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料理人のための州推薦プログラム:AB・ON・BC・QC州

2026年に日本人調理人が州推薦を受けられるのはどこか。アルバータ州の2つのストリーム、オンタリオ州の新ストリーム、BC州が難しい理由、ケベック州のフランス語要件を、雇用主のチェックリストと申請時期とともに解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

すでにカナダにいる日本人調理人にとって、永住権はたいてい連邦のエクスプレス・エントリーの選考ではなく、州推薦を通じて得られます。推薦そのものが単独で600点のCRSに相当するためです。アルバータ州の観光ストリームは飲食店向けに作られた唯一のストリームですが、年間の推薦は160人未満です。オンタリオ州の新ストリームは調理人を技能職として扱います。BC州はほとんど選ばれません。ケベック州にはPNP型のストリーム自体がなく、フランス語が要件の熟練労働者プログラムのみです。

本ページは、アルバータ州、オンタリオ州、BC州、ケベック州で調理人の州推薦を後押しするかどうか、自社が何を用意すべきかを検討する雇用主向けです。雇用主側の前提条件、都市別ページのある4州の比較、申請時期を扱います。連邦のルートは先に料理人のためのエクスプレス・エントリーを、採用そのものはカナダで日本人料理人を採用するをご覧ください。

目次

  1. 調理人にとって州推薦が重要な理由
  2. 雇用主側の前提条件:申請前のチェックリスト
  3. 4州の比較
  4. アルバータ州:調理人を受け付ける2つのストリーム
  5. オンタリオ州:新しいワークフォース・プライオリティ・ストリーム
  6. BC州:書類上は対象でも優先はされない
  7. ケベック州:PNPはないがフランス語が要件の制度がある
  8. 年間のいつ申請すべきか
  9. その他の州

1. 調理人にとって州推薦が重要な理由

2026年1〜9月にIRCCが実施したカナディアン・エクスペリエンス・クラスのラウンドでは、招待された最低点は507点でした。同じ期間の州推薦プログラムのラウンドでは697〜805点の候補者が招待されています。推薦そのものが600点に相当するためです。エクスプレス・エントリーとまったく連動せず、別の申請につながる州のストリームもあります。

シェフ(NOC 62200、TEER 2)と調理人(NOC 63200、TEER 3)は、技能の尺度では中間に位置します。技能職として扱う州もあれば、限られた推薦枠を医療や建設に集中させ、調理人にはほとんど機会がない州もあります。そのため、店の所在地が大きく影響します。

2. 雇用主側の前提条件:申請前のチェックリスト

以下のどのストリームも、本人と同じくらい、あるいはそれ以上に雇用主にかかっています。申請に時間をかける前に、次を整えておきます。

  1. 業種が対象かを確認する。アルバータ州の観光ストリームはレストラン、ケータリング、ホテル、スキーリゾートを明記しています。オンタリオ州とBC州は業種を限定しませんが、事業実績は審査されます。
  2. 労災補償の加入を最新にする。アルバータ州のWCB、BC州のWorkSafeBCへの加入は確認対象です。証書だけでなく口座番号も用意しておきましょう。
  3. 必要な業界団体に加入する。アルバータ州の観光ストリームはRestaurants CanadaやAlberta Hospitality Associationなど指定団体の会員資格を求めます。未加入なら加入に数週間かかることを見込んでください。
  4. 雇用オファーの文言をストリームの要求に合わせる。オンタリオ州とBC州はフルタイムかつ無期限(permanent/indeterminate)を求めます。「季節雇用」や「臨時」と書かれたオファーはそれだけで不適格になります。
  5. 未履行の命令がないか確認する。オンタリオ州は雇用基準法や労働安全衛生法に基づく未履行の命令がある雇用主を除外します。審査中ではなく申請前に解消してください。
  6. 給与記録を整えておく。どのストリームも、社内記録の職名、職務、勤務時間、給与が本人の申告内容と一致しているかを確認します。

3. 4州の比較

アルバータ州:観光・ホスピタリティアルバータ州:オポチュニティオンタリオ州:ワークフォース・プライオリティBC州:熟練労働者ケベック州:PSTQ
調理人・シェフは対象か対象(職種名で明記)対象(対象外リストに入っていない)対象(技能職として明記)対象(TEER 0〜3)だが選考の優先対象ではない対象(ストリーム2:中間・実務技能)
雇用オファーは必要か必要、LMIAに基づく許可必要、LMIAに基づく、または認められたLMIA免除の許可必要、フルタイムかつ無期限必要、フルタイムかつ無期限不要
語学各技能で4CLB 5(TEER 0〜3)調理人・シェフはCLB 5最低CLB 4フランス語会話レベル5以上
2026年の枠割当156件割当3,562件新ストリーム、招待実績なしBC PNP全体で6,254件職種別の固定枠なし

4. アルバータ州:調理人を受け付ける2つのストリーム

観光・ホスピタリティ・ストリーム

これらの州の中で、飲食店を明確に想定して作られているのはこのストリームだけで、シェフ、調理人、フードサービス監督者、レストランマネージャー、ホールスタッフが対象です。本人は、認定を受けた観光・ホスピタリティ業の雇用主のもとで、LMIAに基づく許可により働き、その雇用主のもとで6か月以上連続(780時間)フルタイムで勤務し、各技能で4以上の語学スコアと、学歴審査(ECA)で確認された高校卒業相当の学歴が必要です。パートタイム、臨時、季節雇用の従業員は対象外です。

問題は規模です。2026年9月23日時点で、AAIPはこのストリームに2026年の推薦枠を156件割り当て、141件を発行しており、EOIプールには3,275件がありました。

アルバータ・オポチュニティ・ストリーム

州の主要な労働者向けストリームはずっと大きく、2026年の割当は3,562件、9月23日時点で2,911件が発行されています。すべてのTEERカテゴリーのほとんどの職種が対象で、シェフと調理人は対象外リストに入っていません。本人には、LMIAに基づくか認められたLMIA免除の許可によるアルバータ州でのフルタイム勤務、アルバータ州でのフルタイムの雇用オファー、TEER 0〜3の職ならCLB 5、そして直近18か月以内にアルバータ州で12か月、または直近30か月以内にカナダ国内外で24か月の経験が必要です。選考はEOIによって行われ、プールには22,315件があり、直近の2026年の選考(9月23日実施分を含む)の最低点は50〜58点でした。

都市ごとの事情はカルガリー編とエドモントン編で解説しています。

5. オンタリオ州:新しいワークフォース・プライオリティ・ストリーム

オンタリオ州は2026年に州推薦プログラムを作り直しました。2026年6月25日に施行された規則改正で、3つの雇用オファー(Employer Job Offer)ストリームを含む8つのストリームが廃止され、オンタリオ・ワークフォース・プライオリティ・ストリームに置き換えられました。EOIの受付ポータルは2026年8月4日に開きました。

厨房にとって重要なのは、このストリームがマイナーグループ6320(調理人・精肉職人・パン職人)とユニットグループ62200(シェフ)を技能職として位置づけている点で、ほかのTEER 0〜3の職と比べて2つの要件が下がります。語学は4技能すべてでCLB 5(ほかはCLB 6)、学歴は高校卒業相当(ほかは1年以上の中等後教育)です。

雇用オファーはフルタイムかつ無期限で、所在地に応じた賃金水準を満たす必要があります。本人には、たとえば直近12か月以内に雇用主の当該ポジションで6か月連続のフルタイム勤務、または直近5年以内に当該職種で2年のフルタイム経験といった職歴が求められます。点数は時給(C$20未満は0点、C$40以上は15点)、当該ポジションでの勤務期間、オンタリオ州での勤務期間などで決まります。オンタリオ州の直近の公表時点では、このストリームでの招待はまだ発行されておらず、実績で判断できる材料はまだありません。

オンタリオ州の都市ごとの事情はトロント編とオタワ編をご覧ください。

6. BC州:書類上は対象でも優先はされない

BC州のバンクーバー都市圏にはカナダ最大の日本人コミュニティがありますが、調理人にとっては現在4州の中で最も厳しい州です。

BC州の2026年の推薦枠は、全ストリーム合計で6,254件です。BC州の調理人にとっては、連邦のカナディアン・エクスペリエンス・クラスのほうが現実的な目標であることが多いでしょう。BC州での採用についてはバンクーバー編とビクトリア編をご覧ください。

7. ケベック州:PNPはないがフランス語が要件の制度がある

ケベック州はそもそも連邦の州推薦プログラム(PNP)の枠組みに含まれておらず、独自の熟練労働者選考制度であるPSTQ(Programme de sélection des travailleurs qualifiés)を運営しています。調理人(TEER 3)は通常、中間・実務技能を対象とするストリーム2に該当します。ここまでの他州と違い、ケベック州での雇用オファーは申請の必須条件ではありませんが、ストリーム2はフランス語の会話力レベル5以上を求めます。多くの日本人調理人にとって、職種や雇用主ではなく、これこそが実際の壁です。シェフの職務(TEER 2)は、独自の基準を持つストリーム1(高度・専門技能)に該当する場合があります。

店舗がモントリオールにある場合、永住を望む調理人にとって現実的な第一歩はフランス語の学習です。雇用オファーは案件を後押ししますが、ほかの州のようにそれ自体が要件になるわけではありません。モントリオールでの採用はモントリオール編をご覧ください。

8. 年間のいつ申請すべきか

9. その他の州

サスカチュワン州、マニトバ州、大西洋岸の各州、準州もそれぞれ州推薦ストリームを運営しており、職種リストに調理人が含まれる場合もあります。本ガイドではこれらを確認しておらず、要約もしていません。これらの州にはまだ当サイトの都市別ページがないためです。店舗がこれらの州にある場合は、各州の公式移民サイトを直接ご確認ください。

雇用オファーの中で永住権を約束することは避けてください。選考は競争であり、ルールは年の途中でも変わります。定着策の全体像は日本人料理人の定着をご覧ください。

変わる数字:アルバータ州の割当と枠の数字(AAIPはほぼ毎週処理状況ページを更新しており、本ページの数字は2026年9月23日時点)、オンタリオ州のストリームの状況(直近の公表時点で招待実績なし)、BC州の選考基準(WelcomeBCはラウンドごとに更新しており、2026年9月24日の数字が執筆時点で最新)、ケベック州のPSTQの基準。特定の数字に頼る前に各州のページを再確認し、遅くとも2027年3月には見直してください。

よくある質問

調理人にとって州推薦を得やすいのはどの州ですか。

書類上はアルバータ州です。観光・ホスピタリティ・ストリームは飲食店を明確に想定した唯一のストリームで、オポチュニティ・ストリームも調理人を排除していません。ただしどちらも限られた推薦枠を巡る競争があるため、「得やすい」とは「実際に使えるストリームがある」という意味であり、「確実に取れる」という意味ではありません。

BC州で調理人が永住権を得ることはできますか。

熟練労働者ストリームの制度上は可能ですが、BC州の2026年の招待ラウンドは「ケア」「建設技能職」「高所得者」に向いており、調理人には向いていません。BC州の調理人は、連邦のカナディアン・エクスペリエンス・クラスを狙うほうが現実的です。

ケベック州に調理人向けの州推薦プログラムはありますか。

ありません。ケベック州は連邦のPNP制度の外にあり、独自のPSTQ(熟練労働者選考制度)を運営しています。調理人は通常ストリーム2の対象になりますが、フランス語の会話力レベル5以上が求められ、多くの候補者にとって職種そのものよりもこれが主な障壁です。

州推薦のために雇用主は何を用意する必要がありますか。

ストリームが求める文言に沿った本物のフルタイム雇用オファー(オンタリオ州とBC州では無期限)、労災補償への加入、該当する場合は指定業界団体への加入(アルバータ州の観光ストリーム)、違反歴のないこと、そして本人の申告と一致する給与記録です。

オンタリオ州の新しいワークフォース・プライオリティ・ストリームは調理人にとって有望ですか。

申請する価値はあります。調理人とシェフは技能職として明記され、ほかの職種より語学と学歴の要件が低いためです。ただしこのストリームは2026年8月に開いたばかりで、直近の公表時点では招待実績がなく、見込みを判断できる実績はまだありません。

本記事は2026年9月に公的な情報源から収集した一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。州のストリーム、推薦枠、選考基準は年の途中でも変わります。申請者は公式ページを確認し、認可を受けた移民コンサルタントや弁護士への相談も検討してください。

出典

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