英国・欧州

ポルトガル就労ビザ:AIMAと給与、2026年版

就労(従属労働)居住ビザ、入国後のAIMA予約がなぜ本当のリスクなのか、2026年のポルトガル最低賃金、労働協約の給与について確認できなかった点、総費用と逆算スケジュールを解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

長期雇用の料理人には、就労(従属労働)居住ビザが基本ルートです。雇用契約書または内定書があれば、2回入国可能で有効期間4か月のビザが発給され、その間にAIMA(移民庁)の居住許可の予約を取る必要があります。給与は2026年のポルトガル最低賃金である月920ユーロに加え、自社に適用される労働協約の水準を満たす必要がありますが、今回の確認では料理人・料理長向けの現行の公表賃金等級を確認できなかったため、最低賃金より上乗せした額を提示し、労働協約の内容を別途確認してください。AIMAの予約待ちこそ最も失敗しやすい段階で、ビザの4か月を過ぎた場合にどうなるかも今回確認できませんでした。これは形式的な手続きではなく本当のリスクとして扱い、期限が迫る前に現地の専門家に相談してください。

このページは、ポルトガルの飲食店に料理人を雇うオーナーや日本の企業グループ向けです。ビザのルート、給与、AIMAの段階、費用、日程を扱います。日本人料理人の多くは「高度資格保有者」向けビザの給与基準(シニアな専門職・経営層向けの水準)を満たせないため、ここではEUブルーカードの基準を繰り返しません。ポルトガル独自のビザ制度がすでにシニア層を別枠で扱っており、ブルーカードは欧州のどこでも料理人にはほとんど当てはまらないためです。学位を持つ非常にシニアな候補者がいる場合はEUブルーカードガイドをご覧ください。短期の人材については欧州ワーキングホリデーガイドをご覧ください。

目次

  1. 飲食店に関係するビザのルート
  2. 就労(従属労働)居住ビザ
  3. 入国後:AIMA居住許可と本当のリスク
  4. いくら払うか:最低賃金と確認できなかった点
  5. オファーレターのひな形
  6. 総費用と逆算スケジュール
  7. リスボンの厨房が雇う場合

1. 飲食店に関係するビザのルート

ルート内容日本人料理人への当てはめ
就労(従属労働)居住ビザ2回入国可、有効期間4か月。この間にAIMAへ居住許可を申請する長期雇用の料理人にとって基本ルート
季節労働向け一時滞在ビザ90日を超える季節労働向け、1年未満の滞在本当に季節性のある職務のみ
高度資格保有者向け従属活動居住ビザ6か月以上の契約で、給与はポルトガルの基準の倍数(平均総給与の1.5倍、またはIAS社会支援指数の3倍)で設定されるシニアな専門職・経営層向けの水準。今回の確認では計算式を現在のユーロ額に換算できませんでしたが、それでも通常の料理人の給与を大きく上回る水準です
ワーキングホリデー(Work and Holiday)一時滞在ビザ提携国の若者向けに最長12か月18〜30歳の短期の調理人材

2. 就労(従属労働)居住ビザ

このビザに関する領事館の書類リストは短く、雇用主からの雇用契約書、内定書、または関心表明書と、規制対象の職業である場合のみ職業資格証明書(調理はこれに該当しません)です。生計手段の証明は契約書や内定書の収入で足り、雇用主が責任表明書に署名して裏付けることもできます。労働市場テストに関する要件は書類リストに含まれていません。

就労関連書類に加えて、料理人は一般的な国内ビザ申請書類一式を提出します。記入済みの申請書、写真2枚、帰国予定日から3か月以上有効なパスポート、医療費・帰国費用をカバーする旅行保険、そして日本および1年以上居住した国の犯罪経歴証明書(アポスティーユまたは認証済み)です。手数料は110ユーロで、法定の審査期限は60日(一時滞在ビザは30日)です。

申請開始には内定書でも足りますが、実際の条件は書面にしておきましょう。職務、業務内容、給与、勤務時間、開始日です。同じ書類が後のAIMA申請でも役立ち、料理人本人との認識合わせにもなります。契約書チェックリストに記載すべき項目をまとめています。

3. 入国後:AIMA居住許可と本当のリスク

居住ビザは入国のための切符であって、手続きの終着点ではありません。2回入国可能で有効期間は4か月、その間に料理人はAIMA(移民・統合・庇護庁)の居住許可の予約を取る必要があります。今回の確認ではAIMAが公表する待ち時間の目安は見つからず、予約がビザの4か月を過ぎてしまった場合に料理人がどのような法的地位に置かれるのかも確認できませんでした。ポルトガルの入管手続きは近年、実際に大きな滞留を抱えてきた経緯があります。

この段階を「本当のビザ」の後のおまけの手続きではなく、採用全体が実際に機能するかどうかを決める部分として扱ってください。ビザで認められる最も早い時期にAIMAの予約を申し込ませ、予約が取れる前から契約書・給与明細・住所証明などの書類一式を整えておき、4か月の期限が迫っているようであれば、成り行きを待つのではなく、すぐにポルトガルの移民法専門の弁護士に相談してください。受け入れガイドの最初の1か月のチェックリストを、この段階に合わせて活用できます。

4. いくら払うか:最低賃金と確認できなかった点

ポルトガルの2026年の全国最低賃金は月920ユーロで、2025年の870ユーロ、2024年の820ユーロから引き上げられています。飲食・宿泊業の労働協約(Boletim do Trabalho e Empregoで公表)は、cozinheiro(調理担当)やchefe de cozinha(料理長)についてこの下限より高い等級別の給与を定めていますが、今回の確認では現行の公表賃金等級にアクセスできなかったため、確認できていない数字を掲載することは避けます。雇用主負担の社会保険料は、一般制度の標準税率である総支給額の23.75%です。

等級表を確認できていない現状での方法としては、これから育てる見習いレベルの職務に限り920ユーロの下限からスタートし、経験豊富な寿司職人や料理長であれば、その職務が埋まらないことのコストに見合う水準まで大きく上乗せしてください。オファーを確定する前に、ポルトガルの給与担当者またはBTEを通じて現行の労働協約の等級を確認しましょう。

5. オファーレターのひな形

English
[Company name], [address], offers [Full name] the position of [Head Chef / Sushi Chef], Japanese Cuisine, at [restaurant name], Lisbon. Duties: [menu design, fish preparation, training kitchen staff]. Employment begins [date], [hours] hours a week, gross monthly salary EUR [amount]. We will provide the work contract or work promise for your residency visa application and support your AIMA appointment on arrival.
[Name], [Title], signature

日本語
[会社名]([所在地])は、[氏名]様に、リスボンの[店舗名]における日本料理[料理長/寿司職人]としての勤務をお願いいたします。業務内容は[献立の考案、魚の仕込み、厨房スタッフの指導]です。勤務開始日は[年月日]、週[時間]時間勤務、月額総支給額はユーロ[金額]とします。当社は在留ビザ申請用の雇用契約書(または内定書)を発行し、入国後のAIMA予約取得を支援します。
[氏名]、[役職]、署名

6. 総費用と逆算スケジュール

項目初年度(最低賃金に上乗せした水準)
給与 月1,100ユーロ×12(920ユーロの下限に上乗せ)13,200ユーロ
雇用主負担の社会保険料(23.75%)3,135ユーロ
国内ビザ手数料110ユーロ
犯罪経歴証明書のアポスティーユ・認証、翻訳費用各社の見積もり
航空券、当初の住居費用各社の見積もり
開始日までの時期やること
16週間前雇用契約書または内定書に署名する。料理人は犯罪経歴証明書とアポスティーユの取得を始める。
14週間前料理人が国内ビザを申請する。法律上の審査期限は60日以内。
8週間前ビザ発給。2回入国・有効期間4か月の範囲内で渡航を予約する。
入国時直ちにAIMAの予約を申し込む。契約書、給与明細、住所証明はいつ予約が取れてもよいよう準備しておく。
継続的にビザの4か月の有効期間と予約日を照らし合わせる。予約が期限後になりそうであれば、様子を見るのではなく直ちに現地の弁護士に相談する。

7. リスボンの厨房が雇う場合

日本の外務省によると、2025年10月1日時点でポルトガルの在留邦人は1,017人で前年比5.6%増、うち618人が長期滞在者、399人が永住者です。リスボン単独の数字は公表されておらず、農林水産省の国別統計にもポルトガル単独の数字はないため、現地の日本食レストランの規模を公式数字から把握することはできません。厨房を現地採用だけで回せるほどの規模ではありません。

2015年7月1日発効のポルトガルと日本のワーキングホリデー覚書は、18〜30歳を対象に最長12か月の滞在(延長不可)を認め、就労はあくまで副次的な扱いです。日本の外務省は年間の人数上限を公表していません。実際にどこまでの就労が認められるかは欧州ワーキングホリデーガイドをご覧ください。長期雇用の料理人については、居住ビザの書類が一部の近隣国より短い点は本当の利点です。オファーを出す前に移住支援ガイドをご覧いただき、スペインとも比較してください。

変わる数字:920ユーロの最低賃金は2026年の水準で毎年改定されます。飲食・宿泊業の労働協約の等級とAIMAの実際の予約待ち時間は今回確認できておらず、利用前に再確認する必要があります。次回確認は2027年1月です。

よくある質問

AIMAの予約が料理人のビザ期限を過ぎてしまったらどうなりますか。

今回の確認ではAIMA自身のページからこれを確認できず、手続き全体の中で最も大きな未確認のリスクです。料理人が入国したらすぐに予約を申し込ませ、裏付け書類一式を常に整えておき、4か月のビザ有効期間が切れる十分前に、自社の具体的な日程についてポルトガルの移民法専門の弁護士の見解を得てください。形式的な手続きだと考えないでください。

ポルトガルで料理人に払う最低賃金はいくらですか。

2026年時点で月額総支給額920ユーロが、すべての従業員に適用される全国下限です。飲食・宿泊業の労働協約は調理担当・料理長により高い等級別の給与を定めていますが、今回の確認では現行の公表数字にアクセスできませんでした。最低賃金より上乗せした額を提示し、実際の等級はポルトガルの給与担当者に確認してください。

就労ビザの取得に労働市場テストは必要ですか。

就労(従属労働)居住ビザの領事館の必要書類リストにはテストの記載はありません。必要なのは雇用契約書または内定書、生計手段の証明、そして通常の国内ビザ書類一式で、事前の現地での採用活動の証拠は求められません。

シニアな料理人は高度資格保有者向けビザの対象になり得ますか。

理論上は可能です。ただしその給与基準はポルトガルの基準の倍数(平均総給与の1.5倍、またはIASの3倍)で設定される、シニアな専門職・経営層向けの水準です。今回の確認ではこれを現在のユーロ額に換算できませんでしたが、それを踏まえても、一般的な飲食店が料理長に支払う水準を大きく上回ります。

ポルトガルで料理人を雇う初年度の費用はどのくらいですか。

月給1,100ユーロの場合、給与と23.75%の雇用主負担社会保険料を合わせておよそ16,335ユーロ、これにビザ手数料110ユーロ、書類の認証・翻訳費用、航空券、住居費が加わります。予算を確定する前に実際の労働協約の給与等級を確認してください。

本記事は2026年9月時点でポルトガルおよび日本の公的情報源を確認した一般的な情報で、法律や出入国手続きの助言ではありません。ポルトガルの入管ルールとAIMAの処理能力は近年何度も変わっており、労働協約の給与等級やAIMAの予約待ち時間など、今回確認できなかった点があります。申請前にポルトガル領事館、AIMA、現地の移民法専門の弁護士に最新情報を確認してください。

出典

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