アジア・オセアニア

クイーンズタウンで日本人料理人を雇う:季節ビザとAEWV

ニュージーランドの新しい季節労働ビザが厨房に使えない理由、クイーンズタウンの飲食店がAEWVと日本人ワーキングホリデーをどう使うか、スキー・夏の繁忙期に向けた採用時期を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. クイーンズタウンの採用が特殊な理由
  2. 新設の季節労働ビザは厨房に使えない
  3. 通年・繁忙期の料理人にはAEWV
  4. 日本人ワーキングホリデー
  5. 賃金の下限と上乗せすべきもの
  6. リゾート厨房の採用スケジュール

クイーンズタウンの日本食レストランは、スキーシーズンの冬と夏の観光ピークという2つの繁忙期に合わせて人を採ります。スタッフ用の住まいが少なく、働き手の多くがビザで滞在している町です。ニュージーランドは2025年12月に季節労働向けのビザを2種類新設し、厨房の人手不足が解消されると期待した事業者も少なくありませんでした。しかし、どちらの対象職種リストにもシェフ(Chef)やコック(Cook)は含まれていません。本記事では、クイーンズタウンの厨房で実際に使えるルートと、その時期の組み方を解説します。料理人をスポンサーする際の全国共通のルールは、ニュージーランドで日本人料理人を雇うで詳しく扱っています。

1. クイーンズタウンの採用が特殊な理由

リゾート地の厨房には、オークランドやウェリントンとは違う事情が3つあります。

2. 新設の季節労働ビザは厨房に使えない

ニュージーランド移民局(INZ)は2025年12月8日に季節労働ビザを2種類開始し、同日から特定目的就労ビザ(Specific Purpose Work Visa)は季節職種には使えなくなりました。

グローバル・ワークフォース季節ビザ(GWSV)ピーク季節ビザ(PSV)
対象熟練を要する季節職種比較的低熟練の季節職種
期間最長3年、ニュージーランド滞在は年最大9か月最長7か月、再申請まで4か月の空白が必要
経験過去6年で3シーズン以上過去3年で1シーズン以上
リスト掲載職種の例チェアリフト係員、スノースポーツ・インストラクター、スキー技術者、山岳ガイド、圧雪車オペレーター、人工降雪オペレーター農場、林業、食肉、水産加工、ワイナリーの作業員
シェフ・コックは対象かいいえいいえ

どちらのリストもINZが固定の職種として公表しています。2026年9月に全職種を確認しましたが、シェフ、コック、キッチンハンドなど飲食サービスの職種は一つもありませんでした。クイーンズタウンのスキー場運営会社はリフトや雪上スタッフにGWSVを使えますが、ふもとの日本食レストランが厨房スタッフに使うことはできません。

3. 通年・繁忙期の料理人にはAEWV

INZは、繁忙期に人を採る雇用主の選択肢として5つのビザを挙げており、認定雇用主就労ビザ(Accredited Employer Work Visa、AEWV)はその一つです。飲食店の厨房にとっては、これが主なルートになります。まず雇用主の認定(アクレディテーション)を受け、ジョブチェックを通す必要があります。認定と求人広告のルールはニュージーランド編で解説しています。2026年9月時点でINZが示している労働者側の要件は次のとおりです。

2026年の変更点も2つ押さえておきましょう。INZは2026年3月9日から、国家職業リスト(National Occupation List)で新たに47職種を認め、シェフ職はスキルと職位に応じてより明確な職種に分けられたと説明しています。同じ発表で移民制度上の中央値賃金が時給NZ$35.00に引き上げられ、これに連動する複数の基準額も動きました。職種コードがスキルレベル、ひいては英語要件を左右するため、ジョブチェックを出す前に、自店のポジションに合うシェフ職種を確認してください。

多くのリゾート厨房で検討しやすいのは、通年の料理長または寿司担当をAEWVで1人置き、繁忙期はワーキングホリデーの人材で補う形です。AEWVの仕事は実体のあるフルタイムの職でなければならないので、4か月だけの穴埋めには使わないでください。

4. 日本人ワーキングホリデー

INZの短期就労に関する案内では、ワーキングホリデー参加者が仕事を見つける業界としてホスピタリティと観光が挙げられており、多くの職種で経験は不要とされています。日本食レストランにとっては、日本語を話す季節のコックやホールスタッフを確保する自然な供給源です。INZが公表している日本向けワーキングホリデービザの概要は次のとおりです。

12か月の上限を前提に計画を立てましょう。5月に冬シーズン向けに来たワーキングホリデーのコックは夏まで働けますが、翌年の冬には残れません。長く働いてほしい人材だと分かった場合の道はAEWVのジョブオファーで、その際には上記の経験と英語の要件が改めてかかります。雇用主向けの全体像はワーキングホリデー人材の採用ガイドをご覧ください。

5. 賃金の下限と上乗せすべきもの

ニュージーランドの成人最低賃金は2026年4月1日から時給NZ$23.95です。Employment New Zealandは、雇用主のKiwiSaver(退職年金)拠出は最低賃金に含めるのではなく、その上に支払うものだと明記しています。AEWVの仕事では、INZはさらに市場賃金、つまり同じ仕事をするニュージーランド人に支払われる水準での支払いを求めます。

クイーンズタウンでは、ホテルやスキー場運営会社と厨房スタッフを取り合うことになります。日本人料理人についてクイーンズタウン独自の公式な賃金データは見つからなかったため、数字は示しません。同じ職種で現地スタッフに実際に払っている額を基準にし、そこにリゾートへの移住を成り立たせる要素を加えてください。住居または住宅手当、勤務中のまかない、そして閑散期前後も見通せるシフトです。

認定雇用主は、認定や採用、運営にかかる費用を労働者に転嫁しないことを約束しています。ビザやジョブチェックの費用を給与から差し引かないでください。住居を契約上どう公正に扱うかは、スタッフ住居のガイドで解説しています。

6. リゾート厨房の採用スケジュール

INZはAEWV申請の多くを6週間以内に審査しますが、その前に認定とジョブチェックがあり、日本の勤務先から料理人の在職証明を集める時間も必要です。営業初日から逆算すると次のようになります。

  1. 6か月以上前:認定を申請または更新する。ポジションに合うシェフ職種を決める。
  2. 4〜5か月前:求人を出し、ジョブチェックを申請する。実技を含む面接を始める。料理人のリモート実技テストを参照。
  3. 3か月前:オファーを出し、住居を確保し、候補者に在職証明と翻訳を依頼する。
  4. 2〜3か月前:料理人がAEWVを申請する。繁忙期に向けてワーキングホリデーの人材を採用する(すでにニュージーランドにいる人も多くいます)。
  5. 到着後:受け入れ、IRD番号(納税者番号)、銀行口座、仕入れ先と仕込み基準を伝える最初の1週間。

クイーンズタウンと都市部の出店を比べている場合は、現地人材が厚いオークランドでの採用も参考にしてください。契約条項については料理人の雇用契約チェックリストが使えます。

本記事は、2026年9月にニュージーランドおよび日本の政府公式情報で確認した一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。INZの制度、職種リスト、手数料は頻繁に変わります。実際の手続きの前に、ニュージーランド移民局または登録移民アドバイザーに確認してください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。