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学位なしの中国就労ビザ:料理人のA・B・Cランクを解説

中国の全国共通就業許可制度を1ページで解説。公式プラットフォームで確認したA・B・Cランク、60点到達の3プロファイル、14週間の日程、給与以外にかかる費用まで。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

中国は外国人労働者を全国共通の就業許可制度でA・B・Cの3ランクに分類します。学士以上の学位と2年以上の関連実務経験があれば、料理人はそのままBランクに該当します。学位がない場合は、公式の得点表で60点以上を取るか(給与、実務経験、年齢、中国での勤務月数が主な配点要素です)、現地平均賃金の4倍以上の給与を提示する方法があります。Cランクは90日以内の短期就労が対象です。書類がそろってから最初の出勤までは6〜8週間を見込み、日本での書類収集の期間は別に必要です。

このページは、日本から料理人を呼ぶ際の中国全国共通の就業許可制度(A・B・Cランク、得点テスト、費用、申請から着任までの日程)を扱います。上海独自の申請手順、期限、給与相場は上海のページにまとめています。香港とマカオは別の制度です。香港とマカオをご覧ください。

目次

  1. A・B・Cの3ランク
  2. 料理人の得点:3つのプロファイル
  3. 手続きと14週間の日程
  4. 採用にかかる費用
  5. 省・市による違い
  6. 採用先の市場の状況

1. A・B・Cの3ランク

中国は統一的な外国人就業許可制度を、2016年10月から複数の都市で試行し、2017年4月1日から全国で実施しました。申請者をA・B・Cのランクに分類する基準は2017年の通知で定められており、科学技術部が運営する全国の外国人就業サービスプラットフォームに、現在も適用される基準として掲載されています(2026年9月27日確認)。中国で就労する人はZビザが必要で、Zビザは就業許可通知に基づいて発給されます。

ランク対象(概要)人数枠
A:外国ハイレベル人材人材招致計画の選出者、国際的に認められた業績、奨励類職務の上級管理職、または85点以上数量制限なし
B:外国専門人材学士以上の学位かつ2年以上の関連実務経験、または国際的に通用する職業技能資格、または現地平均賃金の4倍以上の給与、または60点以上市場需要による制限
C:その他の外国人90日以内の臨時・短期就労、数量割当で管理される就労、その他既存規定に合致する場合国・省の関連規定による

日本人料理人の多くはBまたはCで審査されます。調理の学位を持ち、関連職務で2年の経験があるヘッドシェフは、得点表を使うまでもなくBの基準をそのまま満たします。学位のない料理人は、国際的に通用する職業技能資格か60点のどちらかが必要です。農林水産省の調理技能認定(調理技能認定制度の解説参照)がこの職業技能資格に当たるかについて、公式の見解は見つかりませんでした。それを前提に申請を組み立てず、現地の外国専門家サービス窓口に書面で確認してください。

2. 料理人の得点:3つのプロファイル

得点表は、給与、学歴、実務経験、中国での年間勤務月数、中国語、年齢、勤務地、そして各省が独自に定める最大10点の地方加点に点数を与えます。

要素配点
中国の雇用主から支払われる年間給与0点(5万元未満)〜20点(45万元以上)。25万元以上35万元未満は14点
学歴または職業技能資格学士10点、修士15点、博士または最高ランクの職業技能資格20点
関連する実務経験2年で5点、2年を超える1年ごとに1点加算、最高20点
年間の中国での勤務月数9か月以上で15点
中国語能力(HSK)HSK1級1点〜HSK5級以上5点
年齢26〜45歳15点、46〜55歳10点、56〜60歳5点、61歳以上0点
勤務地、出身大学、地方加点西部地区や旧工業地区、有力大学卒業などで加点。省が定める地方加点は最大10点

これは審査ではなく、あくまで試算です。実際の採点は当局が行い、地域による運用の差もあるため、下の3つのプロファイルは、どの要素が結果を動かすかを見るための目安としてお使いください。

プロファイル条件該当ルート
学位あり、30歳調理の学位、関連経験3年、年収20万元学位プラス2年の実務経験の基準でそのままBランクに該当します。得点表は不要です。
学位なしのベテラン、38歳関連経験10年、年収30万元、1年を通じて中国で勤務、中国語試験なし14点(給与)+13点(経験)+15点(勤務月数)+15点(年齢)=57点で、60点にわずかに届きません。HSK4級があれば4点加わり届きます。年収35万元〜45万元の帯(17点)に上げても届きますし、省の地方加点が使える場合もあります。どれか一つで十分と決めつけず、事前に確認してください。
学位なしの若手、26歳関連経験3年、年収15万元、中国での勤務は初年度11点(給与)+6点(経験)+15点(年齢)=32点で60点にはほど遠く、初年度は勤務月数9か月にも届きません。この層は通常、短期のCランク、実務経験を積んでからの再挑戦、または職業技能資格の取得が必要になります。

給与、経験、年齢、勤務月数、中国語は、雇用主と候補者が動かせる要素です。不許可になってからではなく、内定を出す前に得点表で試算してください。

3. 手続きと14週間の日程

  1. 就業許可通知。雇用主が全国の「外国人来華工作管理服務系統」でオンライン申請します。所要時間は通常約15営業日です。主な提出書類は、申請表、職歴の証明、最高学位の証書と職業資格証明書、無犯罪記録証明、健康診断証明、労働契約、パスポート、写真です。日本の犯罪経歴証明書については日本の犯罪経歴証明書をご覧ください。
  2. Zビザ。料理人が就業許可通知とパスポートを持って、在日中国大使館・総領事館で申請します。通知が出たらすぐに予約を取ってください。処理期間は全国一律ではなく各領事館が決めるため、予約時に確認します。
  3. 入国後の就業許可証。就業許可証そのものの受け取りには、上海のように入国後15営業日以内など、地域ごとに期限があります。勤務地の期限を確認してください。
  4. 居留許可。入国後30日以内に地元の公安機関に申請し、指紋を採取されます。更新には約15営業日かかります。
着任前の週数やること
14週間前料理人の学位・職業資格証明書、日付入りの職歴証明を集め、最も時間がかかりがちな日本の犯罪経歴証明書の取得を始める。
13週間前健康診断の予約を取り、就業許可通知に必要な形式で労働契約を整える。
10週間前就業許可通知をオンラインで申請する。料理人が日本で退職を伝えるのはこの通知が出てからで、内定通知の時点ではありません。
8週間前通知が発行される。料理人が最寄りの中国大使館・総領事館でZビザの予約を取る。
5〜6週間前Zビザ取得。渡航手配と日本での退職手続きを進める。
0(着任)中国入国。
入国後15営業日以内(都市による)就業許可証を受け取る。
入国後30日以内公安機関で居留許可を申請し、指紋を採取される。

4. 採用にかかる費用

2026年9月27日確認の数字。得点表とランクの基準:科学技術部の外国人就業サービスプラットフォーム、外国人来華工作分類標準(試行)。通知の処理期間:約15営業日(ジェトロによる同規則の要約)。日本と中国の間には社会保障協定が発効していますが、対象は社会保険の二重加入の解消のみで、年金加入期間の通算はできません(日本年金機構、2026年3月2日時点)。シンガポールやマレーシアとの協定はありません。

初年度の費用は、上の得点例で使った年収30万元(月額約2万5千元)というBランクの想定水準を軸に組み立てます。

項目備考
給与 年収30万元狙う得点表の給与帯、または直接Bランクとなる現地平均賃金の4倍以上の水準に合わせて設定
雇用主負担の社会保険・住宅積立金ほとんどの都市で外国人従業員にも加入が義務付けられており、雇用主負担の合計はおおむね給与の30〜40%ですが、正確な料率と免除の有無は都市ごとに異なります。内定を出す前に現地の給与代行会社に見積もりを取ってください
日本での社会保障協定加入証明日中社会保障協定により、日本の雇用主から派遣される料理人は、日本の制度にとどまったまま中国の社会保険の一部が免除される場合があります。適用範囲と期間の上限は日本年金機構に確認してから前提にしてください
健康診断受診する医療機関に支払い。費用は全国一律ではなく現地で決まります
Zビザ手数料発給する領事館が相互主義に基づき設定。予約時に確認
就業許可通知・居留許可の手数料省・市が独自に定めます。現地の外国専門家サービスまたは公安機関に確認してください
渡航費、引っ越し、代行費用各社の見積もり

全国共通の一つの数字に落とし込めなかったのは、社会保険・住宅積立金の合計料率です。各都市が独自に定めているため、現地の給与代行会社の見積もりを取ってから内定を出してください。

5. 省・市による違い

全国共通のランクと得点表はどこでも土台になりますが、省・市によって違うものが3つあります。最大10点の地方加点、入国後に就業許可証を受け取る期限(15営業日が一般的ですがすべての都市に共通ではありません)、そして実際に審査する窓口です。上海独自の手続き、15日の期限、人材サービスセンターは上海のページで詳しく解説しています。北京独自の、全国共通の居留許可30日ルールより短い期限は見つかりませんでした。北京で採用する場合は現地の外国専門家サービスに直接確認してください。

6. 採用先の市場の状況

中国本土は日本食レストランの数が世界で最も多い国であり、同時に減り幅も最大です。農林水産省の調査では、2025年の日本食レストランは約63,500店で、2023年から15,260店減りました。世界全体の店舗数が減ったのは2013年の調査開始以来初めてで、農水省はこれを主に中国の景気減速によるものとしています。外務省によると、2025年10月1日時点の中国の在留邦人は92,928人で前年比4.7%減、上海だけで31,733人・8.5%減でした(上海のページ参照)。採用の面では、店舗数の減少は両方向に働きます。次の職場を探す経験豊富な調理師は増える一方、在留邦人の減少は高価格帯の業態にとって顧客の減少を意味します。まず中国国内で採用し、内定を出す前に得点表で候補者を試算してください。

変わる数字:得点表の給与帯は平均賃金の上昇に応じて見直され得ますが、直近の改定は2017年で、60点・85点の基準やランク自体はそれ以降変わっていません。申請前に全国の外国人就業サービスプラットフォームと勤務地の外国専門家サービスを確認してください。次回確認は2027年9月です。

よくある質問

学位のない日本人料理人でも中国の就業許可は取れますか。

取れます。60点で該当するBランク(給与、経験、中国での勤務月数、年齢が主な配点要素です)、国際的に通用する職業技能資格、または現地平均賃金の4倍以上の給与のいずれかによります。学位がない場合は、内定を出す前に得点表で試算してください。

農林水産省の調理技能認定は中国の就業許可に役立ちますか。

得点制度上の国際的に通用する職業技能資格に当たるという公式の見解は見つかりませんでした。それに頼った申請を組む前に、現地の外国専門家サービス窓口に書面で確認してください。

書類がそろってから中国の就業許可が下りるまで、どのくらいかかりますか。

書類が整った後、処理だけならおよそ6〜8週間です。就業許可通知が約15営業日、その後領事館でのZビザ、入国後は地域ごとの期限で就業許可証と居留許可を取得します。それ以前の、日本での書類収集、特に犯罪経歴証明書の取得が最も時間がかかりがちです。

中国の就業許可には、給与のほかにどんな費用がかかりますか。

雇用主負担の社会保険・住宅積立金(都市ごとに異なりますがおおむね給与の30〜40%)、領事館が定めるZビザ手数料、そして省・市が定める通知・許可証・居留許可の手数料です。日本から派遣される料理人は、日中社会保障協定により社会保険の一部が免除される場合があります。

就業許可の制度は中国のどの都市でも同じですか。

ランク、60点・85点の基準、得点表の主な要素は全国共通です。省・市によって異なるのは、最大10点の地方加点、入国後に就業許可証を受け取る期限、そして審査する窓口です。上海独自の期限は別途解説しています。

本記事は2026年9月に確認した中国および日本の公的情報に基づく一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。分類基準は2017年のもので、各省・市の当局が運用し、独自の規則や手数料を加えることがあります。申請前に、所在地の外国専門家部門または人力資源部門で最新の要件を確認してください。

出典

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