中東・中南米

アルゼンチンで日本人料理人を雇う:現地採用と就労居住

アルゼンチンの在留邦人10,168人のうち96.6%が永住者。まず現地で探すべき理由と、移住労働者としての一時居住の手続き、雇用主が担うRENURE登録・仮雇用契約・労働協約のポイントを解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 1万人の在留邦人、ほぼ全員が定住者
  2. まず現地で探す
  3. 「移住労働者」としての一時居住
  4. 雇用主が用意するもの
  5. ワーキングホリデー
  6. 手順

アルゼンチンには1万人を超える日本国籍者が暮らしており、そのほぼ全員が永住者です。外務省の統計に含まれない日系アルゼンチン人の社会も加えると、現地で採用する理由は十分にあります。日本から料理人を呼ぶ場合のルートは「移住労働者」としての一時居住で、書類のかなりの部分は雇用主が担います。本記事ではその両方を説明します。

1. 1万人の在留邦人、ほぼ全員が定住者

永住者の割合はブラジルの90.7%をも上回ります。国別の数字は在留邦人の国別データで比較できます。

2. まず現地で探す

永住者や、和食の修業を積んだアルゼンチン国籍の調理師であれば、移民手続きなしに厨房に加わることができます。現地採用は最も早く費用もかからない方法であり、市場の給与水準を知る手がかりにもなります。スペイン語と日本語で求人を出し、可能であれば日系団体や日本語メディアも活用してください。

ジェトロによると、アルゼンチンの労働法は、漁業など特定の分野を除き、雇用主が維持すべき現地人の雇用比率を定めていません。チリやペルーと違い、国籍による一般的な比率を計算する必要はありません。労働法は外国人従業員にもそのまま適用され、正規雇用では最低賃金を下回る給与は認められません。

日本から呼ぶのは、現地の人材では必要な水準に届かない場合です。多くはメニューを決めチームを育てる料理長のポジションです。

3. 「移住労働者」としての一時居住

アルゼンチンの移民法(法律第25,871号)は、一時居住者のうち移住労働者(trabajador migrante)を、雇用関係のもとで合法的な有償の活動に従事するために入国する人と定めています。法律上は最長3年、延長可能、複数回の出入国が認められる居住です(第23条a号)。実務上、国家移民局(DNM)は1年間、延長可能として許可しています。

DNMの手続きページによると、ポイントは次のとおりです。

ジェトロによると、海外に住む外国人は、まず該当する移住カテゴリーの入国許可(Permiso de Ingreso)が必要で、在外のアルゼンチン領事館で申請でき、有効期間は1年です。入国許可と国内での居住申請をどう組み合わせるかは、料理人の状況に応じて領事館で確認してください。

アルゼンチンは2025年5月29日公布の政令366/2025号で、法律第25,871号の複数の条文を改正しました。統合版の条文を見る限り第23条a号の移住労働者の定義は変わっていませんが、2025年半ば以前に書かれた案内は、ほかの点で古くなっている可能性があります。

4. 雇用主が用意するもの

DNMは、移住労働者の居住申請について、雇用主側の書類として次の4つを挙げています。

  1. 双方が署名した仮雇用契約書(pre-contrato laboral)。業務内容、労働時間、雇用期間、勤務地の住所、雇用主の納税番号(CUIT)、そして該当業種の労働協約に沿った給与を記載します。署名は公証人またはDNM職員の前で認証を受けます。
  2. 雇用主の連邦税務当局への登録証明。
  3. 雇用主のDNM外国人雇用者登録(RENURE)への登録証明。
  4. 税務当局への従業員の事前登録(alta temprana)の証明。雇用主が署名し、居住申請の開始から30暦日以内に提出します。

RENUREへの登録は会社としての別の手続きなので、必要になる前に済ませておきましょう。労働協約の点は予算に影響します。オファーの給与は全国一律の最低賃金ではなく、自店に適用される労働協約の水準を満たす必要があります。

進める順番は、会社のRENURE登録、労働協約の水準に沿った仮雇用契約の締結、署名の認証、料理人のアルゼンチン入国後のRaDEXでの申請、です。

5. ワーキングホリデー

日本とアルゼンチンのワーキングホリデー制度は2017年に始まりました。外務省によると、2026年4月1日現在の年間の枠は、日本からアルゼンチンへ200人(アルゼンチンから日本へは400人)です。料理長を呼ぶ手段にはなりませんが、調理場やホールの1シーズンの戦力にはなります。最新の条件は在日アルゼンチン領事館で確認し、ワーキングホリデー人材の採用ガイドも参考にしてください。中南米で同様の制度があるもう一つの国はチリです。

6. 手順

  1. 日系社会のネットワークも活用し、スペイン語と日本語で現地採用を試みる。
  2. 日本から採用する場合は、会社をRENUREに登録する。
  3. 実技を含めて面接する。遠隔での実技テストも参考にしてください。
  4. 労働協約の水準を満たす給与で仮雇用契約を結び、署名の認証を受ける。
  5. 入国の手配をアルゼンチン領事館で確認する。
  6. アルゼンチン入国後、料理人がRaDEXで申請し、雇用主は30日以内にalta tempranaを提出する。
  7. 最初の1か月の計画を立てる。受け入れガイドをご覧ください。

本記事は2026年9月に公式情報をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。アルゼンチンの移民関連の規則は2025年に改正されています。実際の手続きの前に、国家移民局(Dirección Nacional de Migraciones)とアルゼンチン領事館で最新の要件と手数料を確認してください。

出典

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