離職1件あたりのコストは飲食店の離職率にまとめており、ここでは繰り返しません。定着のために厨房で何を変えるべきかは日本人料理人の定着にあり、同じ質問群を「ステイインタビュー」として使う方法も扱っています。

目次

  1. そのまま使える様式:英語・日本語の12問
  2. 実施のタイミング:1回ではなく2回
  3. 誰が聞くべきか
  4. 日本人スタッフから本音を引き出す
  5. 気づきを行動に変える
  6. スポンサードビザの料理人の場合
  7. 避けるべきこと

1. そのまま使える様式:英語・日本語の12問

多くの飲食店は、退職理由を噂や求人サイトの悪い口コミから知るか、まったく知らないままです。退職面談は、辞める人と行う短く構造化された会話で、次の人が同じ理由で辞める前に、原因を直せるようにするためのものです。ここに載せるのは説明ではなく様式そのものです。印刷するか自社の書式にコピーして、そのままお使いください。

#英語日本語備考・尺度
1What made you start looking for another job?ほかの仕事を考え始めたきっかけは何でしたか。自由回答。本人の言葉のまま記録する
2Was there a moment when you decided to leave?辞めようと決めた、具体的な出来事はありましたか。自由回答
3What could we have changed that would have made you stay?何が変わっていれば、続けてもらえたと思いますか。自由回答
4How did the job compare with what you were told when you were hired?入社前に聞いていた内容と、実際の仕事に違いはありましたか。自由回答
5On a scale of 1 to 5, how were the hours and the rota for you?1〜5で、勤務時間やシフトの組み方はどうでしたか。数字で回答後、1上げるには何が必要かを聞く
6On a scale of 1 to 5, did you feel your pay was fair for the work?1〜5で、仕事の内容に対して給与は妥当だと感じていましたか。数字で回答後、深掘りする
7On a scale of 1 to 5, did you get the training and feedback you needed?1〜5で、必要な指導やフィードバックは受けられましたか。数字で回答後、深掘りする
8How was working with the kitchen team and your manager?厨房のメンバーや上司との関係はどうでしたか。自由回答
9(Staff from abroad) How much did housing, visa or life outside work affect your decision?(海外から来たスタッフ)住まい、ビザ、生活面は、今回の判断にどのくらい影響しましたか。自由回答・任意
10Where are you going next, and what does it offer that we did not?次の職場はどちらですか。こちらになかった条件は何でしょうか。任意。無理に聞かない
11What should we keep doing?今後も続けたほうがよいと思うことは何ですか。自由回答
12Would you consider working with us again in the future?将来、またいっしょに働く可能性はありますか。はい/わからない/いいえ

順番通りに使い、当てはまらないものは飛ばし、印のある質問は自由回答のまま聞いてください。日本語の言い回しはあえて柔らかく丁寧にしており、日本人スタッフからより充実した答えを引き出しやすくなっています。12問目は見た目以上に重要です。出戻り採用は最も採用しやすい層の一つですし、良い形で辞めた料理人は他の人を紹介してくれます。

退職者ごとに、日付・職種・在籍期間、第5章のテーマ、一言引用を記録する1枚のまとめシートを作ってください。半年分たまったこのシートこそがこのページの本当の狙いであり、一度きり聞いて綴じ込むだけの12問ではそうはなりません。

2. 実施のタイミング:1回ではなく2回

まだ推薦状や最後の給与、スムーズなビザの手続き終了が必要な間は、なかなか本音を言いません。実践的なのは、短い会話を2回に分けることです。

日本に帰国する料理人であれば、2回目はビデオ通話や日本語の簡単なフォームでも構いません。時差には注意してください。時差をまたいだ日程調整のガイドに、使える時間帯の表と、時差に左右されない計画の立て方をまとめています。

3. 誰が聞くべきか

直属の上司は避けてください。料理長が退職理由の一因であれば、答えは当たり障りのないものになり、役に立ちません。望ましい順に並べると次の通りです。

  1. 直属の上司でなければ、オーナーまたは総支配人。
  2. グループ内の別店舗のマネージャー。
  3. 英語が得意でない日本人スタッフには、厨房の指揮系統の外にいる日本語ができる人。第二言語での会話は、本当の理由を隠してしまうことが多いためです。

会話の最初に、答えがどう扱われるかを伝えてください。誰が見るのか、推薦状や最終給与に影響しないこと、どの質問も答えたくなければ断れることです。

4. 日本人スタッフから本音を引き出す

多くの日本人スタッフは、職場を直接批判すること、特に目上の人に対して批判することをためらいます。退職時によく挙げられる「家庭の事情」「日本に戻りたい」といった理由は、本当であっても、それがすべてではないことがあります。実践的な工夫としては次のようなものがあります。

5. 気づきを行動に変える

面談の当日中に、まとめシートへ本人の言葉のまま主な理由を記録してください。そのうえで、退職者をまたいで集計できるよう1つのカテゴリーに分類します。

カテゴリー例直近8人中3人がこれを挙げたら
給与・待遇相場より低い給与、昇給なし、チップ、残業代現在の市場データと自社の提示額を照合する。国別の寿司職人の給与を参照。昇給の方が補充コストより安く済むことが多い。
勤務時間・シフト中抜けシフト、遅い終業、連休が取れないシフトのひな形を組み直し、本格導入前に2週間試してみる。
マネジメント料理長との対立、期待が不明確、フィードバックがない新人だけでなくチーム全体に、短い定期面談を導入する。
成長機会昇進の道筋がない、新しいステーションを学べないスキルマトリクスで道筋を目に見える形にする。天井があっても正直に示す方が、隠すよりましである。
仕事以外の生活住まい、ビザ、家族、孤独、帰国避けられないことも多いが、住居の質や着任後最初の数か月の支援が要因だったか確認する。
聞いていた仕事と違う役割・ステーション・業務が採用時の説明と異なる求人票・オファーレターと実際の業務内容を照合し、食い違う部分を書き直す。
やむを得ない事情転居、進学、健康、ワーキングホリデー終了良い推薦状を渡す以外に対応は不要。該当すれば12問目を活用する。

半年ごとにオーナーと料理長とこの記録を見直し、1件ごとの答えに反応するのではなく、繰り返しに注目してください。その結果として何を変えたかをチームに伝えます。残っているスタッフは、退職面談の内容が行動につながったことに気づき、それが次の退職面談をより率直なものにします。

記録は、現地のプライバシー法の下で人事記録として扱ってください。安全に保管し、閲覧できる人を限定し、必要以上に長く保存しないようにします。

自社がスポンサーとなっているビザや就労許可を持つ料理人が退職する場合、退職の申し出をもって記録を終えることはできません。締める前に、次を確認してください。

この章はあえて短くしています。ビザ制度そのものの詳細は、当サイトの国別採用ガイドでそれぞれ扱っており、ここでは繰り返しません。ここでの狙いは、このリストを確認する前に退職面談の記録が閉じられてしまわないようにすることだけです。

7. 避けるべきこと

退職面談を行う根拠となる離職率のデータは離職率ガイドにまとめており、元となる政府統計が更新されるたびにそちらで更新します。このページ自体には期限のある数値は載せておらず、12問と進め方の見直しは、読者から質問が機能しなくなったという声があった場合に行います。

よくある質問

退職面談はいつ行うべきですか。

2回です。最終勤務週に15〜20分の短い会話、そして退職後4〜8週間、最終給与の精算が終わった頃にもう一度、より短い会話をします。多くの人は1回目より2回目の方が正直に話します。

誰が退職面談を行うべきですか。

直属の上司は避けます。特にその上司が退職理由の一因である場合はなおさらです。オーナー、別店舗のマネージャー、あるいは英語が得意でない日本人スタッフには厨房の外にいる日本語ができる人が、より正直な答えを引き出しやすい傾向があります。

批判をためらう日本人スタッフから、どう本音を引き出しますか。

人ではなく状況について尋ね、数字で答える尺度の質問を使ってその数字について深掘りし、意見を直接求めるのは避け、各質問の後は自分から沈黙を埋めずに間を置いてください。

スポンサードビザの料理人が退職したら何をすべきですか。

入管・労働当局への届出義務、帰国渡航費の負担者、国をまたぐ最終給与の扱い、料理人が次のステップのために必要とする推薦状や書類を、記録を閉じる前に確認してください。

1回の面談で得た12個の答えをどう扱えばよいですか。

主な理由を第5章のカテゴリーのいずれかに分類し、継続的なまとめシートに記録してください。1回の面談だけで何かが変わることはめったにありません。8人中3人が同じカテゴリーを挙げれば、対応する価値のあるパターンです。

一般的な情報であり、法律の助言ではありません。ビザの届出義務、帰国渡航費の負担、人事記録のプライバシー規定は、管轄地域と制度によって異なります。個別のケースについては公式ルールを確認してください。

出典

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