採用の進め方

現地スタッフに日本料理を教える12か月研修プログラム

現地の調理スタッフを日本料理の料理人に育てる研修プログラムのつくり方を、農林水産省のブロンズ・シルバー・ゴールドの認定段階を基準に解説。後継者育成計画のひな形付きです。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 現地スタッフの育成が採用の問題になった理由
  2. 農林水産省の認定段階を基準にする
  3. 12か月の研修プログラム
  4. 日本人料理人を「教える人」にする
  5. 後継者育成計画と記録
  6. よくある落とし穴
  7. 研修に使える資料

海外の和食店はどこも同じリスクを抱えています。厨房が日本から来た1〜2人の料理人に依存していて、その1人が辞めると、店の水準も一緒に失われてしまうことです。解決策は、現地の調理スタッフを日本料理をしっかり作れる料理人に育てる研修プログラムをつくり、日本人料理人を唯一の作り手ではなく「教える人」にすることです。

かつてこれは「望ましい取り組み」にすぎませんでした。今では、国によってはスポンサーの条件になりつつあります。本ガイドでは、プログラムのつくり方、その基準の設け方、そして記録の残し方を解説します。

1. 現地スタッフの育成が採用の問題になった理由

2. 農林水産省の認定段階を基準にする

研修プログラムには基準が必要です。既製のものとして最も役に立つのが、日本の農林水産省による「海外における日本料理の調理技能認定制度」です。日本料理を手がける外国人料理人を対象とした制度で、ブロンズ、シルバー、ゴールドの3段階があり、それぞれ日本の食文化、衛生、調理技術、おもてなしの4分野で求められる知識が定められています。2026年3月31日時点の認定者は3,976名で、内訳はゴールド28名、シルバー1,337名、ブロンズ2,611名です。

段階農林水産省ガイドライン(2024年4月1日改正)での認定ルート店の研修での目安とする段階
ブロンズ10時間程度の講習を受けた後、認定団体による試験。実技試験には魚の三枚おろしとかつらむきが必ず含まれる。新しく入った現地スタッフの、最初の3か月の到達点
シルバーブロンズ認定に加え、料理学校で150時間程度の日本料理の課程を修了、または日本国内の日本食レストランか、日本食普及の親善大使が推薦する海外の日本食レストランで2年以上の実務経験、または農林水産省が支援するコンテストでの上位入賞。そのうえで試験持ち場を任せられるようになった現地スタッフ
ゴールドシルバー認定に加え、同じ条件のレストランで5年以上の実務経験、または農林水産省が支援するコンテストでの優勝。そのうえで日本国内で行われる試験長期的に厨房を率いる現地の料理長

この枠組みを使うために、誰かに認定を取らせる必要はありません。ガイドラインにある知識の一覧が、そのまま無料のカリキュラムになります。実際に認定の取得を目指す場合は、運用・管理団体の仕組みを農林水産省の調理技能認定制度のガイドで解説しています。

3. 12か月の研修プログラム

1〜3か月目:基礎(ブロンズ相当)

4〜8か月目:持ち場を担える力

9〜12か月目:シルバー相当を目指す

各段階の終わりに実技試験を1回行い、日本人料理人が書面の基準に沿って判定します。結果は記録しておきましょう。その記録が、社内での昇格と、ビザの後継者育成計画の両方の裏づけになります。

4. 日本人料理人を「教える人」にする

日本で修業した料理人の多くは、魚に触らせてもらえるまで何年も見て覚えてきました。そのやり方は、12か月の期間で現地チームを育てるのには通用しません。そして、誰も教え方を教えてくれなかったのは料理人の責任ではありません。次のように支援しましょう。

5. 後継者育成計画と記録

自国で義務づけられているかどうかにかかわらず、後継者育成計画を書面にしておく価値はあります。シンプルなもので構いません。

外国人料理人が担う役職現地の後継候補現在のレベル目標レベルと期日記録
寿司の料理長[氏名]ブロンズ相当[期日]までにシルバー相当各段階の試験記録、研修記録、取得していれば認定証
板場の料理人[氏名]研修生[期日]までにブロンズ相当各段階の試験記録

マレーシアについては、義務化が始まった後にどのような書式が求められるかを、入国管理局の外国人サービス部(Expatriate Services Division)の案内で確認してください。その他の国でも、このような計画があれば、就労パスの更新時や、外国人の採用がなぜまだ必要なのかを当局に説明するときの裏づけになります。

6. よくある落とし穴

7. 研修に使える資料

本記事は一般的な情報であり、法律や出入国に関する助言ではありません。後継者育成計画の要件は国や就労パスの種類によって異なり、変更される可能性があります。関係する出入国管理当局にご確認ください。

出典

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