就労ビザ

和食店スタッフのE-2ビザ:不可欠な従業員としての料理人

日本資本の米国レストランがE-2で日本から料理人を呼ぶ方法。50%の資本要件、調理人が「不可欠」とされる条件、証拠、領事館での手続き、在留期間を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. E-2の従業員枠が向いているのは誰か
  2. 資本(所有)要件
  3. 料理人が「不可欠」とされる条件
  4. 審査で決め手になりやすい証拠
  5. 領事館での手続き
  6. 有効期間、入国時の滞在期間、延長
  7. 政府手数料
  8. 限界とよくある失敗

米国の店舗が日本国籍者によって過半を所有されているなら、日本から料理人を呼ぶ最も直接的な方法は、通常E-2(条約投資家)の区分です。年間の上限も抽選もなく、労働証明も不要です。ただし、飲食店がしばしば読み違える審査基準が2つあります。事業を誰が所有しているか、そして料理人にとって「不可欠」とは実際に何を意味するかです。本記事では、国務省の外務マニュアル(Foreign Affairs Manual)と連邦規則に沿って、その両方を解説します。

1. E-2の従業員枠が向いているのは誰か

E-2は投資家本人のためのビザとして知られていますが、同じ区分で条約企業の従業員も対象になります。国務省は対象となる従業員を3種類挙げています。管理職(supervisory)の役割を担う人、役員(executive)の役割を担う人、そして「米国企業の効率的な運営に不可欠な専門技能を持つ」人です。

和食店の場合、役員や管理職の区分に当てはまるのは、ゼネラルマネージャーや厨房を率いる総料理長です。寿司職人、懐石の料理人、ラーメンの名人など、誰かを管理するわけではないものの、その技能を軸に事業が成り立っている人にとって重要なのは、専門技能の区分です。

日本は対象国です。E-2に関する日米間の条約は、1953年10月30日から発効しています。

従業員は、条約企業と同じ国籍である必要があります。日本資本のレストランは、日本人料理人をE-2で呼ぶことができます。しかし、どれほど腕がよくても、韓国やタイの料理人にE-2を使うことはできません。

2. 資本(所有)要件

国務省のルールは簡潔です。事業の少なくとも50%が、条約国の国籍を持つ人によって所有されていなければなりません。外務マニュアルはさらに、「事業の国籍は、その事業の個々の所有者の国籍によって決まる」とし、設立した国は関係ないとしています。

実務上の意味は次のとおりです。

所有比率は、基準を上回った状態を維持する必要もあります。日本人の創業者が持分を売って少数株主になれば、E-2で働くすべての従業員の在留資格が危うくなります。資金調達やパートナーシップの交渉の際には、必ず確認事項に入れてください。

3. 料理人が「不可欠」とされる条件

飲食店の案件の成否が分かれるのは、多くの場合ここです。8 CFR 214.2(e)(18)の規則は、審査官に次の点を考慮するよう定めています。

この規則のなかで注目すべき文が2つあります。一つ目は、「外国語と外国文化の知識は、それだけでは特別な資格の要件を満たさない」という一文です。日本人で日本語を話せるという理由だけでは、料理人は不可欠とはみなされません。二つ目は、「ある時点で不可欠な技能も、後にありふれたものになることがある」という一文です。店を開くために必要な技能も、営業が軌道に乗れば不可欠とはみなされなくなる可能性があります。

外務マニュアル(9 FAM 402.9)は、参考になる補足をしています。通常の熟練労働者でも対象になる場合があり、「それはほぼ常に、立ち上げや研修のために必要な労働者に関するものである」としています。また、不可欠な従業員がその会社で以前に働いていたことは要件ではないとも述べています。これまで自社で雇ったことのない料理人を採用することも可能です。

和食の厨房に当てはめると

通りやすい案件は、通常、献立が依拠している特定の技術、それを身につけるための長い正式な修業期間、米国の労働市場ではそれが容易に得られないという証拠、そしてそれに見合った給与を示しています。通りにくい案件は、たまたま日本出身というだけの調理スタッフを説明しているものです。

人物像想定される評価
江戸前の修業を長年積み、おまかせのカウンターを任されるために採用される板前強い。特定の技術、長い修業、事業モデルとの直接の結びつきがある
新店舗の立ち上げと、一定期間の現地スタッフ育成のために派遣される料理人立ち上げ・研修として成り立つ。現地スタッフにいつ引き継ぐのかを問われると考えておく
献立がその技に依拠している蕎麦や懐石の専門の料理人献立、価格設定、修業歴によって結びつきが明確に示せれば強い
現地の調理人がつくるものと似た、幅広い和食メニューを担当する一般の調理人弱い。技能が米国内で容易に得られるように見える

4. 審査で決め手になりやすい証拠

「料理人の証拠」を列挙した公式のチェックリストはありません。以下は規則ではなく、上記の考慮要素を実務的に読み解いたものとしてお読みください。飲食店が一般的にそろえるのは次のようなものです。

5. 領事館での手続き

日本に住む料理人は、米国大使館または総領事館に直接ビザを申請します。事前に移民局(USCIS)への請願を行う必要はなく、O-1やグリーンカードの経路と比べると、段階がまるごと一つ少なくなります。

  1. 会社のE-2の適格性(所有関係、投資、事業の実態)を確認します。会社の書類を従業員の申請とあわせてどのように提出するかについては、在日米国大使館・領事館のEビザの案内を確認してください。
  2. 料理人がオンラインでDS-160を作成します。国務省は、条約貿易業者・投資家用の補足書類であるForm DS-156Eも必要書類として挙げています。
  3. 申請料を支払い、面接を予約します。
  4. 従業員の書類、会社の書類一式、そして役割を説明する雇用主からのレターを持って面接に臨みます。

料理人がすでに別の在留資格で米国にいる場合は、雇用主がUSCISにForm I-129を提出して、E-2への資格変更を申請することもできます。渡航の必要はありませんが、費用はより高く、今後の再入国に使えるビザのスタンプも得られません。

6. 有効期間、入国時の滞在期間、延長

3つの異なる期間があり、混同されがちです。

期間日本国籍者の場合出典
ビザの有効期間最長60か月、数次、発給手数料なし国務省の日本に関する相互主義表
入国ごとの滞在許可期間当初の期間は2年以内8 CFR 214.2(e)(19)
滞在の延長1回につき2年以内、回数の上限は定められていない8 CFR 214.2(e)(20)

注意すべきは延長のルールです。規則は、立ち上げのために呼ばれた従業員は「2年以内に目的を達成できるはず」と推定しており、特別な事情がない限り延長の対象にならないとしています。研修を理由に立ち上げ要員の料理人の承認を得た場合は、初日から現地スタッフへの引き継ぎを計画してください。

E-2は非移民の在留資格です。従業員は、資格が終了したときに出国する意思を持っている必要があります。のちに料理人に永住してもらいたい場合は別の手続きになり、料理人のグリーンカードのスポンサーで解説しています。

7. 政府手数料

弁護士費用は別途かかり、金額の幅も大きく、多くの場合これが最大の費用になります。

8. 限界とよくある失敗

所有関係が要件を満たさない場合は、傑出した料理人向けのO-1Bやグリーンカードの経路を検討してください。より広い比較はビザスポンサーの概要にまとめています。

2026年9月に公的な情報源から収集した一般的な情報であり、法律や入国管理に関する助言ではありません。E-2の審査は個々の事実関係によって決まります。申請の前に米国の移民弁護士にご相談ください。

出典

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