北米

調理人・シェフのLMIA申請手順ガイド【2026年版】

レストラン向けにLMIAの実務を順を追って解説します。ストリームとCMAの確認、低賃金の新しい8週間広告ルール、一般賃金、C$1,000の手数料、審査期間、就労許可までを網羅します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 始める前に:3つの確認事項
  2. ステップ1:アカウントと州の書類を準備する
  3. ステップ2:求人広告を出す
  4. ステップ3:賃金と契約内容を固める
  5. ステップ4:LMIA Onlineで申請する
  6. ステップ5:LMIAが承認された後
  7. 現実的なスケジュール
  8. 申請がつまずくポイント

本ガイドは、カナダのレストランで調理人やシェフを雇うための労働市場影響評価(LMIA)について、カナダ雇用・社会開発省(ESDC)が2026年9月時点で公表しているルールに基づき、実務の流れを解説するものです。ルールは2026年7月に変わったため、古いガイドやテンプレートは誤っている可能性があります。そもそもLMIAが適したルートでない場合も含め、全体像については先にカナダで日本人料理人を採用するをお読みください。

1. 始める前に:3つの確認事項

どのストリームか。提示する時給を、州の賃金中央値の基準額(2026年7月17日発効:オンタリオ州C$36.92、BC州C$38.40、ケベック州C$36.00、アルバータ州C$37.50)と比べます。基準額以上なら高賃金ストリーム、下回れば低賃金ストリームです。調理人(NOC 63200)の仕事のほとんど、そしてシェフ(NOC 62200)の仕事のほとんども低賃金に該当します。

低賃金の申請がそもそも受理されるか。ESDCは、失業率6%以上の国勢調査都市圏(CMA)での低賃金の申請を受理していません。2026年7月10日〜10月8日に提出される申請については、トロント、モントリオール、バンクーバー、カルガリー、エドモントン、オタワ・ガティノーなどが対象です。求人広告にお金をかける前に、最新のリストを確認してください。

上限。低賃金の一時外国人労働者は、その勤務地の従業員の10%までしか雇えません。従業員が10人未満の場合、上限は1人です。

2. ステップ1:アカウントと州の書類を準備する

3. ステップ2:求人広告を出す

日程の大半を占めるのがこの工程で、2026年7月の変更がレストランに最も大きく影響するのもここです。

高賃金低賃金
最低掲載期間連続4週間連続8週間
時期申請前3か月以内申請前3か月以内
Job Bank必須(Job Matchを利用)必須(Job Matchを利用)
その他の募集方法2つ以上(うち1つは全国規模)就労機会の少ない層(若者、先住民、新移民、障害のある人、難民申請者など)を対象とするもの2つ以上
審査中決定が出るまで、少なくとも1つの募集方法を継続する必要がある

ESDCは2026年7月9日、低賃金ストリームの広告期間を4週間から8週間に延長すると発表しました。即日施行されています。

レストランが引っかかりやすいルールが3つあります。

求人広告に関する州のルールも適用されます。オンタリオ州では、従業員25人以上の雇用主は賃金幅を記載しなければならず、カナダでの就労経験を要件にしてはなりません。BC州では、すべての公開求人に賃金額または賃金幅の記載が必要です。

4. ステップ3:賃金と契約内容を固める

賃金は少なくとも一般賃金(prevailing wage)以上でなければなりません。一般賃金とは、その職種・地域のJob Bank中央値と、同じ勤務地で同じ仕事をしている既存の従業員に支払っている賃金幅のうち、高い方です。算入できるのは保証された賃金だけで、チップ、残業代、ボーナス、福利厚生は含まれません。

Job Bankの中央値(2025年11月19日更新)が下限の目安になります。シェフはトロント地域C$22.00、ロワーメインランド・南西部C$23.00、モントリオール地域C$24.00、調理人は同じ地域でC$18.00〜C$20.00です。低賃金ストリームでは、仕事は週30時間以上のフルタイムでなければなりません。

低賃金ポジションでは、さらに次のことを約束します。

高賃金の申請では、カナダ人と永住者をどのように採用・定着・育成するかを示す移行計画(transition plan)が必要です。その他の契約内容については、雇用契約チェックリストが役立ちます。

5. ステップ4:LMIA Onlineで申請する

6. ステップ5:LMIAが承認された後

  1. 労働者にLMIA通知書とAnnex Aを送ります。どちらも就労許可の申請に必要です。通知書に記載された有効期限に注意してください。
  2. 労働者は雇用主指定の就労許可(employer-specific work permit)を申請します。IRCCの手数料はC$155で、必要な場合は生体認証にC$85が加わります。
  3. 日本国民はビザ免除対象で、eTA(電子渡航認証、C$7)で渡航します。IRCCの入国地点に関するページでは、ビザ免除の渡航者は国境で就労許可を申請できる場合があるとされていますが、それを前提にする前に最新の資格要件ページを確認してください。
  4. 到着後は、社会保険番号(SIN)、州の医療保険の登録、銀行口座、住居の手配を手伝いましょう。日本から来た料理人の受け入れをご覧ください。

7. 現実的なスケジュール

不受理対象のCMA以外での低賃金申請について、ESDC自身の数字を積み上げると次のようになります。

段階期間
州の登録(BC、MB、SK、NS)、求人広告と並行して進めるBC州で約6週間
求人広告最低8週間
LMIAの審査約82営業日、およそ16〜17週間
就労許可と渡航労働者がどこで申請するかによる

最初の広告から決定まで、就労許可の前の段階でおよそ24〜25週間、6か月近くかかります。高賃金ストリームは広告期間が4週間短い一方、審査はやや長くかかります。採用は1か月先ではなく、1シーズン先を見据えて計画しましょう。

8. 申請がつまずくポイント

自店の都市や賃金でLMIAが現実的でない場合は、LMIAが不要なIECワーキングホリデーのルートを検討してください。

本記事は2026年9月に公的情報源から収集した一般的な情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。ESDCは短い予告期間で要件を変更します。行動の前にリンク先のページを確認するか、カナダの登録移民コンサルタントまたは弁護士にご相談ください。

出典

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