中東・中南米

クウェートで日本人料理人を雇う:市場と労働法

日本食レストラン170店に対し在留邦人は142人のクウェート。国外から料理人を雇う雇用主が労働法に基づき契約に盛り込むべき条件、料理人が雇用主を変えられる時期、確認できなかった点を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 在留邦人の少なさに比べて大きな飲食市場
  2. 確認できたこと、できなかったこと
  3. 契約に入れるべき労働法の条件
  4. 料理人が雇用主を変えられる時期
  5. 実務上の進め方

クウェートには、ごく小さな日本人コミュニティから想像するよりも多くの日本食レストランがあります。そのため、日本人料理人を求める厨房のほとんどは国外から採用しています。本記事では、市場の数字、雇用主が料理人の契約に盛り込むべき労働法の条件、雇用主の変更に関するルールを解説します。なお、今回の更新ではクウェートの現行の労働許可の手続きと手数料を公式ページで確認できませんでした。非公式の数字を繰り返すのではなく、その点を以下で率直にお伝えします。

1. 在留邦人の少なさに比べて大きな飲食市場

この2つを合わせると結論ははっきりしています。日本食レストランの数が長期滞在の日本人の数を上回っているのですから、多くの厨房はおそらく日本人以外の料理人が担っており、日本人の料理長を求める店は、ほぼ確実に日本やほかの国から呼び寄せることになります。その採用を計画するなら、料理人が既存のチームをどう育てるかも合わせて考えてください。スタッフへの和食の教え方をご覧ください。

2. 確認できたこと、できなかったこと

2026年9月に公式情報を確認しました。確認できた内容は、国際労働機関(ILO)のクウェートに関するファクトシート(2023年12月更新)に基づくもので、同資料は民間部門労働法(2010年法律第6号)と関連する決定を要約しています。それによると、労働法第10条は、労働者の採用のために雇用主が支払う手続き、書類、手数料を大臣が決議で定めると規定しています。

一方、人的資源公団(Public Authority for Manpower)のウェブサイトやクウェートの新しい規則の本文は開くことができなかったため、本記事では現行の労働許可の手順、処理期間、手数料の金額を記載していません。クウェートの国営通信KUNAは2024年11月、首長令により外国人の居住に関する新法が公布されたと報じましたが、本文を開いて雇用主への影響を確認することはできませんでした。予算を組んだり着任日を約束したりする前に、人的資源公団と内務省、または現地の認可を受けた代理人に最新の手続きを確認してください。

エージェントから「クウェートの料理人ビザ」として一括の費用を提示されたら、どこまでが公的な手数料で、どこからがエージェントの手数料なのかを確認してください。労働法第10条は公的な手数料を雇用主が支払うものとしていますが、ILOは労働者から採用手数料を取ることが明文で禁止されてはいないと指摘しています。料理人に負担させないでください。

3. 契約に入れるべき労働法の条件

ILOのファクトシート(家事労働者以外の民間部門労働者)によると次のとおりです。

残業の上限には注意が必要です。1日11〜12時間の営業が当たり前の和食の厨房では、1日2時間の残業上限を超えてしまいます。料理人の勤務が法律の範囲に収まるよう、シフトと人員を設計してください。雇用契約チェックリスト国別の残業ルールが参考になります。

4. 料理人が雇用主を変えられる時期

ILOのファクトシートによると、クウェートの民間部門の労働者の多くは、雇用主の承認があれば、1年間継続して勤務した後にほかの雇用主へ移籍できます。雇用主の許可がない場合、移籍できるのは労働許可の発行から3年後で、一部の業種と中小企業には例外があります。契約期間の途中で同意なく移りたい労働者は、人的資源公団の労使関係部に申し立てる必要があります。

これらのルールは、バーレーンよりも最初の数年について雇用主に強い権限を与えています。ただ、縛られていると感じる料理人がよい仕事をすることはまずありません。定着はやはり給与、住居、労働条件で決まります。日本人料理人の定着をご覧ください。

5. 実務上の進め方

  1. 人的資源公団、内務省、または現地の認可代理人に、最新の労働許可・居住の手続きと手数料を確認する。
  2. 給与だけでなく、航空券、住居、医療保険、退職金も予算に入れる。海外からの料理人採用の予算づくりを参照。
  3. リモートで採用・実技テストを行い、在職証明と無犯罪証明書を早めに集める。日本の無犯罪証明書を参照。
  4. 労働時間、残業、休日を法律の範囲内で定め、英語版または日本語版を添付したアラビア語の契約書に署名する。
  5. 最初の月から、賃金保護制度を通じた給与支払いに料理人を登録する。

本記事は、2026年9月にILOのクウェートに関するファクトシート(2023年12月)と日本政府の統計で確認した一般的な情報です。クウェートの現行の労働許可の手続きや手数料は公式ページで確認できませんでした。法律や移民手続きに関する助言ではありません。実際の手続きの前に、人的資源公団と内務省に確認してください。

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