市場データ・制度

調理人の労働市場データ:求人倍率・賃金・離職率

日本から料理人を採用する前に押さえたい厚生労働省の統計。2026年7月の飲食物調理従事者の有効求人倍率2.18倍、賃金、飲食業の入職率・離職率と、採用への意味をまとめました。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

日本から料理人を採用しようとしている雇用主にとって、2026年7月時点でハローワークに登録している調理師1人につき求人は2.18件、全職業平均は1.05件です。調理の仕事は平均のおよそ2倍の求人があります。日本の調理師の平均給与は月286,600円に年間賞与351,600円を加えて、年収にするとおよそ379万円(厚労省の数字を当サイトで計算)。飲食サービス業は日本で最も離職率が高い業種でもあり、2025年は23.7%が離職しました。日本国内でも競合する提示があると考え、面接から内定まで素早く進めてください。

このページは、日本から料理人を採用する根拠を固めたいオーナーやグループ人事向けです。市場がどれだけ逼迫しているか、日本の調理師の現在の給与、業界での転職の頻度を扱います。扱うのは日本国内のデータのみです。この給与水準が海外での提示額とどう比べられるかは、日本と海外の寿司職人の給与比較をご覧ください。雇用主ではなく、海外で働きたい料理人の方は、以下は採用担当者向けの内容です。希望する職種の求人情報を直接ご覧ください。

目次

  1. 海外の飲食店が日本の数字を見るべき理由
  2. 求職者1人あたりの求人数
  3. 2026年7月のデータの内訳
  4. 日本の調理師の給与
  5. 入職と離職の頻度
  6. 日本からの採用にどう影響するか
  7. このデータの限界
  8. よくある質問

1. 海外の飲食店が日本の数字を見るべき理由

日本から料理人を呼び寄せる計画があるなら、日本国内のあらゆる飲食店、ホテル、食品工場と同じ人材を奪い合っていることになります。厚生労働省(MHLW)は、その競争の実態を示す3つの統計を公表しています。求職者1人あたりの求人数、調理師の給与、業界での転職の頻度です。このページでは、2026年9月時点の最新データを一つにまとめ、それぞれが採用計画にどう影響するかを示します。

あなたの提示を検討している日本の調理師は、じっとしているのではなく、日本国内の求人と比べています。日本の飲食店の人手不足が続く限り、その調理師には他の選択肢があり、より良い条件の引き止めもあり、海外へ移るリスクを取る理由は小さくなります。以下の数字は、提示すべき条件の強さと、日本からの採用にかかる時間の目安を示します。

2. 求職者1人あたりの求人数

厚労省の公共職業安定所(ハローワーク)に関する月次統計は、職業ごとに有効求人数と有効求職者数の比率を示します。調理師にあたる区分は「飲食物調理従事者」で、レストランの調理師のほか、他の厨房職も含みます。

期間調理師(パート含む)備考
2023年(暦年)2.90
2024年2.79
2025年2.47
令和7年度(2025年4月〜2026年3月)2.38
2026年7月2.18全職業計 1.05

2.18という数字は、調理師を探す求職者100人につき求人が約218件あることを意味します。この比率は2023年以降毎年下がっていますが、それでも全職業平均のおよそ2倍です。接客・給仕職業従事者も2026年7月時点で2.30と、ホールスタッフも同じくらい逼迫しています。

全職業計の1.05は同じ職業別表からの数字で、季節調整をしていません。厚労省が2026年7月分として発表した季節調整済みの有効求人倍率は1.18でした。

この全国集計の表は、都道府県別と職業別を掛け合わせた区分を出していないため、東京や大阪が縮小傾向の県よりどれだけ逼迫しているかはこの資料からは確認できません。都道府県ごとの労働局が、それぞれのハローワーク統計を毎月公表しています。実際に採用しようとしている地域の逼迫度が重要な場合は、その労働局のデータを確認してください。

3. 2026年7月のデータの内訳

2026年7月分の職業別参考表(2026年8月28日公表)は、次のような内訳を示しています。

調理師、2026年7月パート含むパート除く
新規求人数38,22914,355
有効求人数108,38039,416
新規求職者数10,4184,570
有効求職者数49,76921,539
就職件数(ハローワーク経由)4,1121,168
新規求人倍率3.673.14
有効求人倍率2.181.83

前年同月比では、調理師の有効求人数(パート含む)は7.0%減、有効求職者数は1.5%増となり、これが倍率が0.20ポイント下がった理由です。パート除くの倍率は1.83で、全職業計の1.16より高くなっています。

より示唆に富むのはフローの数字です。2026年7月は、調理師として新規に求職登録した人1人につき、新規求人が3件以上ありました。日本国内の雇用主は、調理師が市場に出てくるより速いペースで求人を出しています。

4. 日本の調理師の給与

厚労省の令和7年賃金構造基本統計調査は、飲食物調理従事者について次の数字を示しています。

項目全体男性女性
きまって支給する現金給与額(2025年6月)286,600円327,500円237,500円
年間賞与その他特別給与額(2024年)351,600円400,900円292,400円
平均年齢44.9歳
平均勤続年数9.2年

月給の12か月分に賞与を加えると、年収はおよそ379万円になります。これは当サイトの計算であり、厚労省が公表している数字ではありませんが、あなたの提示を読む候補者がすでに頭に置いている基準です。

より広い視点では、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査は、宿泊業・飲食サービス業の平均給与を279万3,000円とし、全業種の中で最も低く、全業種平均478万円を下回るとしています。この数字はパート従業員も含む業界全体のものなので、熟練した調理師の給与を過小に示しますが、業界全体が日本の平均を下回ることは裏付けています。

候補者にとって本当に重要な問いは、日本の調理師の平均給与そのものではなく、あなたの提示を換算し、その金額で実際に何が買えるかを調整したときにどう比べられるかです。この比較は市場ごとに日本と海外の寿司職人の給与比較で詳しく扱っています。採用先の国別給与表とビザの給与下限は国別の寿司職人の給与にあります。

5. 入職と離職の頻度

厚労省の令和7年雇用動向調査は、常用労働者に対する入職・離職の割合を測っています。宿泊業・飲食サービス業は、全業種の中で入職率・離職率がともに最も高い業種です。

2025年宿泊業・飲食サービス業全産業
入職率(全労働者)27.8%14.7%
離職率(全労働者)23.7%13.7%
入職率(一般労働者)24.4%12.0%
離職率(一般労働者)21.5%11.4%
入職率(パートタイム)29.7%21.7%
離職率(パートタイム)25.0%19.9%

実数では、この業界は2025年に1,220,600人を新たに雇い入れ、他のどの業種よりも多く、一方で1,042,700人が離職しました。一般労働者のおよそ5人に1人が、その年のうちに勤め先を離れた計算です。

海外の雇用主にとって重要な点は2つです。第一に、この業界では転職が多いので、何度も転職している候補者はそれ自体では警戒すべき点ではありません。第二に、この入れ替わりの多さは、常に転職の合間にいる人材のプールが存在することも意味します。問題は、あなたの提示がその人たちに届くかどうかです。離職についてさらに詳しくは飲食スタッフの離職率をご覧ください。

6. 日本からの採用にどう影響するか

倍率は2023年の2.90から2026年7月の2.18まで下がってきています。市場はゆっくり緩んでいますが、それでも日本の中で最も逼迫した職種のひとつです。

7. このデータの限界

有効求人倍率は月次で、対象月から約4週間後に公表されます(2026年7月分は2026年8月28日公表、8月分は2026年9月30日ごろの見込み)。賃金構造基本統計調査と雇用動向調査はいずれも年1回で、通常は翌年春に公表されます。次回の公表を過ぎた数字は、下記の出典で最新版を確認してください。

よくある質問

日本の調理師の有効求人倍率はどのくらいで、採用にどう影響しますか。

2026年7月時点で2.18です。ハローワークに調理師として求職登録している人100人につき、有効求人が約218件あることを意味し、全職業計の1.05を大きく上回ります。日本の調理師には他の選択肢があることが多いので、国内の提示と競合すると想定し、良い候補者が見つかったら素早く進める必要があります。

日本の調理師の給与はどのくらいですか。

厚労省の2025年調査では、月給(きまって支給する現金給与額)が286,600円、年間賞与が351,600円で、当サイトの計算では年収およそ379万円です。同じ基準で、男性はおよそ433万円、女性はおよそ314万円です。

日本の給与は、海外で提示する給与とどう比べられますか。

市場ごとに異なり、為替レートで比べるか、現地の物価水準で調整するかによっても変わります。両方の見方を市場ごとに日本と海外の寿司職人の給与比較で扱っています。

なぜ日本の飲食サービス業は離職率がこれほど高いのですか。

宿泊業・飲食サービス業の2025年の離職率は23.7%と、全業種で最も高く、全産業の13.7%を上回ります。厚労省のデータは理由までは示していませんが、この業界は入職率も日本で最も高いため、業界そのものを離れるというより、飲食の仕事同士を頻繁に移動していると考えられます。

これらの数字はどのくらいの頻度で更新されますか。

有効求人倍率は月次で、対象月からおよそ4週間後の公表です。給与と離職率はそれぞれ別の年次調査によるもので、通常は翌年春に公表されます。このページの数字は、それぞれの公表サイクルが一巡したら更新が必要と考えてください。

このデータは和食の料理人に限った数字ですか。

いいえ。厚労省の区分「飲食物調理従事者」は、和食に限らずあらゆる調理の仕事を含みます。最も近い公的な代用指標として扱ってください。正確に一致するものではありません。

本記事は一般的な情報であり、法務・雇用に関する助言ではありません。数字は2026年9月時点で確認した日本政府統計によります。最新の公表状況は下記の出典でご確認ください。

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