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海外在留邦人数 国別データ2025:長期滞在者と永住者

外務省の2025年調査を国別に、長期滞在者と永住者の内訳、農水省のレストラン数との対比で整理。現地採用を考えるときの読み方と探し方をまとめました。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

外務省の統計によると、2025年10月1日時点で海外在留邦人は1,298,170人。最も多いのは米国(416,380人)で、オーストラリア、中国、カナダ、タイと続きます。外務省は総数を「長期滞在者」(54.7%、期限つきの滞在)と「永住者」(45.3%、期限のない滞在)に分けています。採用の観点で重要なのは永住者の割合です。日本から料理人を呼び寄せる前に、その国にすでに就労可能な定住コミュニティがあるかどうかの目安になるからです。

このページは、ビザのスポンサーをする前に、その国にすでに採用できる定住した日本人コミュニティがあるかを確認したい雇用主向けです。外務省(MOFA)の国別統計、すなわち長期滞在者と永住者の内訳、国別上位20か国と日本食レストラン数の対比、各グループの読み方を扱います。都市別の数字(ロサンゼルス、バンコク、ニューヨークなど)は海外在留邦人の都市別データにあります。各国のビザ、給与、採用手順は、下記でリンクしている国別記事をご覧ください。

目次

  1. 2025年調査の概要
  2. 長期滞在者は減り、永住者は増えている
  3. 地域別
  4. 国別上位20か国、人口とレストラン数の対比
  5. 増えた国、減った国
  6. 雇用主としての表の読み方と、現地での探し方
  7. この数字からわからないこと
  8. よくある質問

1. 2025年調査の概要

外務省は毎年10月1日時点で、海外に住む日本人の数を集計しています。在外公館に提出された在留届をもとに作成され、対象は外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する日本人です。この統計は在留邦人を「長期滞在者」(期限を定めて住んでいる人)と「永住者」(期限を定めずに住んでいる人)の2つに分けています。

2025年10月1日現在人数前年からの増減構成比
海外在留邦人の総数1,298,170+5,073(+0.4%)100%
長期滞在者709,684−3,029(−0.4%)54.7%
永住者588,486+8,102(+1.4%)45.3%

海外で和食店を運営する立場から見ると、総数よりもこの内訳のほうが重要です。現地の日本人コミュニティのうち、雇用主に紐づかない、すでに安定した滞在資格(本人のビザ次第で就労も可能な資格)を持つ人がどれくらいいるかの手がかりになるからです。

2. 長期滞在者は減り、永住者は増えている

総数はここ3年ほとんど変わっていませんが、中身は着実に変わっています。

年(10月1日)長期滞在者永住者総数
2015859,994457,0841,317,078
2019891,473518,8831,410,356
2021807,238537,6621,344,900
2023718,838574,7271,293,565
2024712,713580,3841,293,097
2025709,684588,4861,298,170

長期滞在者は2019年の891,473人がピークで、その後は毎年減り、6年間で約18万2,000人少なくなりました。一方、永住者は2002年から毎年増え続け、2025年は588,486人と、この統計で最も多い数字になっています。雇用主にとっては、海外の日本人は「定住する人」の比重を増しているということです。期限つきの駐在で来ている人は減り、その国で生活を築いた人が増えており、ビザのスポンサーなしで働いてもらえる可能性が高いのは後者のグループです。

3. 地域別

地域総数長期滞在者永住者永住者の割合
北米491,701206,653285,04858.0%
アジア347,333298,64448,68914.0%
西欧215,695114,869100,82646.7%
大洋州131,70751,33380,37461.0%
南米72,2647,53164,73389.6%
中米11,9207,9084,01233.7%
中東10,6468,5932,05319.3%
東欧・旧ソ連10,2818,4061,87518.2%
アフリカ6,5925,71687613.3%

アジアは在留邦人数で2番目に大きな地域ですが、永住者の割合はどの地域よりも低く、86%が長期滞在者、多くは日本企業からの駐在者です。北米、大洋州、南米はその逆で、半数を大きく超える人が定住しています。

4. 国別上位20か国、人口とレストラン数の対比

国総数永住者の割合前年比日本食レストラン数(農水省2025)レストラン1店あたりの在留邦人
米国416,38056.1%+0.7%26,36015.8
オーストラリア105,56661.7%+1.4%2,23047.3
中国92,9287.1%−4.7%63,5001.5
カナダ75,31668.5%−2.6%3,08024.5
タイ72,1133.8%+2.4%5,92012.2
英国62,27048.1%−2.8%1,82034.2
ブラジル49,03790.7%+5.3%4,52010.8
ドイツ44,64842.6%+2.6%1,51029.6
韓国44,47138.7%+3.3%19,8002.2
フランス36,02343.5%−2.8%3,39010.6
シンガポール33,39714.5%+2.6%1,14029.3
台湾21,75533.6%+0.3%7,1003.1
ニュージーランド21,47158.4%+5.7%50042.9
マレーシア19,6909.0%−1.7%2,2009.0
ベトナム16,6363.3%−4.4%1,8209.1
インドネシア15,26611.7%+2.2%6,5802.3
フィリピン13,34234.4%+5.5%94014.2
スイス12,29765.5%+1.8%38032.4
イタリア12,06754.2%+1.1%2,1605.6
オランダ11,22526.8%+5.3%1,5507.2

「永住者の割合」「前年比」「レストラン1店あたりの在留邦人」は、外務省と農林水産省の公表数字をもとに当サイトが計算したものです。人口、レストラン数、永住者数そのものは各省庁の数字です。レストラン1店あたりの在留邦人は、採用候補者の数ではなく競争の目安です。全在留邦人数(料理人に限りません)を日本食レストラン数で割ったもので、数字が小さいほど同じ小さなコミュニティを多くの店が取り合っており、大きいほどその逆であることを示します。

中国は1.5人と最も厳しい比率で、韓国とインドネシアもそれに近い水準です。オーストラリア、ニュージーランド、英国、ドイツ、シンガポール、スイスはいずれも25を超え、レストラン数に対して定住コミュニティが比較的厚いことがわかります。レストラン数と国・地域別の詳しい系列は海外の日本食レストラン数データにあります。

5. 増えた国、減った国

上位20か国のうち、伸びが大きかったのはニュージーランド(+5.7%)、フィリピン(+5.5%)、ブラジルとオランダ(いずれも+5.3%)です。減少が大きかったのは中国(−4.7%)とベトナム(−4.4%)で、英国とフランス(いずれも−2.8%)、カナダ(−2.6%)が続きます。

中国では在留邦人の93%が長期滞在者なので、中国での減少は期限つきで駐在する人の減少です。農林水産省の調査でも、中国の日本食レストランは2023年から2025年にかけて減っています(2025年は63,500店で、15,260店の減少。今回の調査で世界全体が初めて減少に転じた最大の要因です)。詳しくは海外の日本食レストラン数データをご覧ください。

6. 雇用主としての表の読み方と、現地での探し方

この調査では就労資格の有無は聞いていません。永住者の割合はあくまで目安で、採用候補者の数ではありません。そのうえで、上位20か国は大きく3つに分けられ、それぞれ探し方が異なります。

永住者が多い国:ブラジル、カナダ、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、米国、イタリア

日本人コミュニティの半数以上が、滞在期限を定めずに暮らしています。現地の永住権や国籍を持つ人も多く、在留資格を確認したうえで、他の現地スタッフと同じように雇える可能性があります。ブラジルは永住者の割合が90.7%と突出しています。スポンサーの前に探す先は、日系人会などの日本文化・コミュニティ団体、日本語の現地新聞やコミュニティ紙、日本人学校の補習校や領事館の掲示板、地元の日本語Facebook・LINEグループです。日本から料理人を呼び寄せる計画の前に、まずこれらの場で日本語で募集をかけてください。時期に応じた詳しい手順は日本人料理人の探し方にあります。

ほぼ半々の国:英国、フランス、ドイツ、韓国、フィリピン、台湾

永住者はおよそ3分の1から半分です。探す先の種類は同じですが、応募者の半分程度は雇用主や家族のビザに紐づく滞在であるため、面接前に一人ずつ確認してください。英国では、海外からの料理人の新規スポンサー採用が事実上できなくなっているため、この定住者層とワーキングホリデーの若者が現実的な採用候補のほとんどになります。詳しくは2025年以降の英国での日本人料理人の採用をご覧ください。

長期滞在者が多い国:タイ、ベトナム、中国、マレーシア、インドネシア、シンガポール、オランダ

大半が長期滞在者で、タイ、ベトナム、中国、マレーシアでは9割を超えます。日本企業の駐在員とその家族が多く、バンコクやシンガポールで駐在員の配偶者があなたの店で働けるかどうかは、本人のパス次第です。この層のコミュニティ団体は求職者向けというより、商工会議所のような業界団体寄りであることが多く、探す場というより在留資格を確認する場として使うのが実際的です。飲食店にとっては、料理長は労働許可を得て呼び寄せ、現地で育成したチームを組み合わせる形が一般的で、これは各市場の労働関連の規則が求める形とも重なります。現地スタッフへの和食の教え方、国別のタイとシンガポールの記事もご覧ください。

目安として、永住者の割合とレストラン1店あたりの在留邦人がともに高い国ほど、まず現地で探す価値があります。どちらかが低い国ほど、労働許可の準備を早く始める必要があります。

7. この数字からわからないこと

外務省のこの統計は年1回の公表で、2025年10月1日時点の数字は2025年12月25日に発表されました。次回(2026年10月1日時点)の発表は2026年12月ごろの見込みです。農林水産省のレストラン数はおおむね2年に1度の調査で、2025年が最新、次回は2027年ごろの見込みです。

よくある質問

海外在留邦人の総数はどのくらいですか。

外務省の最新の調査で、2025年10月1日時点で1,298,170人、前年比+0.4%です。人数が多いのは米国(416,380人)、オーストラリア、中国、カナダ、タイの順です。

この統計の「長期滞在者」と「永住者」はどう違いますか。

長期滞在者は、駐在や留学、期限のあるビザなど、期間を定めて海外に住んでいる人です。永住者は、永住権や国籍の取得などにより、期限を定めずに住んでいる人です。2025年時点の内訳は長期滞在者54.7%、永住者45.3%で、永住者の割合は2002年以降毎年増えています。

ビザのスポンサーなしで採用しやすい、定住した日本人コミュニティが大きい国はどこですか。

上位20か国では、ブラジル(永住者90.7%)、スイス(65.5%)、カナダ(68.5%)、ニュージーランド(58.4%)、オーストラリア(61.7%)、米国(56.1%)、イタリア(54.2%)で永住者の割合が高くなっています。ただしこれはまず現地で探す価値があるという目安であり、厨房経験や個々人の在留資格を保証するものではありません。

現地の日本人をどうやって探せばよいですか。

日系人会などの日本文化・コミュニティ団体、日本語の現地新聞やコミュニティ紙、日本人学校や領事館の掲示板、地元の日本語Facebook・LINEグループを、日本からのスポンサー採用を計画する前にまず使ってください。時期に応じた詳しい方法は日本人料理人の探し方にあります。

日本人が多い国なら、経験のある料理人も見つけやすいですか。

そうとは限りません。この調査は国籍と在留資格を記録しているだけで、職業は含みません。オーストラリアやスイスのように、レストラン1店あたりの在留邦人が多い国は募集に向きますが、中国は在留邦人数自体はずっと多いものの、日本食レストラン63,500店に対して薄く広がっており、レストラン1店あたり1.5人と、同じ小さな人材プールを巡る競争が厳しいことを示しています。

ロサンゼルスやバンコクなど、都市別の数字はどこにありますか。

同じ外務省調査の上位50都市を扱った海外在留邦人の都市別データにあります。

本記事は一般的な情報であり、法務・入管に関する助言ではありません。数字は外務省「海外在留邦人数調査統計」(2025年10月1日現在)と農林水産省「海外における日本食レストラン数」(2025年)によります。就労の可否は本人の在留資格によって決まるため、採用前に必ず確認してください。

出典

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