市場データ・制度

中南米の日本食レストラン数【国別】採用データ2025

中南米は約2割増の約1万5,300店で全地域最速の伸び。ブラジルが1,670店増、最大はメキシコの7,430店。日系社会の厚みが採用戦略をどう変えるかも解説。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

農水省の2025年調査によると、中南米の日本食レストランは約1万5,300店で、2023年の約1万2,900店から2割増え、全地域で最も速いペースで伸びています。メキシコ(7,430店)とブラジル(4,520店)で地域の79%を占めますが、動きは対照的です。ブラジルはインドネシアに次ぐ世界2位の増加数となる1,670店増(59%増)、メキシコは4%増にとどまりました。経営者にとって、ブラジルは人材の取り合いが起きる市場、メキシコは規模は大きいものの成熟市場です。メキシコは日系人口の厚みから、世界のどの市場より現地採用が現実的な国のひとつでもあります。

このページは、メキシコ、ブラジル、中南米の他の国を比較して出店・拡大・採用を検討する本部の企画担当者やHR、研究者向けです。農水省の中南米国別データと、日系社会が採用にどう影響するかを扱います。世界全体の合計と国別トップ10は調査の概要記事にまとめており、本記事では繰り返しません。各国のビザ、給与、候補者層はその国のガイドに詳しく載っています。

目次

  1. 2025年調査における中南米
  2. 10年余りの急成長
  3. メキシコとブラジル、逆方向の動き
  4. 国別データの全体表
  5. 日本人社会と日系人
  6. 採用計画への影響

1. 2025年調査における中南米

農水省によると、中南米の日本食レストランは約1万5,300店で、2023年の約1万2,900店から約2,400店、率にして約2割増えました。農水省は、日本のアニメ等の影響による日本食需要の増加を要因に挙げています。農水省の「中南米」には、メキシコ、中米、カリブ、南米が含まれます。中南米の店舗数はいまや大洋州・中東・アフリカの合計を上回り、北米のおよそ半分の規模です。

2. 10年余りの急成長

調査年中南米世界全体に占める割合
2013年約2,9005%
2019年約6,1004%
2021年約6,1004%
2023年約12,9007%
2025年約15,3008%

割合は農水省の合計値から当社が計算したものです。店舗数は2013年から5倍以上に増え、2021年から2023年の2年間だけで2倍を超えました。直近2回の調査でいずれも2,000店以上増えた地域は、中南米だけです。

3. メキシコとブラジル、逆方向の動き

メキシコ(7,430店)とブラジル(4,520店)を合わせると1万1,950店で、掲載されている中南米合計の79%を占めます。農水省の集計でメキシコは世界4位、ブラジルは8位ですが、両国の動きは大きく異なります。

市場2025年(増減)ここだけの事情ガイド
ブラジル4,520店(+1,670店、+59%)今回の調査でインドネシアに次ぐ世界2位の増加数。多くの新しい厨房が同時に経験者を探しているブラジルのガイド、サンパウロのガイド
メキシコ7,430店(+310店、+4%)地域最大の市場だが伸びは緩やか。ゼロから育てるより、米国のように入れ替わりや引き抜きが中心になりやすいメキシコのガイド

上位2か国以外では、エクアドルとボリビアが2倍以上に増え、それぞれ150店前後の増加で、両国とも農水省の集計ではペルーを上回っています。中米も増加しており、コスタリカ、パナマ、グアテマラ、エルサルバドルの4か国合計は250店から380店になりました。コロンビアは100店減(−19%)で地域内最大の減少、チリ、アルゼンチン、ペルー、ドミニカ共和国もわずかに減っています。アニメの影響という説明は地域全体についてのもので、国別の要因は示されていません。

4. 国別データの全体表

農水省は10店舗以上の国・地域を掲載し、一の位を四捨五入しています。ここでは2025年時点で50店以上の国・地域に絞って掲載します。小さな市場は実数のわずかな増減で大きく振れるためです(エクアドルとボリビアの「2倍以上」は、それぞれ実数では150店前後です)。

国・地域2023年2025年増減
メキシコ7,1207,430+310(+4%)
ブラジル2,8504,520+1,670(+59%)
アルゼンチン620610−10(−2%)
チリ530500−30(−6%)
コロンビア520420−100(−19%)
ベネズエラ3203200(0%)
エクアドル110260+150(+136%)
ボリビア110250+140(+127%)
ペルー230220−10(−4%)
コスタリカ100150+50(+50%)

100店未満のさらに10の国・地域(グアテマラ、パナマ、パラグアイ、ドミニカ共和国、ウルグアイ、エルサルバドル、ホンジュラス、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、バハマ、加えて新たに掲載されたバルバドス)を合わせると、2025年時点で約500店です。ジャマイカは2023年に10店で掲載されていましたが、2025年には載っていません。国別の数字は2023年からしかなく、各国のデータは2時点しかありません。

5. 日本人社会と日系人

中南米で在留邦人が最も多いのはブラジルです。外務省によると、2025年10月1日現在のブラジルの在留邦人は49,037人で、世界7位です。この数字は日本国籍を持つ人だけを数えたもので、ブラジル国籍のみを持つ日系ブラジル人は含まれていません。ブラジルは日本国外で最大の日系人口を持つ国であるため、在留邦人数だけでは日系コミュニティ全体の規模を大きく過小評価することになります。

採用ではこの違いが重要です。サンパウロの日系の調理人は、ポルトガル語を母語とし、現地での就労資格をすでに持っていることが多く、その場合は日本から人を呼ぶよりも現地採用のほうがはるかに容易です。国・都市別の詳しい在留邦人数は海外在留邦人数のページにあります。地域全体としても、募集はポルトガル語やスペイン語で行うのが基本で、日本語のコミュニティチャネルが届くのは日本生まれの在留邦人という、より小さな層に限られます。

6. 採用計画への影響

農水省のこの調査は2年ごとに公表され、2025年版は2025年11月28日発行のため、次回は2027年11月ごろと見込まれます。中南米の国別データは2023年と2025年の2時点しかないため、特に100店未満の国では、1回の増減率を確立した傾向ではなくデータ1点として扱ってください。本記事の次回確認は2027年11月です。

よくある質問

2025年時点で中南米の日本食レストランは何店ありますか。

農水省の2025年調査によると約1万5,300店で、2023年の約1万2,900店から約2割増えました。調査対象地域の中で最も速い伸びです。

ブラジルとメキシコの日本食レストランはそれぞれ何店ですか。

ブラジルは4,520店(2023年比+1,670店、+59%)、メキシコは7,430店(同+310店、+4%)です。両国で地域の掲載合計の79%を占めます。

なぜブラジルはメキシコよりずっと速く伸びているのですか。

農水省は地域全体の伸びについて日本のアニメ等の影響を挙げていますが、国別の理由は示していません。ブラジルの実数増加(1,670店)は、今回の調査でインドネシアに次ぐ世界2位の規模です。

ブラジルの大きな日系人口は、在留邦人数と同じものですか。

いいえ。外務省の49,037人という数字は、ブラジルに住む日本国籍者だけを数えたものです。ブラジル国籍のみを持つ日系ブラジル人は含まれておらず、ブラジルは日本国外で最大の日系人口を持つ国なので、現地で働ける日系の調理人の層は在留邦人数だけよりはるかに厚いといえます。

ブラジルでは現地採用と日本からの採用、どちらを検討すべきですか。

日系社会の規模を踏まえると、まずポルトガル語での現地採用を試す価値があります。日系の調理人はすでにブラジルでの就労資格を持っていることが多いためです。日本から呼ぶ必要がある場合のビザルートはブラジルの採用ガイドをご覧ください。

本記事は一般的な情報であり、投資・法律・移民に関する助言ではありません。店舗数は農林水産省が公表した丸めた数字をそのまま引用しています。割合と増減率は、それらの数字をもとに当社が計算したものです。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

和食料理人を採用しませんか?

世界中の和食料理人が登録するWashokuJobに、貴店の求人を掲載できます。