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海外在留邦人数 国別データ2025:長期滞在者と永住者

外務省の2025年調査を国別・地域別に、長期滞在者と永住者に分けて整理。1991年からの推移と、現地採用を考えるときの内訳の読み方をまとめました。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 2025年調査の概要
  2. 長期滞在者は減り、永住者は増えている
  3. 地域別
  4. 国別上位20か国(長期滞在者・永住者の内訳つき)
  5. 増えた国、減った国
  6. 雇用主としての表の読み方
  7. この数字からわからないこと

外務省は毎年10月1日時点で、海外に住む日本人の数を集計しています。この統計は在留邦人を「長期滞在者」(期限を定めて住んでいる人)と「永住者」(期限を定めずに住んでいる人)の2つに分けています。海外で和食店を運営する立場から見ると、総数よりもこの内訳のほうが重要です。現地の日本人コミュニティのうち、すでに安定した就労資格を持っていそうな人がどれくらいいるかの手がかりになるからです。

この記事では、2025年10月1日現在の調査から国別の数字を整理します。ロサンゼルス、バンコク、ニューヨークなど都市別の数字は海外在留邦人の都市別データにまとめています。

1. 2025年調査の概要

2025年10月1日現在人数前年からの増減構成比
海外在留邦人の総数1,298,170+5,073(+0.4%)100%
長期滞在者709,684−3,029(−0.4%)54.7%
永住者588,486+8,102(+1.4%)45.3%

対象は、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する日本人です。外務省は、在外公館に提出された在留届をもとにこの統計を作成しています。

2. 長期滞在者は減り、永住者は増えている

総数はここ3年ほとんど変わっていませんが、中身は着実に変わっています。

年(10月1日)長期滞在者永住者総数
1991412,207250,842663,049
2000526,685285,027811,712
2010758,788384,5691,143,357
2015859,994457,0841,317,078
2019891,473518,8831,410,356
2020827,916529,8081,357,724
2021807,238537,6621,344,900
2022751,481557,0341,308,515
2023718,838574,7271,293,565
2024712,713580,3841,293,097
2025709,684588,4861,298,170

目立つ点は2つです。長期滞在者は2019年の891,473人がピークで、その後は毎年減り、6年間で約18万2,000人少なくなりました。一方、永住者は2002年から毎年増え続け、2025年は588,486人と、この統計で最も多い数字になっています。

雇用主にとっては、海外の日本人が「定住する人」の比重を増しているということです。期限つきの駐在で来ている人は減り、その国で生活を築いた人が増えています。ビザのスポンサーなしで働いてもらえる可能性が高いのは、後者のグループです。

3. 地域別

地域総数長期滞在者永住者永住者の割合
北米491,701206,653285,04858.0%
アジア347,333298,64448,68914.0%
西欧215,695114,869100,82646.7%
大洋州131,70751,33380,37461.0%
南米72,2647,53164,73389.6%
中米11,9207,9084,01233.7%
中東10,6468,5932,05319.3%
東欧・旧ソ連10,2818,4061,87518.2%
アフリカ6,5925,71687613.3%

このほか南極に31人が計上されています。アジアは在留邦人数で2番目に大きな地域ですが、永住者の割合はどの地域よりも低く、86%が長期滞在者です。北米、大洋州、南米はその逆です。

4. 国別上位20か国(長期滞在者・永住者の内訳つき)

総数長期滞在者永住者永住者の割合前年比
米国416,380182,905233,47556.1%+0.7%
オーストラリア105,56640,48165,08561.7%+1.4%
中国92,92886,3516,5777.1%−4.7%
カナダ75,31623,74751,56968.5%−2.6%
タイ72,11369,3802,7333.8%+2.4%
英国62,27032,31529,95548.1%−2.8%
ブラジル49,0374,57644,46190.7%+5.3%
ドイツ44,64825,62219,02642.6%+2.6%
韓国44,47127,24217,22938.7%+3.3%
フランス36,02320,36115,66243.5%−2.8%
シンガポール33,39728,5494,84814.5%+2.6%
台湾21,75514,4377,31833.6%+0.3%
ニュージーランド21,4718,94212,52958.4%+5.7%
マレーシア19,69017,9231,7679.0%−1.7%
ベトナム16,63616,0865503.3%−4.4%
インドネシア15,26613,4791,78711.7%+2.2%
フィリピン13,3428,7504,59234.4%+5.5%
スイス12,2974,2488,04965.5%+1.8%
イタリア12,0675,5326,53554.2%+1.1%
オランダ11,2258,2193,00626.8%+5.3%

「永住者の割合」は、永住者数を国別総数で割って当サイトが計算したものです。それ以外の列は外務省の数字です。

上位20か国以外では、アラブ首長国連邦の在留邦人が5,300人で、うち長期滞在者が5,068人、永住者が232人でした。

5. 増えた国、減った国

上位20か国のうち、伸びが大きかったのはニュージーランド(+5.7%)、フィリピン(+5.5%)、ブラジル(+5.3%)、オランダ(+5.3%)です。減少が大きかったのは中国(−4.7%)とベトナム(−4.4%)で、英国とフランス(いずれも−2.8%)、カナダ(−2.6%)が続きます。

中国では在留邦人の93%が長期滞在者なので、中国での減少は期限つきで滞在する人の減少です。農林水産省の調査でも、中国の日本食レストランは2023年から2025年にかけて減っています(2025年は63,500店で、15,260店の減少)。詳しくは海外の日本食レストラン数データをご覧ください。

6. 雇用主としての表の読み方

この調査では就労資格の有無は聞いていません。内訳はあくまで目安で、採用候補者の数ではありません。そのうえで、上位20か国は大きく3つに分けられます。

永住者が多い国:ブラジル、カナダ、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、米国、イタリア

日本人コミュニティの半数以上が、滞在期限を定めずに暮らしています。現地の永住権を持つ人も多く、他の現地スタッフと同じように雇える可能性があります。日本から料理人をスポンサーする計画の前に、日本語と英語で現地の求人を出してみる価値があります。ブラジルは永住者の割合が90.7%と突出しています。

ほぼ半々の国:英国、フランス、ドイツ、韓国、フィリピン、台湾

永住者はおよそ3分の1から半分です。定住者のコミュニティから採用できる余地はありますが、期限つきで滞在する人も多く、その人たちが働けるかどうかは本人のビザ次第です。英国では、海外からの料理人の新規スポンサー採用が事実上できなくなっているため、この定住者層とワーキングホリデーの若者が、現実的な採用候補のほとんどになります。詳しくは2025年以降の英国での日本人料理人の採用をご覧ください。

長期滞在者が多い国:タイ、ベトナム、中国、マレーシア、インドネシア、シンガポール、オランダ

大半が長期滞在者で、タイ、ベトナム、中国、マレーシアでは9割を超えます。日本企業の駐在員とその家族が多く、在留資格はその駐在に結びついていると考えられます。バンコクやシンガポールで駐在員の配偶者があなたの店で働けるかどうかは、本人のパスによって違うため、一人ずつ確認が必要です。飲食店にとっては、料理長は就労許可の手続きを経て呼び寄せ、現地の日本人コミュニティは在留資格が許す範囲でホールやパートタイムの採用源と考えるのが一般的な形になります。国別の詳細はタイシンガポールの記事をご覧ください。

目安として、永住者の割合が高い国ほど、まず現地で探す価値があります。低い国ほど、就労許可の準備を早く始める必要があります。

7. この数字からわからないこと

本記事は一般的な情報であり、法務・入管に関する助言ではありません。数字は外務省「海外在留邦人数調査統計」(2025年10月1日現在)と農林水産省「海外における日本食レストラン数」(2025年)によります。就労の可否は本人の在留資格によって決まるため、採用前に必ず確認してください。

出典

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