北米

ボストンの寿司職人の給料、チップ法、賃金幅(2026年)

ボストン都市圏のシェフ・調理人の賃金、マサチューセッツ州の最低賃金とチップ労働者の賃金、寿司カウンターとチップ法の判断基準、具体例付きの2025年賃金幅法、実際に使える採用チャネル、スポンサー採用の総費用と日程を解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

ボストンは調理人の賃金が法定下限を大きく上回る市場です。BLSによる都市圏のシェフ・料理長の中央値は72,470ドルで、全国値より約1万ドル高く、下位10%でも全国の下位25%を上回ります。マサチューセッツ州の厳しいチップ法は、寿司カウンターのチップを誰と分け合えるかを決めており、その日その料理人が客に直接料理を提供し、管理責任を持たないかどうかがポイントになります。2025年10月29日から、州内の従業員25人以上の雇用主には求人広告への賃金幅の記載が義務付けられています。日本から料理人をスポンサーする場合、ボストン水準の給与で初年度はE-2で約97,000ドル、O-1Bで約99,000ドルを見込んでください。

本ページは、すでに営業しているボストン地域のレストランへの寿司職人・厨房スタッフの採用を扱います。賃金、つまずきやすい2つのマサチューセッツ州のルール、人材の探し方、そしてスポンサー採用の費用と日程です。ビザの選択肢の比較はアメリカのビザ比較(どのビザで日本から料理人を呼ぶか)、一般賃金(prevailing wage)の仕組みは米国のシェフの一般賃金をご覧ください。

目次

  1. ボストンの調理人の賃金は最低賃金を大きく上回る
  2. マサチューセッツ州の最低賃金とチップ労働者の賃金
  3. チップ法:寿司カウンターはチップを分け合えるか
  4. 2025年10月からの求人広告の賃金幅
  5. 実際に人材がいる場所
  6. ビザのスポンサーの概要
  7. 採用1人分の総額と日程

1. ボストンの調理人の賃金は最低賃金を大きく上回る

米国労働統計局(BLS)の職業別雇用賃金統計(2025年5月、O*NET経由)による、ボストン・ケンブリッジ・ニュートン都市圏の数字です。

職種下位10%下位25%中央値上位25%上位10%
シェフ・料理長(35-1011)$48,820$56,790$72,470(時給$34.84)$85,000$100,740
レストラン調理人(35-2014)$36,810$39,400$45,830(時給$22.03)$49,390$58,690

3つのポイントがあります。ボストンのシェフの中央値72,470ドルは、全国値(62,470ドル)より約1万ドル高く、ニューヨーク(71,780ドル)もわずかに上回ります。これより高いのはシアトル(80,330ドル)、サンノゼ(79,020ドル)、ワシントンDC(74,900ドル)だけです。下限も高く、ボストンの下位10%のシェフ(48,820ドル)は全国の下位25%を上回ります。そして調理人の賃金も賃金下限を大きく上回り、時給22.03ドルは州最低賃金15.00ドルとの差が7ドルで、シカゴでは2ドル未満なのと対照的です。時給16ドルのラインクック求人では、ここでは応募が来ません。

寿司の料理長やおまかせのリードは、上位25%〜上位10%、85,000〜100,000ドル以上を目安にしてください。腕のある寿司の調理人は、調理人の中央値以上から提示しましょう。

2. マサチューセッツ州の最低賃金とチップ労働者の賃金

マサチューセッツ州金額適用開始
最低賃金$15.002023年1月1日
チップ労働者の現金賃金$6.752023年1月1日
チップクレジットの上限$8.25

2023年から変わっておらず、mass.govと米国労働省の州別一覧(2026年7月1日時点)の双方で確認しました。ボストン市独自の最低賃金はありません。チップ労働者は、働いたすべての時間についてチップと賃金の合計で15.00ドルに達している必要があり、6.75ドルの賃金を適用する雇用主は、チップ労働者の賃金に関する法律(M.G.L. c. 151, §7)について書面で通知しなければなりません。

3. チップ法:寿司カウンターはチップを分け合えるか

マサチューセッツ州のチップ法(M.G.L. c. 149, §152A)は、チッププールを法律の定めるウェイトスタッフ、サービス従業員、サービスバーテンダーに限っており、いずれのカテゴリーも、その日管理責任を持つ人を除外しています。ウェイトスタッフについての条文の文言は、多くのオーナーが思うより具体的です。「クイックサービスレストランでカウンタースタッフのチームの一員として料理や飲み物を用意または提供する人」を含むとしたうえで、その人が「飲み物または調理済みの料理を客に直接提供する」こと、そしてその日に管理責任を持たないことを条件としています。

これは「場合による」ではなく、寿司カウンターに使える具体的な判断基準になります。

プールに含める方向に働く事実料理人を除外する方向に働く事実
料理人がカウンターで一貫や一皿を客に直接手渡す・出しており、サーバーが運ばないサーバーやランナーがパスからテーブルまで皿を運び、料理人が客に直接提供することがない
そのシフトの間、料理人が他のスタッフへの監督権限を持たない料理人がその日、料理長やキッチンマネージャーとしてシフト管理・懲戒・採用の権限を持っている
役職も職務内容も一貫して「カウンタースタッフ」であり、管理職ではないカウンター担当の日でも、肩書きや職務内容が「マネージャー」「料理長」となっている

シフトごとに事実関係が変わりうることを踏まえると、より安全なつくり方はこうです。基本給の設計をチッププールへの参加可否に依存させないこと。まずカウンターの料理人にしっかりした直接賃金や月給を設定し、自店の具体的なサービス形態についての専門家の意見を書面で得てからプールに加え、加える場合は、参加する日については職務内容とシフト表を管理業務から切り離しておきます。賃金プランは、もしチップ分配があるとしても、それを基本給の一部としてではなく、別枠の追加分として文書化しましょう。他州の扱いは米国の厨房スタッフとチッププールのルールをご覧ください。

4. 2025年10月からの求人広告の賃金幅

マサチューセッツ州の賃金幅法(M.G.L. c. 149, §§105E-105F)により、2025年10月29日から、州内に従業員25人以上(フルタイム、パートタイム、季節雇用、臨時雇用を年間平均で数える)を雇用する雇用主には、求人広告への賃金幅の記載が義務付けられています。応募者は求めれば賃金幅を知ることができ、従業員も昇進・異動時や現在の職務について求めた場合に同じ権利を持ちます。執行は、初回は警告、2回目は最大500ドル、3回目は最大1,000ドルで、2027年10月29日までは2営業日の是正期間があります。従業員100人以上の雇用主は年次のEEOデータ報告も必要です。

第1章のボストンのデータを使った具体例です。寿司の料理長のポジションなら、都市圏の上位25%〜上位10%に沿った85,000〜100,000ドルの誠実な賃金幅が、市場の実態を超えて約束することなく交渉の余地を残します。寿司の調理人なら、調理人の中央値から上位10%に沿った46,000〜58,000ドルです。スタッフ12人の小さな寿司店はこの掲載義務の対象外ですが、2〜3店舗のグループならすぐに25人を超えます。広告の残りの書き方は寿司職人の求人票をご覧ください。

5. 実際に人材がいる場所

マサチューセッツ州に特化した数字として見つけられたのは、在ボストン日本国総領事館の州概要だけです。2023年6月時点の在留邦人14,089人、2022年時点の日系企業210事業所で、最終更新は2024年5月です。2026年9月に改めて確認しましたが、総領事館はより新しい数字を公表しておらず、これは現在の正確な数ではなく、古い、おおよその規模感として扱ってください。ボストンは外務省の世界の上位50都市リストにも入っていません。コミュニティの規模だけを根拠に採用計画を立てないでください。

実務で役立つのは次のような手段です。

6. ビザのスポンサーの概要

米国には料理人専用のビザはありません。アメリカのビザ比較(どのビザで日本から料理人を呼ぶか)で並べて比較しているのは、E-2(自社の50%以上を日本資本が保有)、O-1B(対外的な評価の記録がある料理人向け。O-1 visa for chefsを参照)、そして数年単位の待ちを受け入れる永住権のEB-3です。PERMとH-2Bでは、労働省の2026年7月〜2027年6月の一般賃金で、ボストンのシェフは時給25.09ドル(レベルI)〜41.79ドル(レベルIV)です。レベルの適用方法は米国のシェフの一般賃金をご覧ください。

7. 採用1人分の総額と日程

全国平均ではなく、ボストン水準の上のほうの給与を使うと次のとおりです。

項目E-2O-1B(プレミアム処理なし)
給与(ボストン、上位25%〜上位10%寄り)$90,000$90,000
雇用主負担のFICA(7.65%)$6,885$6,885
政府手数料$315(ビザ申請料。日本国籍者に相互主義手数料なし)I-129申請料$1,055+Asylum Program Fee $600+ビザ申請料$205
初年度、政府手数料と人件費のみ約$97,200約$98,745

移住費用、専門家報酬、翻訳費用、航空券は含まれていません。項目別の全体像は海外から料理人を採用する費用の総額をご覧ください。目標の入社日から逆算した日程です。

時期やること
16〜20週間前ルートを確認する(E-2は資本構成、O-1Bは実績の証拠)。第1章をもとに賃金幅を決め、従業員25人以上なら第4章のルールに沿って掲載する。
12〜14週間前申請書またはE-2の登録を提出する。O-1Bの場合は同業者の意見書の協議を早めに始める。
8〜10週間前承認され、料理人が日本でビザ面接を予約する。2025年9月2日以降、ほぼすべての申請者に対面面接が必要。
4〜6週間前ビザが発給される。移住と入社日を書面で確定する。
初出勤前カウンターでの初シフトの前に、第3章のチッププールの扱いを書面で確定しておく。

本記事は2026年9月に公的情報源から収集した一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。マサチューセッツ州と連邦のルールは変わることがあります。行動の前にリンク先のページをご確認ください。

変わる数字:BLSの都市圏賃金データ(次回更新は2026年5月分のデータで2027年春の見込み)、USCISの申請料とプレミアム処理料、マサチューセッツ州の賃金幅是正期間(2027年10月29日終了)。州の最低賃金とチップ労働者の賃金は2023年から変わっておらず、改定の予定もありません。次回確認は2027年9月です。

よくある質問

マサチューセッツ州で寿司カウンターの料理人はチッププールに参加できますか。

できる場合があります。法律が対象とするのは、客に料理を直接提供し、その日は管理責任を持たないカウンタースタッフです。サーバーが料理をテーブルまで運ぶ場合や、料理人が厨房も管理している場合は対象外です。自店のサービス形態について書面で意見を得て、基本給の設計をその結論に依存させないようにしましょう。

ボストンで寿司職人にいくら払うべきですか。

BLSデータでは都市圏のシェフの中央値は72,470ドルで、全国値を大きく上回ります。寿司の料理長は上位25%〜上位10%、85,000〜100,000ドルを目安にし、腕のある寿司の調理人は調理人の中央値以上、およそ46,000〜58,000ドルを目安にしてください。

マサチューセッツ州の賃金幅法は自社にも適用されますか。

州内の従業員が25人以上になれば適用されます。パートタイム、季節雇用、臨時雇用も年間平均で数えます。適用されると、すべての求人に誠実な賃金幅が必要です。単独店舗の小さな寿司店は通常対象外です。

ボストンで和食の修業を積んだ料理人はどこで探せますか。

この地域の日本人コミュニティは小規模で、ケンブリッジとブルックラインに集まっており、多くは飲食業より大学に紐づいています。大学の日本人会やボストン日本協会が有用な媒体ですが、寿司の上級ポジションについては、米国の他地域や日本からの採用も予算に入れておきましょう。

日本からボストンへ料理人をスポンサーする初年度の費用はいくらですか。

ボストン水準の上のほうの給与を使うと、政府手数料と給与税だけで、初年度はE-2で約97,200ドル、プレミアム処理なしのO-1Bで約98,745ドルです。移住費用、専門家報酬、翻訳費用は別にかかります。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

和食料理人を採用しませんか?

世界中の和食料理人が登録するWashokuJobに、貴店の求人を掲載できます。