採用の進め方

2店舗目の人員計画:1店舗目を弱らせない出店準備

1店舗目を弱らせずに2店舗目の和食店の人員をそろえる方法。分割型と新チーム型、人員配置表、開業20週前からのタイムライン、ビザで働くスタッフの異動。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 2店舗目の人員配置が1店舗目より難しい理由
  2. チームを分けるか、新しくつくるか
  3. 2店舗分の人員配置表
  4. 開業20週前からのタイムライン
  5. 1店舗目を守る
  6. ビザで働くスタッフと店舗間の異動
  7. 開業後の3か月

2店舗目の和食店を出すのは、1店舗目を開けたときとは別の仕事です。ブランドも仕入先も、回っているチームもすでにあります。そのぶん失うものもあります。2店舗目が軌道に乗るまで収益を支える、1店舗目です。この記事では、1店舗目を弱らせずに2店舗目の人員をそろえる方法を整理します。海外で初めて店を開く場合は、先に開業前の人員計画タイムラインをご覧ください。

1. 2店舗目の人員配置が1店舗目より難しい理由

1店舗目の開業時は、オーナーか料理長が毎営業に立っていました。品質は一人の目で保たれていたわけです。2店舗になると、その人は一度に一か所にしかいられません。よく起きる失敗は次の3つです。

いずれも計画の問題で、賃貸契約に署名する前に紙の上で解決できます。

2. チームを分けるか、新しくつくるか

基本となるモデルは2つあり、多くのグループはその中間に落ち着きます。

分割(種まき)型新チーム型
進め方1店舗目の経験者を中核として2店舗目へ移し、1店舗目は新規採用で補充する2店舗目の大半を新規採用し、1店舗目からは責任者を1〜2名だけ出す
強み品質と店の文化が人と一緒に移る1店舗目がそのまま残る
リスク新人が育つまで1店舗目が弱くなる一緒に働いたことのないチームで2店舗目が開業する
向いている状況1店舗目に、昇格できる二番手がいる1店舗目が、外せない少数の人に依存している

目安になるルールがあります。一つの厨房から、上位3人のうち2人以上を同時に動かさないこと。料理長が動くなら副料理長は残す。副料理長が2店舗目の責任者になるなら、料理長は残って内部から昇格させる。

判断は多くの場合、一つの問いに行き着きます。1店舗目に、明日からでもその厨房を回せる二番手がいるかどうか。答えが「いない」なら、まずそこを解決してください。方法は二番手の育て方で解説しています。

3. 2店舗分の人員配置表

計画は表にします。行に職務、列に店舗をとり、各マスに具体的な名前か「採用予定」を書きます。寿司カウンターの店が同じ業態の2店舗目を出す場合の例です。

職務1店舗目(現在)1店舗目(開業後)2店舗目(開業時)確保の方法
総料理長・グループシェフ(なし)1店舗目の料理長を昇格、両店を兼務内部
料理長・板長AB(副料理長から昇格)A(最初の8〜12週間)内部
副料理長・カウンターの二番手B採用予定C(シニア調理人から昇格)1店舗目は外部採用
シニア調理人C、DD採用予定外部
調理人・仕込みE、F、GE、F+新規1名G+新規2名外部
洗い場HH採用予定外部
ホール責任者II採用予定(1店舗目で研修)外部

この表で見えてくることが2つあります。一つは、昇格のたびに下のポジションに空きが生まれ、実際に採用すべきなのはその空きだということ。もう一つは、開業前に1店舗目で研修を受けた新人は、開業当日に初めて来る新人2人分の価値があるということです。

「採用予定」のマスを数えてください。それが採用の負荷です。昇格が連鎖するため、たいていオーナーの想定より多くなります。

4. 開業20週前からのタイムライン

以下は、就労資格をすでに持つ人を現地で採用する前提です。日本からビザで呼ぶ職務がある場合、その職務の準備はずっと早く始める必要があります。必要な期間は海外出店時の人材計画を参照してください。

開業までの週数人員面のタスク
20週前人員配置表の原案をつくる。分割型か新チーム型かを決める。異動・昇格する本人に、個別に書面で伝える。
16週前1店舗目の補充ポジションの求人を出す。副料理長とシニア調理人から。研修に最も時間がかかる職務です。
12週前最初の補充人員が1店舗目で勤務開始。2店舗目の責任者になる人は、1店舗目の業務の引き継ぎを始める。
10週前2店舗目の調理人、仕込み、ホールの求人を出す。
8週前2店舗目の採用者が1店舗目で、実際の営業に入って研修を始める。誰かの頭の中にしかないレシピ、仕込み表、持ち場の手順を書き出す。
4週前両店の最終シフトを決める。異動する人が抜けた状態で、1店舗目が通常営業を丸1週間回せるか試す。
2週前2店舗目のチームが移り、設営と関係者向けのプレオープン営業を行う。
開業開業。1店舗目の応援に入れる経験者を一人確保しておく。

計画の中で最も重要なのは4週前のテストです。異動者抜きで1店舗目が通常営業を1週間回せなければ、開業当夜ではなく、まだ手を打てるうちに気づくことができます。

5. 1店舗目を守る

6. ビザで働くスタッフと店舗間の異動

自社がスポンサーとなって就労ビザや許可を取得しているスタッフがいる場合は、計画に組み込む前にその条件を確認してください。国や制度によっては、許可が特定の雇用主、職務名、給与水準、勤務地に結びついていることがあり、そのいずれかを変えると新たな申請や当局への届出が必要になる場合があります。店舗ごとに別法人で運営しているグループもあり、許可に雇用主名が記載されている場合はその点が問題になります。

各国のルールは大きく異なり、頻繁に変わるため、ここでは個別に挙げていません。オーストラリアカナダなどの国別ガイドに公式情報へのリンクをまとめています。判断に迷う場合は、本人に異動を伝える前に、移民当局または専門家に確認してください。

7. 開業後の3か月

3か月が終わったら、現状に合わせて人員配置表を書き直してください。3店舗目を考えているなら、その表の空欄が次の採用リストです。求人を出す準備ができたら、両店舗分の求人をWashokuJobに掲載できます。

本記事は一般的な情報であり、法律や移民に関する助言ではありません。就労許可の条件は国や制度によって異なります。スポンサー対象のスタッフの職務、所属法人、勤務地を変更する前に、公式のルールを確認してください。

出典

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