アジア・オセアニア

フィリピンで日本人料理人を雇う:AEPと9(g)ビザ

DOLE省令248-2025により、労働市場テストは雇用主が労働者の氏名入りで求人を公告する方式になりました。AEP、アンダースタディ、9(g)ビザ、申請期限を順を追って解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 数字で見るフィリピン
  2. 2つの許可、2つの機関
  3. DOLE省令第248号による労働市場テスト
  4. AEPの申請
  5. アンダースタディ(後継者育成)要件
  6. 9(g)就労ビザ
  7. 現実的な手順

フィリピンは規模こそ小さいものの成長を続ける日本食レストラン市場です。外国人料理人の書類手続きは2つの機関に分かれており、就労の許可は労働雇用省(DOLE)、ビザは入国管理局(BI)が扱います。また2025年の制度変更で、求人を公告する役割がDOLEから雇用主に移りました。本記事では、2026年9月時点で飲食店が日本人料理人を雇う手続きを解説します。

1. 数字で見るフィリピン

永住者の割合が比較的高いということは、フィリピンの日本人の中には長く定住し、すでに就労資格を持っている人もいる可能性があるということです。許可申請を始める前に確認してください。

2. 2つの許可、2つの機関

外国人雇用許可(AEP)特別就労許可(SWP)9(g)ビザ
発給機関DOLE入国管理局入国管理局
目的6か月を超える就労の許可6か月以内の就労事前に決まった雇用のための在留
有効期間有効期間1年ごとに手数料;更新可3か月、1回延長可通常2年、延長可

継続的な契約で雇う料理人には、AEPと9(g)ビザの両方が必要です。SWPは、開店時に料理人を呼ぶなど短期の案件に向いています。SWP保有者が引き続き働く場合は、SWPの期限の21営業日以上前にDOLEへAEPを申請しなければなりません。

3. DOLE省令第248号による労働市場テスト

2025年1月に出されたDOLE省令(Department Order)2025年第248号は、雇用主が実施する労働市場テストを含む新しいAEPの枠組みを導入しました。以前は、DOLE自身がAEP申請者の情報をウェブサイトと新聞に30日間掲載し、フィリピン人が異議を申し立てられるようにしていました。この手続きが置き換えられました。

JETROの整理によれば、DO 248の内容は次のとおりです。

2つの「15日」は逆方向に数えるため、順序に注意してください。まず求人を掲載します。契約は、申請予定日の15日前より早く結ばないようにします。そのうえで、掲載から16日目以降に申請します。契約を早く結びすぎると、公告期間が終わる前に申請可能期間を過ぎてしまうことがあります。

4. AEPの申請

申請先は、勤務地を管轄するDOLEの地方事務所です。準備すべき点は次のとおりです。

5. アンダースタディ(後継者育成)要件

管理職以外の技術職のAEP申請では、DOLEはこれまで、外国人の技能をフィリピン人2人に移転するアンダースタディ研修プログラムを求めてきました。DO 248もこれを引き継ぎ、特に優先分野において、技能開発とアンダースタディ研修プログラムの要件を定めています。DOLEはひな形を公開しています。

飲食店であれば、これを実のある計画にするのは難しくありません。フィリピン人の調理スタッフ2人を指名し、何を(包丁の扱い、米、魚の仕込み、主要メニュー)どの期間で学ぶかを定め、記録を残してください。呼び寄せた料理人1人への依存を減らす最も直接的な方法でもあります。現地スタッフへの和食トレーニングを参照してください。

6. 9(g)就労ビザ

9(g)ビザは、フィリピン移民法第9条(g)に基づく、フィリピンで事前に雇用が決まっている外国人のためのビザです。通常2年で発給され、延長も可能です。配偶者と21歳未満の未婚の子どもが帯同できます。ポジションは、管理職や高度な技能を持つ技術者など、フィリピン人では埋められないものでなければなりません。料理人の場合は、専門性の高い職務として申請書で示す必要があります。

入国管理局の必要書類リストには次のものが含まれます。

雇用主は入国管理局に直接申請できます。承認されると、ビザの指示は外務省(DFA)を通じて料理人が所在する国のフィリピン大使館・領事館に送られます。料理人は発給から90日以内に渡航し、到着後に入国管理局でビザの実施手続きと登録を行います。ビザを持ち6か月以上滞在した外国人は、出国時に原則として入国管理局の出国許可証(Emigration Clearance Certificate)も必要です。

日本国籍者は商用・観光目的なら30日までビザなしでフィリピンを訪問でき、対面での面接や店舗の下見に便利です。ただし就労はできません。

7. 現実的な手順

  1. 料理人の経歴が専門職としての職務に合うことを確認し、翻訳付きで経験の証明をそろえる。
  2. 料理人のTIN取得を支援する。
  3. 料理人の氏名を含めた求人を一般紙に掲載する(PhilJobNetやPESOへの掲載は任意)。掲載日の証拠を保管する。
  4. 締結から15日以内、かつ掲載から15日経過後に申請できるよう、契約を結ぶ。
  5. アンダースタディ・プログラムを添えて、DOLE地方事務所にAEPを申請する。
  6. AEPが発給されたら、入国管理局に9(g)を申請する。
  7. 料理人は国外でビザを受け取り、90日以内に渡航して入国管理局で登録する。
  8. 更新の予定を管理する:AEPの更新申請は期限の60日前から可能です。

地域の比較はベトナムインドネシアタイをご覧ください。オファーに盛り込むべき内容は雇用契約のチェックリストで解説しています。

本記事は、JETROによるフィリピンの制度の解説と日本政府の統計をもとに2026年9月に確認した一般的な情報であり、法律・移民手続きに関する助言ではありません。DOLEと入国管理局の要件や手数料は、省令や通達によって変わります。申請前に、DOLE地方事務所、入国管理局またはフィリピンの弁護士に確認してください。

出典

料理人の採用でお困りですか

WashokuJobは海外の和食店専門の求人サイトです。掲載中の求人は世界各国の日本食レストランから集まっています。掲載のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。