就労ビザ

飲食店のための米国ビザ比較:E-2、O-1B、L-1、H-2B、J-1、EB-3

米国に料理人ビザはありません。日本から調理人や料理長を呼ぶための現実的な6つのルートを並べて比較し、どのタイプの店にどれが合うかを解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 6つの選択肢の比較
  2. E-2:日本資本のレストラン向け
  3. O-1B:実績のある料理人向け
  4. L-1:日本に店舗を持つグループ向け
  5. H-2B:季節的な繁忙期のみ
  6. J-1:人手ではなく研修
  7. EB-3:永住権のルート
  8. 自社に合うのはどれか

米国には料理人向けのビザがありません。日本から調理人や料理長を呼びたい飲食店は、投資家、実績のある人材、企業内転勤、季節労働、交流プログラム、永住移民など、本来は別の目的で作られたカテゴリーに当てはめる必要があります。それぞれ、合う店のタイプも合う人材のタイプも異なります。本ガイドでは、現実的な6つの選択肢を2026年9月時点のルールで並べて比較し、それぞれの詳しいガイドにリンクします。

1. 6つの選択肢の比較

選択肢最も合うケース主な要件期間年間上限
E-2(条約投資家の従業員)日本国籍者が50%以上所有するレストラン従業員が日本国籍で、監督職・管理職、または事業に不可欠な技能を持つこと日本国籍者のビザは最長60か月有効、更新可なし
O-1B受賞歴、メディア掲載、著名店での経歴がある料理人料理芸術における卓越性:主要な賞、または6つの基準のうち3つ以上当初は最長3年なし
L-1A / L-1B日本に店舗や会社を持ち、米国に関連会社があるグループ直近3年以内に海外の関連会社で継続1年勤務。管理職・役員、または専門知識通算で最長7年(L-1A)または5年(L-1B)なし
H-2B季節的または繁忙期の需要一時的な需要(原則1年以内)、DOLの労働認定一時的な需要の期間に連動会計年度ごとに66,000件+追加枠がある場合はその分
J-1(トレイニー・インターン)スポンサーを通じた体系的な研修プログラム実質的な研修計画(DS-7002)、単純労働は不可、米国人労働者を置き換えないことホスピタリティのトレイニー・インターン:最長12か月なし
EB-3グリーンカード長く残ってほしい人材PERM労働認定、次にI-140、その後ビザ・ブレティンの順番待ち永住あり(ビザ・ブレティンの待ち行列)

2. E-2:日本資本のレストラン向け

日米間では1953年10月30日から通商条約が発効しており、そのため日本の投資家とその従業員はE-2の資格を利用できます。レストランの場合の条件は次のとおりです。

日本国籍者のE-2ビザは最長60か月で発給でき、相互主義手数料はかからず、申請料は315ドルです。上限も労働市場テストもありません。制約は所有関係で、主に米国人が所有するレストランでは使えません。詳しくは日本食レストランのスタッフのためのE-2ビザをご覧ください。

3. O-1B:実績のある料理人向け

規則では芸術に料理芸術(culinary arts)が含まれると定義されているため、料理人も「卓越性(distinction)」を示せばO-1Bの対象になります。重要な賞、または6つの基準のうち3つ以上を満たす証拠が必要で、基準には、評価の高い店での主要な役割、国内外での評価、商業的・批評的な大きな成功の実績などがあります。同業者団体の意見書(コンサルテーション)が必要です。承認期間は当初最長3年で、上限はなく、プレミアム・プロセッシングは2026年3月1日から2,965ドルです。

O-1Bは店の所有者が誰であっても使えますが、経歴が証拠として残っている料理人に限られます。詳しくは料理人のためのO-1ビザをご覧ください。

4. L-1:日本に店舗を持つグループ向け

L-1は、海外の会社から米国の関連会社(親会社、支店、関連会社、子会社)へ従業員を転勤させるためのものです。連邦規則集 第8編 214.2条(l)の主な内容は次のとおりです。

米国に進出する日本の飲食グループにとって、L-1は日本で1年以上厨房を任されてきた料理人を業態とともに移すための手段になります。調理人のL-1B案件では、一般的な和食の技能ではなく、独自のレシピや調理法など、その会社に固有の知識を示せるかどうかが鍵になります。所有者の国籍は問われませんが、会社間の関係は問われます。

5. H-2B:季節的な繁忙期のみ

H-2Bは、雇用主の需要が一時的な非農業の仕事が対象です。一時的とは、季節的、繁忙期、断続的、一回限りのいずれかで、原則1年以内のものを指します。法定の上限は会計年度ごとに66,000件で、年度の前半と後半に分けて割り当てられます。2026会計年度については、国土安全保障省(DHS)が2026年9月30日に終了する権限に基づき、最大64,716件の追加枠を設けました。

日本食レストランにとっては、さらに2つの注意点があります。雇用主は、ほかの義務に加えて、労働者の往路と復路の渡航費を負担しなければなりません。また、H-2BはDHSの対象国リストに載っている国の国籍者しか利用できません。日本は2024年11月8日に公表されたリスト(2025年11月8日まで有効)には含まれていましたが、現在の指定状況は確認できなかったため、利用を前提にする前に最新のリストを確認してください。通年営業のレストランは、たいてい本当に一時的な需要を示すことができません。詳しくは飲食店の調理人のためのH-2Bビザをご覧ください。

6. J-1:人手ではなく研修

J-1のトレイニーとインターンのカテゴリーでは、「ホスピタリティ・観光(Hospitality and Tourism)」分野を含め、米国での実地研修が認められています。連邦規則集 第22編 62.22条のルールは、このプログラムが労働力の供給源として使われないように作られています。

J-1は、実質的な研修計画を運用できる飲食グループには合う場合があります。たとえば、日本の若手調理人が厨房の各ポジションを回りながら米国での運営を学ぶといった形です。寿司カウンターの人員を埋める手段にはなりません。詳しくは料理分野のJ-1トレイニー・プログラムをご覧ください。

7. EB-3:永住権のルート

EB-3は料理人のグリーンカードの標準的なルートです。所有関係、卓越性、日本の会社の有無に左右されませんが、時間がかかります。プリベイリング・ウェージ、求人活動、PERM、I-140、そしてビザ・ブレティンの順番待ちです。2026年9月時点で、日本を含むすべての国のEB-3熟練労働者のカットオフ日は2024年9月1日でした。ゼロから始める場合、計画上は2年半〜3年を見込むのが妥当です。各段階はEB-3グリーンカード:料理人をスポンサーするで、期間の計算は料理人のグリーンカード取得までのタイムラインで解説しています。

8. 自社に合うのはどれか

自社の状況まず検討するもの
日本資本(50%以上)のレストランで、日本人の料理長や主要な調理人を採用するE-2、長期的にはEB-3
日本で店舗を運営する日本企業が、米国に支店や子会社を開く日本で1年勤務したスタッフにはL-1、日本資本ならE-2も
米国資本のレストランで、候補者が著名な料理人O-1B
リゾートや季節営業で、繁忙期に調理人が必要H-2B(対象国と上限を確認)
日本の若手調理人を1年間育てたいグループ指定スポンサーを通じたJ-1
どのレストランでも、ずっと残ってほしい料理人EB-3をできるだけ早く始め、待ち期間は一時的な在留資格でつなぐ

多くの飲食店は、2つのルートを組み合わせることになります。料理人にすぐ働いてもらうための一時的な在留資格と、長く残ってもらうためのEB-3です。国別の概要は日本人料理人のビザ・スポンサーシップをご覧ください。

本記事は2026年9月に公的な情報源から収集した一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。いずれのカテゴリーにも詳細な証拠要件があります。申請前に、経験のある米国の移民弁護士にご相談ください。

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