中東・中南米

モルディブのリゾートで日本人料理人を採用する費用と手続き

モルディブのリゾートがXpat制度で日本人料理人を採用する方法。就労許可手数料、2026年の入国パス規則、確認できなかったこと(保証金・国民限定職種)、待遇の決め方を解説します。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

モルディブのリゾートが日本人料理人を採用する場合、政府のXpat制度を通じて、渡航前の就労許可入国パス(Work Permit Entry Pass)取得、入国後15日以内の就労eビザ申請、そして雇用主による月MVR 350の就労許可手数料(MIRA宛て)が必要です。確認できた政府手数料だけで年間MVR 4,200前後(US$230〜280程度)です。クォータ手数料、保証金、厨房職が国民限定職種に当たるかどうかは公式には未公表のため、職種を決める前に経済開発省に確認してください。

このページは、モルディブのリゾートで和食店の料理人を採用するF&B責任者、総料理長、グループ人事担当者向けです。許可手続きの実務と、待遇の決め方の両方を扱います。ホテル・リゾート内の和食店全般についてはホテル内和食店の料理人採用、候補者の探し方は海外で日本人料理人を探す方法、国別の給与比較は国別の寿司職人の給与、赴任パッケージそのものは料理人の赴任パッケージをご覧ください。

目次

  1. 誰が採用しているか、どう採用ルートが決まるか
  2. リゾート料理人の待遇の決め方
  3. Xpat就労許可制度と費用
  4. スケジュールに影響する最近の変更
  5. 確認できなかったこと、どこに聞くか
  6. 逆算スケジュール
  7. そのまま使えるオファー条件

1. 誰が採用しているか、どう採用ルートが決まるか

農林水産省(MAFF)は日本食レストランの数を国別ではなく地域別に集計しており、モルディブは中国と東南アジアが大半を占める「アジア」全体112,400店(2025年)の中に含まれます。モルディブのリゾート内の和食店の数も、日本人料理人の公的な給与統計も公表されていません。モルディブの市場規模を具体的な数字で語る人がいれば、それは推測にすぎません。確認できることを前提に計画してください。

確認できるのは採用の実際のルートです。和食店を持つリゾートのほぼすべては、複数の島を運営する外資系ホテルグループかモルディブの複合企業に属しており、厨房は次の3つのいずれかで人材を確保しています。グループの地域F&Bまたは調理人材の採用部門(時間はかかるが、選考済みの候補者と標準契約書がある)、リゾート専門の人材紹介会社(早いが手数料がかかる)、日本向け求人サイトや調理師学校ネットワークへの直接掲載(うまくいけば採用単価は最も安いが、最初の候補者選定までが遅い)です。チャネルの比較と採用単価は海外で日本人料理人を探す方法と人材紹介会社と求人サイトの比較をご覧ください。

どのルートを使うにせよ、一つの専門だけでなく幅を見て選考してください。リゾートの和食店は、鉄板焼きのテーブル、寿司カウンター、ヴィラでのインルームダイニングを一つの厨房が兼ねることが多いためです。鉄板焼きシェフの採用、おまかせ寿司職人の採用もご覧ください。料理人には他のスタッフの育成も期待できるよう計画してください。現地スタッフへの和食の教え方をご覧ください。

2. リゾート料理人の待遇の決め方

モルディブ当局は日本人料理人の給与を一切公表していないため、相場を探すのではなく自分で組み立てます。

  1. 日本での給与を出発点にする。厚生労働省の2025年調査では、調理師のきまって支給する現金給与は月286,600円、年間賞与351,600円で、合計約379万円です(2026年9月の為替、1ドル約156.87円で約US$24,150)。これは合わせるべき数字ではなく、料理人が比較する下限と考えてください。家族と離れて島で働く条件なら、はっきりと上回る必要があります。
  2. サービスチャージの扱いを募集前に決める。多くのリゾートはサービスチャージを部門横断でプールしています。厨房にも分配されるか、直近の実績はどの程度かを求人票とオファーで明示してください。候補者が最も気にする条件でありながら、雇用主が最も曖昧にしがちな点です。
  3. 契約期間と家族帯同の可否を早めに固める。1〜2年の単身赴任が標準で、家族の帯同はまれです。面接で初めて分かるのではなく、求人票の時点で可否を明記してください。
  4. 残りの待遇を積み上げる。スタッフ住居(通常無料・相部屋)、食事、年1〜2回の帰国便、給与の通貨(米ドルかルフィアか)。料理人の赴任パッケージをご覧ください。

3. Xpat就労許可制度と費用

モルディブの外国人雇用は、政府のオンラインシステム「Xpat」を通じて行われ、外国人雇用規則第2025/R-120号(2025年12月14日公布)とその後の改正が根拠になります。

項目ルール初年度の費用
クォータ(外国人雇用枠)雇用主はXpatに登録された外国人雇用枠を持つ。恒久的な枠の記録は2026年6月1日までに更新が必要だった未公表。経済開発省に確認
就労許可手数料(MIRA)外国人従業員1人につき月MVR 350。オンラインでのみ支払い、最低1か月からパスポートまたは契約満了までMVR 4,200(US$230〜280程度。ルフィアは2025年に旧ペッグ制の15.42から離れたため、最新レートを確認)
就労eビザ(入国管理局)雇用主が入国から15日以内に申請。有効期間は就労許可に連動、更新は最長1年確認したページに手数料の記載なし
保証金MIRAによれば保証金は経済開発省が管理しており、MIRAの所管ではない未公表。同省に確認
給与の支払い認可銀行の従業員本人名義の口座への振込が必須—
雇用主への罰則初回MVR 50,000、2回目75,000、3回目以降100,000。過失の場合は影響を受けた従業員1人あたりMVR 50,000計画上の費用ではなくリスク
健康診断書、公証、翻訳、代行費用—各社の見積もり

就労許可手数料は雇用主の負担であり、従業員の負担ではありません。契約期間全体の分を予算に入れてください。手数料が切れると連動する就労ビザも無効になります。

4. スケジュールに影響する最近の変更

5. 確認できなかったこと、どこに聞くか

アクセスできた公式ページでは、外国人従業員1人あたりの保証金、クォータの正確な手数料、厨房職の区分、そして日本食厨房の職種が2025/R-120の国民限定職種リストに含まれるかどうかを確認できませんでした。MIRAは保証金を経済開発省が管理していると案内しているため、最初に問い合わせるべきはこの省庁です。特定の職種を求人に出す前に、次の2点を名指しで確認してください。料理長・寿司職人・調理師の職種がR-120/2025の国民限定職種リストに入っているか、そして外国人1人あたりの現行の保証金とクォータ手数料はいくらか。この回答が採用そのものの可否を左右するため、できれば書面で残してください。

許可手続きは早めに始め、観光・ビジネス目的の入国からの切り替えは前提にしないでください。2026年9月15日以降、料理人は入国前に就労許可入国パスが必要で、入国後15日以内に就労eビザを取得する必要があります。

6. 逆算スケジュール

時期やること
着任10週間前経済開発省に国民限定職種と保証金について確認する。担当店舗と職務範囲を定める。
9週間前Xpatで自社のクォータを確認する。サービスチャージ、契約期間、家族帯同の可否を明記した求人票を作る。
8週間前採用ルートで募集を開始する。面接と実技確認をリモートで行う。
6週間前オファーに署名する。パスポート、採用通知書、健康診断書、写真、公証済み雇用契約書をそろえ、就労許可入国パスの申請を始める。
4週間前入国パスが承認される。ここで初めて、料理人は日本での退職手続きと航空券の手配を進める。
入国入国パスで渡航する。
入国後15日以内Xpatで就労eビザを申請する。MIRAに初回の就労許可手数料を支払う。
最初の1週間給与振込のため、料理人本人名義の銀行口座を開設する。日本から来る料理人の受け入れをご覧ください。

7. そのまま使えるオファー条件

正式な契約書とあわせて、島特有の条件を一目で確認できるよう、英語と日本語の両方で渡してください。

Offer: [Head Chef / Sushi Chef], [Resort name], [Atoll], Maldives
Salary: [US$ / MVR] [ ] a month, paid into your own bank account. Service charge: [shared with kitchen / not shared], last paid at approximately [ ]. Housing: staff accommodation, [shared / single room]. Meals: provided in staff mess. Flights home: [one / two] per year, paid by the resort. Contract length: [1 / 2] years. Family: [not permitted on this posting / permitted, subject to housing availability]. Days off: [ ] per [week/month]; annual leave: [ ] days. The resort handles the Xpat work permit and Work e-Visa and pays the related government fees.

オファー条件:[料理長/寿司シェフ]、[リゾート名](モルディブ)
給与:月[US$/MVR] [ ]。ご本人名義の口座に振り込みます。サービスチャージ:[厨房にも分配あり/分配なし](直近の実績:約[ ])。住居:スタッフ寮([個室/相部屋])。食事:スタッフ食堂で提供。帰国便:年[1/2]回、リゾート負担。契約期間:[1/2]年。ご家族の帯同:[今回のポジションでは不可/可、住居状況により調整]。休日:[週/月]あたり[ ]日、年次休暇[ ]日。Xpat就労許可・就労eビザの手続きと関連手数料はリゾートが負担します。

変わりうる数字:就労許可手数料、クォータ、罰則の額はR-120/2025の改正で随時変わります。ルフィアと米ドルの為替は2025年に旧ペッグ制から離れ変動幅を持つため、予算のたびに確認してください。厚生労働省の賃金構造基本統計調査は毎春更新されます。次回確認は2027年1月です。

よくある質問

就労許可を申請する前に、候補者を呼んで試用できますか。

2026年9月15日以降はできません。ビジネスビザや観光ビザで入国した外国人は、モルディブ国内で就労許可に切り替えることができなくなりました。試用はリモートで行い、渡航前に就労許可入国パスを申請してください。

モルディブの就労許可は雇用主にとって年間いくらかかりますか。

月MVR 350、年間MVR 4,200をMIRAに支払います。現在のレートでUS$230〜280程度ですが、ルフィアは2025年に旧ペッグ制から離れたため、最新レートを確認してください。クォータ手数料と保証金は存在しますが未公表です。自社に適用される金額は経済開発省に確認してください。

日本人料理人の職種が国民限定になることはありますか。

規則2025/R-120にはモルディブ国民限定の職種リストが含まれると報道されていますが、公式ページでその一覧を確認することはできませんでした。求人を出す前に、対象の職種が該当するかどうかを経済開発省に名指しで確認してください。

モルディブのリゾートで日本人料理人にいくら払うべきですか。

モルディブの公式な数字はありません。厚生労働省の2025年調査による日本での給与、年間約US$24,000を下限の目安にし、住居、食事、帰国便、そして何よりサービスチャージが厨房にも分配されるかどうかを積み上げてください。候補者が最初に気にするのはこの点です。

料理人は家族をリゾートに帯同できますか。

通常はできません。家族帯同はスタッフ住居の空き状況次第で、例外的な扱いです。どちらとも取れる書き方にせず、求人票の段階でそのポジションでの可否をはっきり書いてください。

本記事は一般的な情報であり、法律・移民手続きに関する助言ではありません。ルールは2026年9月時点で下記の公式ページから引用しています。モルディブは2025年12月に外国人雇用規則を改め、その後も複数の改正を行っています。実際の手続きの前に、Xpatシステムと所管省庁で最新の要件を確認してください。

出典

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