北米

ミネアポリスで日本人シェフを採用する:最低賃金・病気休暇・休憩

チップクレジットのないミネアポリスの最低賃金16.37ドル、ミネソタ州の新しい休憩ルールと病気・安全休暇、そして調理人の賃金が最低賃金に近い理由を解説します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. ミネアポリス独自の最低賃金
  2. 休憩と病気休暇:ミネソタ州のルール
  3. ツインシティーズのシェフ・調理人の賃金
  4. スポンサー採用時のプリベイリング・ウェイジ
  5. 候補者はどこにいるか
  6. ビザのスポンサーが必要な場合
  7. ミネアポリスでの採用チェックリスト

ミネアポリスでは、日本食レストランの採用を左右する3つの要素が重なっています。州を大きく上回る市の最低賃金、チップクレジットが一切認められないこと、そして病気休暇や休憩に関するミネソタ州の細かなルールです。この組み合わせによって厨房のあらゆる職の賃金の下限が上がり、初任給と熟練者の賃金の差がほとんどなくなっています。本ガイドでは、2026年9月時点のルール、ツインシティーズ(ミネアポリス・セントポール)の賃金データ、日本で修業した料理人の探し方を解説します。

1. ミネアポリス独自の最低賃金

区分2026年備考
ミネアポリス市2026年1月1日から$16.37規模を問わずすべての雇用主。2027年1月1日に$17.02へ引き上げ
ミネソタ州(全体)2026年1月1日から$11.4120歳未満の研修賃金は$9.31

市の最低賃金について、飲食店が知っておくべきことは次のとおりです。

セントポール市にも独自の最低賃金条例があります。両市で営業している場合は、それぞれ確認してください。

2. 休憩と病気休暇:ミネソタ州のルール

2026年1月1日からの休憩ルール

ミネソタ州労働産業局によると、2026年1月1日から雇用主は次の休憩を与えなければなりません。

ランチの仕込みからそのままディナー営業に入る寿司の厨房では、これをシフト表に組み込む必要があります。休憩中に誰がカウンターを受け持つかを決めておき、「手が空いたら食べる」に頼らないようにしましょう。

病気・安全休暇(Earned sick and safe time)

ミネソタ州の病気・安全休暇法では、ミネソタ州内の雇用主のもとで年間80時間以上働く見込みの従業員は、30時間の勤務ごとに1時間の休暇を得ます。雇用主がより多くを認めない限り、年間の付与上限は48時間です。州労働産業局は2026年7月6日施行のルールに関するFAQを公表しているので、社内規程を作る際に確認してください。ミネアポリスの新規採用者には、市の病気・安全休暇の通知を渡す必要があります。

3. ツインシティーズのシェフ・調理人の賃金

O*NETで公表されているBLSの2025年5月の賃金データによる、ミネアポリス・セントポール・ブルーミントン都市圏の数字です。

職種下位10%下位25%中央値上位25%上位10%
シェフ・料理長(35-1011)$49,230$53,050$63,240(時給$30.40)$75,120$96,920
レストラン調理人(35-2014)$35,310(時給$16.98)$37,110$39,640(時給$19.06)$46,440$48,160

調理人の数字を市の最低賃金と比べてみてください。下位10%の調理人の時給は16.98ドルで、16.37ドルをわずか61セント上回るだけです。中央値の19.06ドルも2.69ドル上回るにすぎません。ミネアポリスでは、調理人の賃金体系の大部分を最低賃金が決めています。

日本食の厨房にとっての影響は2つです。

シェフの賃金は全国の中央値62,470ドルに近い水準ですが、下限が高く、ツインシティーズの下位10%のシェフの年収は49,230ドル(全国は37,900ドル)です。

4. スポンサー採用時のプリベイリング・ウェイジ

PERMとH-2Bで使われる、OFLCの2026年7月〜2027年6月のプリベイリング・ウェイジ(時給)です。

ミネアポリス・セントポール・ブルーミントン(時給)レベルIレベルIIレベルIIIレベルIV平均(H-2B)
シェフ・料理長$24.41$28.43$32.44$36.46$32.48
レストラン調理人$16.85$18.48$20.10$21.73$20.12

調理人のレベルI(16.85ドル)は市の最低賃金をわずかに上回るだけで、市の最低賃金が17.02ドルに上がるとそれを下回ります。常に高いほうが適用されます。詳しくは米国のシェフのプリベイリング・ウェイジをご覧ください。

5. 候補者はどこにいるか

外務省の在留邦人数上位50都市のリスト(2025年10月1日時点、50位は3,242人)に、ミネソタ州の都市は入っていません。ミネアポリスの在留邦人数の公的な数字も見つかりませんでした。

このリストで最も近い大規模なコミュニティはシカゴで、在留邦人は11,111人ですが、前年から6.2%減っています。ミネアポリスのレストランにとって現実的なのは、ツインシティーズ、シカゴ、そして日本国内で募集し、ミネソタの冬も考慮した転居支援を用意することです。シカゴの市場はシカゴのガイド、提示すべき内容はシェフ向けの転居パッケージで解説しています。

6. ビザのスポンサーが必要な場合

米国には料理人専用のビザはありません。E-2は、日本国籍者が50%以上を所有するレストランが管理職または専門技能を要する職に日本人スタッフを雇う場合に、O-1Bは際立った実績のあるシェフに、PERMを経るEB-3は恒久的な採用に使えます。H-2Bには本当に一時的・季節的な需要が必要です。比較は日本人シェフのビザスポンサーをご覧ください。

7. ミネアポリスでの採用チェックリスト

  1. 市内での労働には少なくとも16.37ドル、2027年1月1日からは17.02ドルを支払う。チップクレジットはなし。
  2. 新規採用者に賃金窃盗防止の通知と病気・安全休暇の通知を渡し、市のポスターを掲示する。
  3. 4時間ごとに15分の有給休憩、6時間以上のシフトには30分の食事休憩を組み込む。
  4. 30時間の勤務ごとに1時間の病気休暇が付与される仕組みを整える。
  5. 熟練した日本人調理人と最低賃金の間にはっきりした差を設け、毎年1月に見直す。
  6. 地元だけでなくシカゴと日本でも募集する。

本記事は2026年9月に公的な情報源をもとにまとめた一般的な情報であり、法律や移民手続きに関する助言ではありません。ミネアポリス市とミネソタ州のルールは、通常1月1日に改定されます。実際に手続きを進める前に、リンク先の最新情報をご確認ください。

出典

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