英国・欧州

英国の飲食店がスポンサーなしで採用する:就労資格確認

料理人のスポンサーが事実上閉ざされた英国では、和食店はすでに就労権を持つ人を採用しています。シェアコードと書類による確認、留学生のルール、2026年10月1日の変更、罰則を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. いま重要な理由
  2. 就労資格を確認する3つの方法
  3. シェアコードとeVisaの実務
  4. 留学生など就労に制限がある人
  5. 2026年10月1日からの変更
  6. 罰則と、飲食店が罰金以上に失うもの
  7. 採用のたびに使うチェックリスト

2025年7月以降、英国の飲食店は多くの場合、海外から新たに料理人を熟練労働者(Skilled Worker)ビザでスポンサーできなくなりました(2025年以降の英国での日本人料理人採用参照)。そのため和食店の採用は、すでに英国で働く権利を持つ人に向かっています。ユース・モビリティ・スキーム(YMS)の保有者、定住・準定住資格を持つEU市民、卒業生ビザの保有者、帯同家族、留学生、英国・アイルランド国籍者です。こうした人の採用にスポンサーライセンスは要りませんが、毎回正しい就労資格確認(Right to Work Check)が必要です。本記事では、確認の方法、2026年10月1日からの変更点、誤った場合の結果を、2026年9月に確認したGOV.UKのページと内務省のガイダンスに基づいて解説します。

1. いま重要な理由

英国のすべての雇用主には、不法就労を防ぐ法的義務があります。働き始める前に内務省が定める方法で確認を行っていれば、法定の免責(statutory excuse)が得られます。後にその人がその仕事をする権利を持っていなかったと判明しても、民事制裁金の責任を負いません。確認をしなかった、誤った方法で行った、遅れて行った場合は、免責はありません。

いま採用の対象となる人材層は、在留資格の種類が最も多様な層でもあります。YMSの保有者、学期中は週20時間までの留学生、期限付きビザの卒業生が同じ厨房で働くこともあり、それぞれ終了日も制限も異なります。

2. 就労資格を確認する3つの方法

方法対象雇用主が行うこと
内務省のオンライン確認eVisaなどデジタルの在留資格を持つ人。現在は英国・アイルランド国籍者以外の大半が該当本人からシェアコードを受け取り、GOV.UKで生年月日とともに入力して結果を確認する
書類による確認英国・アイルランド国籍者、および指定書類がまだ有効なその他の人本人の立ち会いのもとで原本を確認し(ビデオ通話の場合は原本を手元に置いたうえで)、写しを保管する
登録事業者によるデジタル本人確認(RtW DVSP)シェアコードを取得できない英国・アイルランド国籍者によく使われる政府(OfDIA)の登録簿に載っている事業者を使う。確認の責任は事業者ではなく雇用主にある

どの方法でも、写真が目の前の本人と一致すること、在留許可の期限が切れていないこと、許可が提示する仕事の種類をカバーしていることを確認しなければなりません。改ざんできない形で写しを取り、確認日を記録します。記録は雇用期間中と雇用終了後2年間保管し、その後は確実に廃棄します。

3. シェアコードとeVisaの実務

内務省は2024年10月31日に在留カード(BRP)の発行を終了し、物理的な書類をeVisaに置き換えました。ガイダンスは、期限切れのBRPは書類確認における就労資格の証明として認められないと明記しています。こうした人については、オンライン確認が法定の免責を得る唯一の方法です。

オンライン確認で就労資格に期限があると示された場合は、期限が来る前に再確認の予定を入れてください。法定の免責はその期限までしか続きません。

4. 留学生など就労に制限がある人

留学生はパートタイムの厨房・ホールスタッフの主な供給源ですが、雇用主が最もつまずきやすい層でもあります。内務省のガイダンスのポイントは次のとおりです。

YMSの保有者はより単純で、ビザの期間中はほとんどの仕事に就けます。英国の飲食店とユース・モビリティ・スキームをご覧ください。

5. 2026年10月1日からの変更

内務省は2026年9月11日に雇用主向けガイドの草案を再公表し、2026年10月1日に施行するとしています。それまでは2025年6月26日付のガイドが適用されます。主な変更点は対象範囲です。就労資格確認制度(Right to Work Scheme)の対象が、従業員だけでなく、ワーカー契約で働く人、個人の下請業者、オンラインのマッチングサービスを通じて仕事を得る人に広がります。

内務省自身が挙げる例のうち2つは、まさに飲食業の話です。

派遣の調理師、人材プラットフォーム経由のキッチンポーター、イベント向けの自営業のシェフを使っている場合は、10月までに契約を見直してください。

6. 罰則と、飲食店が罰金以上に失うもの

7. 採用のたびに使うチェックリスト

  1. 有給のトライアルシフトを含め、働き始める前に確認を行う。
  2. eVisaを持つ人にはオンライン確認を使い、期限切れのBRPは決して受け付けない。
  3. 写真、期限、条件(時間数、仕事の種類)を確認する。
  4. 留学生については学期の日程を書面で入手し、上限時間内でシフトを組む。
  5. 確認日とともに結果を保存し、雇用期間とその後2年間保管する。
  6. 期限付きの人全員について再確認の予定を入れる。
  7. 差別を避けるため、英国国籍者も含め全員に同じ方法で確認する。
  8. 2026年10月1日からは、派遣、プラットフォーム、下請の働き手にも確認と契約上の管理を広げる。

賃金のルールも当然適用されます。全国生活賃金(National Living Wage)は2026年4月から時給£12.71です。ロンドン固有の事情はロンドンで寿司職人を雇うをご覧ください。

本記事は2026年9月にGOV.UKと内務省のガイダンスで確認した一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。雇用主向けガイドは2026年10月1日に改定され、オンライン確認サービスの案内も定期的に更新されます。採用のたびに、内務省の最新のガイダンスと「Check if someone can work in the UK」ツールを使ってください。

出典

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